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Azure VMware Solutionの概要について

ここでは、Azure VMware Solutionについて説明させていただきます。 クラウド市場が大きく成長を遂げていることは周知の通りで、将来的には現在よりも多くの企業が クラウドシステムを導入してクラウド上でビジネスを展開していくことは間違いありません。 その一方で、既存システムの移行やそれに伴うリスクや課題がまだまだ存在することは 事実であり、テクノロジーの発展により少しずつ取り組み今後解決していくべき課題も決して少なくありません。 クラウドへの過渡期にある現在にビジネス環境において、 オンプレミス環境からの移行、あるいはマルチクラウド環境やマイブリッド環境など 企業は自社のシステムの内容やサービスに応じて最適なクラウド戦略を構築していく必要があります。 企業のシステム担当者を始めとして、インフラエンジニアやソフトウェアエンジニア、アプリエンジニア、 データベースエンジニア、あるいはセキュリティエンジニアなどITの専門家やプロフェッショナルにとって クラウド関係の知識や現在のクラウド市場を取り巻く環境に関する知識は大いに関係性があるため、 是非身につけておくべきである内容であることは間違いありません。

それではAzure VMware Solutionの概要について簡単に紹介させていただきます。 Azure VMware SolutionはオンプレミスのVMware環境をAzureに移行または拡張することが できるサービスであり、2010年にリリース以来多くの企業の導入されているクラウドサービスの一つとなります。 AzureはMicrosoftが管理するデータセンターを通して提供されるクラウドコンピューティングサービスの総称を指します。 AzureではSaaS(Software as a Service) PaaS(Platform as a Service)IaaS(Infrastructure as a Service)を 中心としたクラウドサービスを提供しており、世界のトップクラスのシェアを誇るクラウドサービスとしても有名です。 Azure VMware Solutionに説明を戻します。 オンプレミス環境から既存システムをクラウド環境に移行する際にはコストがかかる点、あるいは稼働中のシステムへの影響やテクノロジー面など様々な面から検討を行い、移行検討や移行準備にしっかりと時間をかける必要があります。 クラウドサービスのメリットを充分に理解しながら移行を行わずオンプレミス環境で稼働させているシステムの割合は決して少なくありません。 Azure VMware Solutionは従来の課題である、オンプレミス環境からクラウド環境への支援を行い現在の課題課題を解決するためのソリューションであり、 オンプレミスのVMware仮想化基盤を、スムーズにAzureへ移行することを実現させることが可能です。 従来の問題点であった既存のシステム資産やツールなどを棄損することなくスムーズに移行することと、 システムを最新のクラウド環境に移行しクラウドサービスのメリットを享受することができるという点がAzure VMware Solutionの大きな魅力となっております。
また、Azure VMware Solutionが大きく注目を浴びている理由はテクノロジー面だけでなく、 クラウドサービスを取り巻く国内の市場の変化もその一つです。 ガバメントクラウド(Gov-Cloud)とAzure VMware Solutionの親和性は高く、 地方自治体のシステムを移行する際に大きな役割を果たすことが期待されております。 ガバメントクラウドとはデジタル庁が推進する、共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)の利用環境のことを指し、現在のIT業界やクラウド市場において最も関心度の高いニュースの一つと言えるでしょう。 デジタル庁は2021年に設立され、行政における国・地方行政のIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目的としてIT分野を 管轄する組織です。 その中でも「デジタル・ガバメント実行計画」は非常に重要な役割を担っており、 その具体的な方法もしくはテクノロジーがガバメントクラウドです。 これによって各地方自治体のシステムが政府の運営するクラウド上に統一されるということになります。
地方自治体がガバメントクラウドを導入するメリットについても簡単に紹介させていただきます。 地方自治体がガバメントクラウドを活用することでサーバーやOSやアプリケーションなどを共同で利用するため、システム運営を行う際の各地方自治体のコスト負担が軽減します。 コスト面だけでなくセキュリティー面においてもガバメントクラウドにより最新のテクノロジーを導入することや、 高性能なセキュリティー対策を実行することができるというメリットがあります。 また、地方自治体を利用する住民にとってもガバメントクラウド導入によるメリットは大きいです。 ガバメントクラウドを利用して様々な情報伝達が迅速になることや便利なサービスを利用することが可能となります。 また、ガバメントクラウドによりデータ連携を行うことで住民がワンスオンリーが実現できます。 ワンスオンリーとは登記事項証明書の添付省略、住民票の写し・戸籍謄抄本等提出の原則不要化、法人番号等を活用したバックオフィス連携など一度提出した情報を二度提出する手間をかけずに行政サービスの改善を行うことを指します。 デジタルガバメント実行計画においてはワンスオンリーの他に「デジタルファースト」「 コネクテッド・ワンストップ」などが掲げられております。 地方自治体の業務システムの統一・標準化に向けたスケジュールについては、 先行事業、本格移行期を経て将来的には原則すべての自治体でGov-Cloudを利用することができるようにすることを目指しております。 以上が簡単ではありますがGov-Cloudについての説明とさせていただきます。 また、Microsoftのサービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP:Information system Security Management and Assessment Program)」に 登録されている点もAzure VMware Solutionを導入するメリットと言えるでしょう。 ガバメントクラウドとISMAPは密接な関係があります。 現在ガバメントクラウドとして認定されているサービスはAmazon Web Services(AWS)とGoogle Cloud Platform(GCP)のみとなります。 ガバメントクラウドとして認定されるためにはまずISMAPの業者の認定を受けることが必要となり、現在の国内のクラウドベンダー市場の力関係を考慮すると将来的にAzureも仲間入りことは間違いないと見られております。 以上がAzure VMware Solutionとクラウド市場に関する説明となります。

