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「人生は諦めが肝心」
人生の中で、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか?

「強く追い求めすぎると、ストレスになってしまう。時にはやめたり、断念することも方策である。」
このように人を諭すときに使うのが一般的になっています。

しかし、「諦める」とは本来ポジティブな言葉であるのはご存じでしょうか?「諦める」の語源は仏教用語であり、「明らむ」が変化した形です。「明らむ」とは物事を見極めて明らかにするという、ポジティブな意味合いを持つ言葉です。今回こちらの記事では、30代でIT業界から転職するためのポイントをご紹介します。
あえて、この書き方をさせていただきますが、現在この記事を読まれているあなたはIT業界を「諦めた」、もしくは「諦めよう」としている方と推察いたします。

恐らく様々な理由があって「諦める」決断をしたことでしょうが、それは決してネガティブなことではありません。実際にIT業界に携わることで様々な場面に直面し多くの経験をしたことでしょう。そのうえで自分なりの結論を明らかにしたのですから、この先の人生をより良くするためのポジティブな決断と言えるでしょう。

今回はそのような決断を下した方のために、30代でIT業界から転職するためのポイントをご紹介します。一昔前、転職は若手だけものでしたが、現在はミドル級の人材でも転職が容易になってきました。30代でのキャリアチェンジや転職の狙い目についてご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

30代でのキャリアチェンジは難しい?

一般的に30代で異業種・異職種に変更すること、いわゆるキャリアチェンジは難しい傾向にあります。30代でIT業界の第一線から、転職しようとしている方でも例外ではありません。なぜなら、中途採用とは基本的に即戦力を欲しているからです。特に30代ともなれば、現場の第一線で活躍して欲しい年齢となるため、即戦力級の力が求められます。そのため20代での転職と違い、30代でのキャリアチェンジは難しい傾向にあります。

とはいえ人口の減少が著しい日本では、人手不足を強く感じるのが現状です。30代でIT業界から転職可能かどうか、実際のデータを確認してみましょう。
以下の図は、大手転職サイトが2017年に発表した調査結果です。

未経験歓迎の画像

以上のデータから業界・職種によっては、未経験者でもかなりの割合で歓迎されていることが分かります。歓迎されている理由は事業拡大のためや多種多様な経験のある人材が欲しい、人物重視のため経験を問わないが主な理由になっています。このように業界・職種によっては未経験者でも、キャリアチェンジのチャンスが数多くあることが分かります。もちろん誰でも入れる訳ではありませんが、間違いなくチャンスは多くあります。企業や業界研究などキチンとした下準備をしましょう。

ここまでキャリアチェンジの可能性が高いことをお伝えしたので期待した方も多いことでしょうが、ここからはキャリアチェンジには同時にリスクが存在することをお伝えします。以下の3つがキャリアチェンジのリスクになります。

①年収が下がる可能性がある

会社の規模にもよりますが、労働の対価である給料は基本的に実績や技量を基に支払われます。つまり未経験の職種にキャリアチェンジするということは、対価である実績や技量が限りなくゼロに近づきます。そのため、現在貰っている年収より下がる可能性が大きくなります。

②新しく覚えることが数多くある

職種を変えるということは、当然新しく覚えることが数多くあります。20代でのキャリアチェンジが許容される理由のひとつに、物覚えが良いことがあげられます。個人差によるところが大きいですが、30代になると新しく物を覚える能力が下がる傾向にあります。その点をカバーできるかどうかも、30代でのキャリアチェンジが大変とされる要因のひとつです。

③年下上司・先輩がいる可能性がある

未経験の新人として現場に配属される場合、年下の上司・先輩がいる可能性があります。新人として入社するのだから、年齢に関係なく教えを請うつもりという心意気であれば問題ありませんが「自分の性格上、年下の方に物を教わるのは少し・・・」と感じている方もいることでしょう。未経験の新人として入社することは、このような状況もあり得ることになります。

この章ではキャリアチェンジも業界や職種によっては可能性があること、キャリアチェンジにもリスクがあることをお伝えしました。30代でIT業界から転職したい、転職しようとしている方の中で、キャリアチェンジを考えている方は今回ご紹介した可能性やリスクを検討してみてはいかがでしょうか。

狙うのであれば、異業種・同職種

30代でIT業界から転職を目指している方の中には、今までの経験をできれば活かしたいという方も多いでしょう。「だけど、IT業界はちょっと・・・」という方も同時にいるはずです。そのような方には異業種・同職種への転職がオススメです。具体的には「社内SE」と呼ばれるポジションがオススメです。近年の企業活動にはITの力を欠かすことはできません。そこで企業は、外部に頼っていたシステム開発や保守を内部で行おうとする動きが増えてきました。その結果、現れた職種は「社内SE」です。社内SEは、主に自社システムの開発や調整、保守を行う職種です。

社内SEは今までの経験を活かしつつ、IT業界での不満を解消しやすい環境が揃っています。
具体的には、「ワークライフバランスがとれない」「自分の成果が見えにくい」です。その点、社内SEでは以下2つのように不満を解消できる可能性があります。

①ワークライフバランスがとれる

働き方改革の影響で緩和されたものの、システム開発の現場はまだまだハードな働き方をしています。しかし、社内開発は一般的なシステム開発に比べると、スケジュールが緩く設定される傾向があります。そのため、ワークライフバランスが取りやすい傾向にあります。また本格的なシステム開発を行う場合、外部のシステム開発会社に依頼する傾向にあるため、厳しいスケジュールに巻き込まれる可能性は低くなります。

②自分の成果・頑張りが目に見える

IT業界で働く方の中には現場から現場へ飛び飛びで働くため、自分の成果が見えにくいと感じる方も少なくないはずです。その反面、社内SEは社内システムを開発・保守するため、自分の頑張りや成果が常に目に見えます。自分の業務が社員へ還元されたり、業績アップにつながったりするため、やりがいを感じることができます。また長期的なスパンでシステム開発・保守を行うため、システムを作り上げていく実感を持つことができます。

30代でIT業界から転職を目指している方の中には、IT業界に辟易した方も多いのではないでしょうか。IT業界で培った実績や経験を活かしつつ、今抱えている不満を解消しやすいのが社内SEとなります。人気の職種であるため、狭き門になりますが、目指す価値は必ずあるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は30代でIT業界から転職を目指している方に向け、キャリアチェンジや狙い目の職種についてご紹介しました。

まず最初はキャリアチェンジの可能性についてご紹介しました。業界や職種によってはキャリアチェンジも可能ですが、キャリアチェンジには年収ダウンなどの可能性があります。リスクとリターンのバランスを検討する必要があります。

次に狙い目の職種についてご紹介しました。社内SEと呼ばれるポジションは、IT業界で抱えた不満を解消できる可能性があります。人気の職種であるため狭き門になっていますが、これまで培ってきた経験を活かせる職種であるためチャレンジする価値はあります。

昨今はスラムダンクの名言が象徴するように「諦めたらそこで試合終了です。」を美学・美談とする風潮があります。もちろん諦めないことはポジティブなことです。ですが、30代でIT業界から転職するという決断もポジティブなことです。多くの葛藤がある中で自身で下した決断です。本当に良かった・悪かったは後から分かることです。

一般的に働く目的は「生活のため」「家族のため」であることが、かなり割合を占めていることでしょう。 労働はあくまで手段であり、目的ではありません。30代でIT業界から転職は一見、ネガティブに聞こえますが、あくまで目的を達成するための手段を変えていることに過ぎません。目的さえブレずに達成し続けることができれば、後から振り返ったときに"手段"を変えて良かったなと思える日が必ず来るはずです。