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  • ビッグデータ時代に求められる重要職種

データベーススペシャリストとは

インターネットへの常時接続が当たり前になり、スマートフォンやタブレット、PCまで含めた様々なデバイスでインターネットを利用している現代において、常に活用されているものの一つに「データベース」があります。顧客データを始めとする膨大なデータは日常生活や公共サービスを含めた各種サービスにおいて活用されており、現代人の生活にデータベースが関わらない場面はほぼ無いと言っても過言ではありません。

そんな「データベース」に関する専門家がデータベーススペシャリストです。データベーススペシャリストは、企業や団体などが保有するデータを管理・保管し、データベースとして運用するためのシステム構築に関する知識や技術を持った専門家のことを言います。

現代のビジネスではありとあらゆる情報が「データ」として蓄積されていて、個人情報を始めとする顧客データなどをもとにしたマーケティングなども行われています。このような重要データは「ビッグデータ」と呼ばれ、膨大で意義のある情報=データをどれだけ持っているかということに価値が置かれるようになっています。

ただしその一方で、特に個人情報に関わるデータは流出した場合には大きな社会問題になることもあるので、蓄積されたデータの管理には様々な企業が複数の対策を講じることが常識になっています。複数のデータが蓄積され、集約されている状態の「データの塊」のことが「データベース」であると定義されていて、この定義にあてはめて考えると、例えば「名刺が複数枚入った名刺入れ」や、「電話帳」なども「データベース」です。

最近では名刺や電話帳も紙で管理することが減り、デジタルデータとして管理することが増えています。そして殆どの場合は管理しているデバイス=PCなどが常時インターネットに接続されていて、インターネット経由でそのデータベースを活用していることが当たり前になっているのです。

そのため、現代社会においてはデータベースの管理は必須事項という認識になっていて、サービスを開発し提供することになるIT業界にとってもデータベースの管理と運用は必ず求められることになります。そのための専門家として存在するのがデータベーススペシャリストなのです。

データベーススペシャリストは国家資格

データベーススペシャリストは、経済産業省が管轄する「情報処理推進機構=IPA」が運営する「情報処理技術者試験」の一つであり、国家資格の一つです。そしてデータベーススペシャリストの資格を得るために受験することになるデータベーススペシャリスト試験は、れっきとした国家試験です。

情報処理技術者試験には「情報処理技術を利用する側」と「情報処理技術を扱う技術者」それぞれに向けた試験が用意されています。データベーススペシャリスト試験は、情報処理技術を扱う技術者向けに設定されている試験ということになります。情報処理技術者試験は4段階のレベルに分けられていますが、データベーススペシャリスト試験は最高難易度であるレベル4として位置づけられており、いくつかある情報処理技術者試験の中でも、より高度な知識が求められ、なおかつ高い難易度を誇っています。

レベル4の情報処理技術者試験に合格しているという証明書でもあるため、データベーススペシャリスト試験に合格し資格を持っているという事実はクライアントや企業からの評価が高くなります。転職や就職を考える際にも、データベーススペシャリスト試験に合格しているという事実はかなりのアピール材料になりますので、就職面接での強力な武器になる可能性は高いでしょう。

最も大きなメリットは、他の国家資格試験の一部が免除されることです。しかも、一つの資格だけではなく、複数の資格で適用されるため大きなメリットだと言えるでしょう。

データベーススペシャリスト試験に合格することで得られるメリットは以下の通りです。

1.弁理士試験の論文式筆記試験選択科目免除

2.技術士試験の一次試験・情報工学部門免除

3.ITコーディネーター(ITC)試験の一部免除

4.警視庁サイバー犯罪捜査官警部補4級職任用資格試験免除

これだけの国家資格試験が免除され、なおかつ厚生労働省が定める「ITマイスター」の応募資格としても認められているため、産業としてのものづくりに携わりたい方にとっては心強い資格であることは間違いありません。

国内での就職や転職を考える際にも有利な点が多いデータベーススペシャリスト資格ですが、実は海外での活躍を目指す方にとってもアピールする材料として使える点があります。例えば、青年海外協力隊などのボランティア事業においてはコンピューター関連の技術員で、有資格者の人材を優遇して募集している事例があります。もし海外でのボランティア事業や、海外でITを活用して働く経験をしてみたいと考えている方は、取得しておいて絶対に損はしない資格です。

データベーススペシャリストの仕事内容とは?

データベーススペシャリストは資格としてメリットが多いことをご紹介しましたが、実際の仕事内容はどのようなものになるのでしょうか?

