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現在、システムエンジニアの人材が不足状態であり、今後さらに深刻化するとされている。 2016年の経済産業省の発表では、IT人材が現時点で約92万人おり、約17万人が不足している。将来的には2020年には約37万人、2030年には約79万人が不足すると推定されている。 また、IPAの2016年IT人材白書のデータによると、日本のIT企業の2011年度時点の人材不足は大幅不足9.1%やや不足55.6%の合計64.7%に対し、2015年度は大幅不足24.2%やや不足67.0%の合計91.2%まで大幅に上昇している。

さらに、経済産業省の2017年の発表では、今後先端ITとしてビッグデータやIoT、AIの市場が大幅に拡大することにより、これらのITを扱う人材が現在9.7万人おり、既に1.5万人不足している。2020年までに扱う人材が12.9万人に増えるも不足は4.8万人と推定している。 今後重要な役割を担うと期待されている情報セキュリティの人材については現時点で28.1万人いるのに対し不足は13.2万人となっている。2020年には人材が37.1万人に増えるも不足は19.3万人と増加している。

以上のデータから現時点でシステムエンジニアは不足状況にあるが、将来はさらに人材不足となることがわかる。 このシステムエンジニアの人材不足は2020年問題の中に取り上げられている。東京オリンピックに向けて交通や金融のシステムを整える必要がある中、2016年のマイナンバー制度により、国や自治体のシステムやインフラの整備が追い付かず、問題が山積みの状態である。ここに人材不足が重なりIT業界は打撃を受ける可能性がある。 また、2020年に向けて新しいシステム作成の案件は増加傾向になるが、2021年以降は案件減少の可能性があるため企業側はエンジニアの増加をあまり望まない。

では、なぜここまでエンジニアの人材不足が深刻になってしまうのか。 その理由として

1、Web業界、IT市場の成長

2、既存システムエンジニアの高齢化と定年、少子化問題

3、システムエンジニアの仕事に対するネガティブイメージ

4、技術の変化の速さ

が挙げられる。

1、Web業界、IT市場の成長

ソーシャル、ゲーム、大手事業会社がITを活用するようになり、WebアプリのサービスやIoTのモノとインターネットをつなげる仕組みが発達したことにより、より多くの業界・会社・市場がシステムエンジニアの人材を必要とするようになった。

2、既存システムエンジニアの高齢化と定年、少子化問題

交通、金融など、止まると影響が大きい基幹系システムを作るエンジニアが高齢化し定年退職。少子化により若手が少ない状態で人材が立ちない状態に陥る。また、若者はWebやゲームのエンジニアに就くことが多く基幹系は減少傾向にある。

3、システムエンジニアの仕事に対するネガティブイメージ

コスト削減や納期短縮、障害対応があり、「きつい」「厳しい」「帰れない」等ネガティブなイメージがある。最近では残業の多いブラック企業などの話が取り上げられているため、仕事が大変なIT業界=ブラックというイメージを持つ人が多い。

4、技術の変化の速さ

IT技術は変化が激しく、一つスキルを習得したとしてもすぐその技術が衰退し、人材のスキル習熟が追い付かず、企業の需要と必要な技術者がマッチせず人材不足となる。

この人材不足を解決するには今後のシステムエンジニアを育てる環境を用意し、地道に育てていく必要があると考える。 企業が欲しいスキルを持ったエンジニアを育てるための研修制度を整え、システムエンジニアを魅力のある職にし、人材を確保する必要がある。

システムエンジニアの求人案件の現状と今後

経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると これまで特に大きな影響を与えてきたと認識されている技術は、 クラウドコンピューティング、 情報セキュリティ、 モバイル端末 である。

これから特に大きな影響を与えると認識されているものは、 ビッグデータ、 IoT、 人工知能 である。

エンジニアの仕事は他の職種と比べて移り変わりが早い傾向があるので、今後必要とされる技術が何かを認識し徐々に準備を始めている必要があると考える。