次にAzure VMware Solutionの特徴についていくつか紹介させていただきます。 一点目が共同責任モデルとなります。 クラウドサービスとその責任についての説明については長くなるためここでは簡単に紹介させていただきます。 クラウドサービスにおいてはSaaS、 PaaS、IaaSの 3つの種類が存在することについてはすでに本文で紹介させていただきました。 クラウドのセキュリティあるいは責任問題はクラウドの責任分界点と呼ばれ、SaaS、PaaS、IaaSごとに 異なります。 SaaSではネットワーク、ハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションとほぼ全域をクラウドサービスを提供する事業者が責任を負う形となります。 PaaSではネットワーク、ハードウェア、OS、ミドルウェアまでのクラウドサービスを提供する事業者が責任を負う形となります。 IaaSではネットワーク、ハードウェアまでをクラウドサービスを提供する事業者が責任を負う形となります。 Azure VMware Solutionの共同責任モデルについて簡単に説明させていただきますと、 物理インフラやハードウェアはクラウドサービス提供を行う事業者として Microsoftが責任もしくは担当を負うという形となります。 また、企業がシステムの移行もしくは移行後に抱く懸念材料としてシステムを正常に運用することができるかという点や、システム障害やバージョンアップなどの対応の問題があります。 Azure VMware Solutionでは、ハードウェア障害対応もMicrosoft側で対応するため物理インフラやハードウェアや その他の障害について企業や担当者が対応せずに良いため手間を省くことが可能です。 ハードウェアの機能低下または障害が検出されると、Microsoft 側でクラスター内に新しい正常なノードを追加して復旧を行いーザーへの影響を最小化する形で復旧を試みます。 また、ESXi のバージョンアップやパッチ管理に関してもMicrosoft側が対応を実行します。 一方で仮想マシンおよびその中で動くアプリケーションにおいては顧客の責任範囲となりますので、企業や企業担当者はAzure VMware Solutionを導入する際にしっかりと理解をしておく必要があります。 以上が簡単ではありますが、Azure VMware Solutionに関する説明とさせていただきます。 さらに詳しくAzure VMware Solutionについて解説させていただきますので、参考にしてみてください。