データベーススペシャリストが担当するのは、主にデータベースの企画や設計。さらに要件定義と開発および構築。そして最後にデータベースの管理・運用があげられます。

データベースの企画・設計とは、クライアントの要望に合わせて様々な種類のデータが管理できるようにデータベース全体の内容を企画し、設計する作業です。クライアントが管理したいのはどんなデータなのか?顧客データなのか、売上データなのか、などを細かくヒアリングし、管理したいデータの種類によって管理方法を決めていきます。

要件定義と開発・構築とは、顧客がどのようなデータベースを作りたいか?データをどの様に管理したいかという要求を明らかにし、その要求を満たすための条件を明確化・文書化した共通認識を作るところから始まります。要件定義は開発プロジェクトにとっては命綱にも例えられるほど重要なもので、開発途中に詰まったときには要件定義を確認すれば、本来何をするための開発作業なのかということが確認できるようになっています。その要件定義に従って、クライアントのニーズに合わせたデータベースを開発・構築していくことになります。データベースの開発にはMySQLなどのデータベース用プログラミング言語を使用することが多いため、データベーススペシャリストの他にMySQLの経験も積んでおくと非常に重宝されるでしょう。

さらに、完成したデータベースの管理・運用も求められることがあります。データベースは構築だけしても、適切に管理されていなければ必要なデータが取り出せなかったり、誤って消去してしまったりすることが起こり得ます。そのようなトラブルや事故が発生しないように、ふさわしい保存領域を確保したり、自動で保存場所を安全な場所に選ぶよう設定したりという最適化作業を行う必要があります。データベースの管理に問題が無いようであれば、次に必要なのはセキュリティも含めた運用です。

データベースには一般的に見ても重要な情報が詰まっており、中には金銭的な損害に繋がってしまうほどの重要なデータが含まれていることもあります。そのようなデータが保存されたデータベースに不正アクセスなどがあっては大きな問題になってしまいますし、情報漏洩は近年厳しく糾弾される事態になってしまうので避けなければなりません。そのために必要なのは適切なセキュリティシステムの構築と運用になります。データベースの構築段階でセキュリティの詳細も決めて構築しておけば、運用が開始された後もセキュリティ対応はスムーズに行うことが可能です。

データベーススペシャリストはビッグデータ時代に必須の資格

データベーススペシャリストは、ここまでご紹介してきたようにデータを取り扱う専門家であり、セキュリティ面も含めたデータベース運用の知識が要求される仕事です。ビジネスの面でも重要度を増すデータベースは、昨今では「ビッグデータ」と呼ばれ企業からもますます注目されています。

将来的にデータマーケティング、分析などの業務に携わりたいという方にとっては、取得しておくとキャリアに直接影響する重要度の高い資格であると言えますし、それは国家資格として「高度なIT人材として専門知識を持ち、情報システムの要件定義や開発・運用までにおいて中心的な役割を担ったり、またこれらへの技術支援を行う人」を対象としていることから、既に分析業務やデータベース管理、マーケティングなどに従事している方にとってはさらなるキャリアアップに繋がる実戦的な資格だとも言えます。

データベーススペシャリストに求められる技術水準とは?

データベーススペシャリストに対して求められる技術水準はどのようなものなのでしょうか?実際問題として、データベーススペシャリストに要求される技術水準は非常に高いと言っても過言ではありません。データベースの専門家であるがゆえに、要求される知識や技術の幅が広く、なおかつ種類が多いというのが現実です。

資格としても職務としても注目されている「トレンドに乗った」状態であるデータベーススペシャリストですが、現在の流行だけではなく、技術面での最新動向や、今後の技術トレンドの予測も踏まえながら、幅広い視野で運用方法を導き出して解決策を見出すということが求められます。その意味では「今」だけを見て対処するのではなく、中長期的な視野で物事を見て考えられる力も求められると言えるでしょう。

どんな資格にも言えることではありますが、データベーススペシャリストも試験に受かり、資格を得ることはゴールではなくあくまでもスタートラインで、資格を得た後にも常に新しい情報、新しい知識を学び、実際の業務に活かしていくサイクルを回すことが求められます。

また、もちろんデータモデリングの技術そのものに関しても高い水準の技術が求められます。データベースの設計や構築を行うにあたり、データモデルのデザインを行うことは必ず求められますし、発注者ごとに最適なデータベースの形は異なりますので、それぞれの要望に応じたデータベースの構築理論が要求されることになるからです。

まとめ

ここまで、データベーススペシャリストとは何かということから、データベーススペシャリストは国家資格であること。そしてIT系国家資格の中でも屈指の難易度を誇る資格試験であることや、これからの時代においては非常にニーズの高い資格であることをご紹介してきました。データベーススペシャリストの仕事内容もご紹介しましたが、要求される技術レベルも高く、常に最新の技術トレンドもおさえておかなければいけないので簡単ではありませんが、データベースすsペ者リストがどんなものなのかというイメージを掴むとともに、その重要性もご理解頂けたのではないでしょうか。今後のキャリアアップのためにも、是非データベーススペシャリスト試験の受験を検討してみてください。