Azure VMware Solutionの機能と特徴について

Azure VMware Solutionの機能と特徴について説明させていただきます。 一点目がVMware 環境を Azure とシームレスに統合することが 可能である点です。 オンプレミス環境で稼働していたシステムをAzure VMware Solutionによってクラウド環境に移行することで弾力性、スケール、迅速なプロビジョニングサイクルを 実現し生産性やパフォーマンスを高めることが可能となります。 APIを使用して vSphere VMを表示および作成し、デプロイを自動化して、シングルサインオンを有効にします。 コンピューティング、監視、バックアップ、データベース、IoT、AI の幅広い Azureサービスを利用することで 顧客のワークロードを強化することが実現できるでしょう。
二点目が既存のVMwareツールをそのまま利用することができるという点であり、VMware の HCX テクノロジを使用して Azure にシームレスに移行することが可能です。 vSphere ベースのアプリケーションを Azure に再デプロイするときに運用の継続性を確保し、複雑なアプリケーションのリファクタリングを回避できます。
三点目がAzureの専用クラウド インフラストラクチャ上のデプロイを可能にするという点であり、 VMware vSphere、vSAN、NSX-T の各プラットフォームをネイティブかつ大規模に実行することができます。

Azure VMware Solutionのメリット

Azure VMware Solutionのメリットについてポイントを絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

Microsoftサービスとの関係性

Azure VMware Solutionのメリットの一点目がMicrosoftサービスとの関係性となります。 Microsoftサービスとの親和性が高いだけでなく、 「Extended Security Updates(ESU:拡張セキュリティ更新プログラム)」を無償で受けることができます。 ESUは、サポート終了日を過ぎて特定の従来のマイクロソフト製品を実行する必要がある 顧客に対するサポートです。 何らかの事業がありオンプレミス環境のおいて古くなったシステムあるいは製品がアップデートが完了していないシステムが企業内に複数存在するという事例は決して少なくありません。 オンプレミスのVMware vSphereからAzure VMware Solutionに移行する際にESUを利用することができるという点は大きなメリットの一つと言えるでしょう。

Azureハイブリッド特典

Azure VMware Solutionのメリット二点目がAzureハイブリッド特典となります。 Azure ハイブリッド特典は、クラウドでワークロードを実行するコストの大幅な削減に役立つライセンス特典となります。 Azureハイブリッド特典によって、ソフトウェア アシュアランスが有効なオンプレミスの Windows Server と SQL Server のライセンスを Azure で使用できるようになります。 また、この特典が RedHat と SUSE Linux のサブスクリプションにも適用されるようになりました。 さらに詳しく説明させていただきます。 Windows ServerもしくはSQL ServerからAzureに移行することでコストが約1/5に削減することができると試算されております。 Windows ServerにおいてはWindows Server ライセンスの割り当てをクラウドで使用することが可能で、 オンプレミスとクラウド間での 180 日間の二重使用権を獲得できる点がメリットです。 SQL ServerにおいてはWindows Server と SQL Server の両方のワークロードに Azure ハイブリッド特典を使用することで、節約を最大限にすることができる点、 サービスとしてのプラットフォーム (PaaS) 環境で既存のSQL Serverライセンスを使用できる点、 SQL Serverの1対4のvCPU 交換に適用されます。SQL Server Enterprise Editionの1コアごとに、 SQL Managed InstanceまたはAzure SQL Database General Purposeおよび Hyperscale レベルの4つのvCPU、あるいは SQL Server Standard Editionの4つのvCPUをAzure VMで利用できます。 Azure Dedicated Hostでの無制限の仮想化により、コンプライアンス要件を満たすのに役立ちます。 オンプレミスとAzure間での180 日間の二重使用権を獲得できる点などのメリットがあります。

プライベートクラウド

Azure VMware Solutionのメリットの三点目が プライベートクラウドとなります。 既存のシステムから移行する際に様々な課題を抱える顧客は少なくありません。 VMware vSphereのプライベートクラウドを利用することが可能です。 Azure VMware Solutionにおける監視パターンは、IaaS プラットフォーム内のAzure VMに似ています。 Azure VMware Solutionをサブスクリプションにデプロイすると、Azure Monitor ログが自動的に生成され 「各VM でログを収集する。」 「Linux および Windows VM に MMA エージェントをダウンロードしてインストールする。」 「Azure Diagnostics 拡張機能を有効にする。」「新しいクエリを作成して実行する。」 「VM で通常実行するものと同じクエリを実行する。」といったことが対応可能です。

Azure VMware SolutionとVMware Cloud on AWS

Azure VMware Solutionと近しいサービスの一つがAWSの提供する VMware Cloud on AWSです。 VMware環境を、AWSクラウドに迅速に移行し、モダン化および拡張して保護することが可能です。 VMwareの技術はハイパーバイザーベースの仮想環境やプライベートクラウドのインフラストラクチャなど インフラ市場を大きく牽引してきており、その技術力や市場シェアについては非常に大きいことは 誰もが認めるところです。 クラウド時代になってもそれは同様であり、VMware Cloud on AWSのサービスがスタートしたのが 2017年でAzure VMware Solutionがそれに追従する形で2020年にサービスがスタートしました。
では、VMware Cloud on AWSのメリットについていくつか紹介させていただきます。 一点目がコストの削減となります。 オンプレミス環境からの移行により、様々なコストを削減しAWSの最新のテクノロジーを導入しシステムを運用することが可能となります。
二点目が可用性の向上となります。 クラウドの代表的なメリットとも言える可用性ですが、 AWSのテクノロジーを導入することでクラウドのスケーラビリティ、可用性、セキュリティなどを実現することが可能となります。
三点目が様々なイノベーションです。 顧客はAWSの200以上の様々なサービスを導入し、既存のシステムの移行だけでなく ビジネスに対してイノベーションを起こすことが可能になります。

ではさらにVMware Cloud onAWSのテクノロジーについていくつか紹介させていただきますので、 参考にしてみてください。 VMware Cloud onAWSを利用することでオンプレミスのvSphere環境を、 AWSと完全に統合されたAmazonEC2エラスティックベアメタルインフラストラクチャで実行されているVMwareSoftware-Defined DataCenterに拡張しますが その際にクラウドにおけるVMwareのスキルとツールを基本的にはそのまま利用することが可能です。 大規模なシステムの移行を実行する際は多くの場合において新しい環境の学習やトレーニングやあるいは知識の習得、不足している人材の採用、ツールの改修、プロセスの刷新など組織に対して大きな負荷がかかることは知られております。 VMware Cloud onAWSではそういった必要がなくスムーズに移行し、パブリッククラウドの俊敏性、規模、革新性の恩恵を受けることが可能となります。 もちろんVMware Cloud onAWSの利用によりAWSによる一貫したセキュリティ、運用、ガバナンスを実現することも忘れてはいけません。 AWSのクラウドスケールとセキュリティを活用しながら、確立されたオンプレミスのセキュリティ、ガバナンス、運用ポリシーを拡張することで、混乱を最小限に抑えます。 また、VMware Cloud onAWSではVM、コンテナ、など豊富でかつ高機能なAWSサービスを実行するための単一のプラットフォームを 提供し管理されたKubernetesサービスのポートフォリオであるTanzuサービスを使用してvSphereワークロードを最新化します。 高帯域幅、低遅延のネットワークを介してアクセス可能な200以上のAWSサービスでエンタープライズアプリケーションの価値を拡張します。 既存または新規のアプリケーションを18のグローバルAWSリージョンにデプロイします。 世界最高水準のAWSにおけるリージョンには複数レベルの冗長性があり、インフラストラクチャの停止中のダウンタイムを最小限に抑えます。 Azure VMware SolutionとVMware Cloud on AWSの違いについて考える際には双方のテクノロジーやサービスの 比較と自社サービスおよび移行後のシステムについて様々な角度から検討することが必要となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか? Azure VMware Solutionについて詳しく解説させていただきましたので、 参考にしていただけましたら幸いです。