フリーランスはどの保険に加入すればいいの?民間の保険で節税できる?

フリーランスや個人事業主になると、様々なことを自分で決めていかなければなりません。会社の社会保険には加入できませんので、健康保険に加入するにもそれぞれの特徴を理解しておく必要があります。この記事では、フリーランスが加入できる保険制度を紹介しますので、選ぶときの参考にして下さい。

①【公的な健康保険への加入は必須です】

どんなに気を付けていても、普段の生活の中でのケガや病気はつきものです。安心して毎日を過ごすためにも健康保険への加入は欠かせませんが、フリーランスや個人事業主が加入できる健康保険として主に4つが挙げられます。それぞれの制度の特徴を説明します。

1.国民健康保険に加入する

国民健康保険は市区町村が運営しています。自営業者やアルバイト、無職の人など、会社員や公務員以外の人の大半が国民健康保険に加入しており、フリーランスや個人事業主が最も多く加入している制度でもあります。

保険料は、前年の所得を元に算出する「所得割」と、世帯ごとの人数によって決定する「均等割」、すべての世帯に一律にかかる「平等割」の3つを基本として、各市区町村が独自に決定しています。現在の所得ではなく、前年の所得で保険料額が決まるのが特徴で、世帯単位で計算をし、決定された保険料の全額を世帯主が納付することになります。

2.会社の健康保険の任意継続をする

会社を退職すると同時に社会保険の資格も喪失するのが原則ですが、引き続き在職時と同じ健康保険に加入することも可能で、これを「任意継続」といいます。

フリーランスや個人事業主が任意継続するためには、会社を退職した日の翌日から20日以内に任意継続の申請をしなければなりません。保険料は毎月10日までに納付することとなっていますが、納付をしないと自動的に資格が喪失してしまうので注意が必要です。

また、任意継続ができるのは会社を退職してフリーランスや個人事業主になった最初の2年間のみとなっており、任意継続している途中で、国民健康保険に加入するためや、扶養に入るためなどといった理由で任意に資格を喪失することはできません。

会社員だったときの保険料は、会社と本人が半分ずつ負担していましたが、フリーランスや個人事業主となり任意継続すると全額自己負担となります。退職時の標準報酬月額に保険料率を乗じた額を支払うこととなりますが、任意継続の標準報酬月額は最高でも28万円という上限があり、例えば退職時の標準報酬月額が36万円や47万円であったとしても、任意継続の保険料は28万円に保険料率を乗じた額となります。

また、会社員だったときと同様に、扶養家族については引き続き扶養に入れることができますので、在職時の収入が多かった人や扶養家族の多い人は、国民健康保険に入るよりも任意継続の方が保険料の負担を抑えることができるかもしれません。

3.健康保険組合に加入する

健康保険組合とは、同じ地域で事業を営む人や同じ職種に従事する人が加入することができる組合のことです。

大企業やその子会社、グループ会社が自社グループ独自の組合を運営しているところもありますが、フリーランスや個人事業主であっても条件を満たせば加入することができる健康保険組合があります。代表的なものとしては、インターネット事業やIT関連事業者によって組織される関東ITソフトウェア健康保険組合やフリーデザイナーが加入できる文芸美術国民健康保険組合があります。

健康保険組合の保険料は、フリーランスや個人事業主の所得によって決まりますが、国民健康保険は所得が多ければ保険料も高くなるのに対し、健康保険組合は所得にかかわらず保険料が一定で変わらないこともあるので、所得の多い人ほど負担を抑えることができるかもしれません。

また、中小企業の多くが加入している「協会けんぽ」よりも保険料が安いことが一般的で、特に、関東ITソフトウェア健康保険組合は加入者の年齢層が若い世代が多いことから、給付の額が抑えられており、その結果、保険料が相対的に有利になっています。

給付の点においても、被保険者やその被扶養者が出産したときの出産育児一時金に付加給付金として10万円を上乗せしたり、医療費が自己負担限度額を超えたときに一部を付加給付金として支給したりするなどといった独自の給付を行っているところがあり、サービスが手厚いのが特徴の一つです。

4.扶養に入る

フリーランスや個人事業主として活動を開始した当初は、収入が安定せず保険料を払うのが大変なこともあります。現在社会保険に加入している人の扶養に入れば、新たな費用の負担はありませんので、健康保険制度に加入する最も経済的な方法といえます。ただし、扶養に入るためにはいくつかの条件があり、審査をクリアしなければなりません。

まずは、同居しているかどうかが判断の基準となります。
(1) 被扶養者の範囲
(a)別居していても被扶養者になれる人
・配偶者
・子、孫、および兄弟姉妹
・父母、祖父母などの直系尊属
(b)同居していなければ被扶養者になれない人
・叔父、叔母などの3親等内の親族
・内縁関係の配偶者の父母および子
ただし病院に入院している場合や介護施設に入所している場合は、一時的な別居と考えられるため、同居しているものとして取り扱われます。

次に、扶養に入る人の収入が審査されます。
(2) 被扶養者の収入要件
(a)被保険者と同居している場合
・年間の収入が130万円未満であり、かつ、被扶養者の収入が被保険者の収入の半分以下であること
ただし、60歳以上の人もしくは障害者である場合は、年間収入が130万から180万円に要件が緩和されます。
(b)被保険者と別居している場合
・年間の収入が130万円未満であり、かつ、年間収入が被保険者からの仕送り額未満であること

この条件をもとに扶養の対象となれるのかどうかの判断がされますが、あくまで目安であり、絶対ではありません。

フリーランスや個人事業主の収入が被保険者の収入の半分以上の場合であったとしても、被保険者の年間収入を下回っているときは、その世帯の生計の状況を総合的に勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、フリーランスや個人事業主が被扶養者となれることがあります。まずは市区町村役場の保険年金課の窓口か最寄りの年金事務所へ行って相談してみると良いでしょう。

また、フリーランスや個人事業主は収入を得るために様々な必要経費がかかります。「年間収入130万円未満」の判断について、必要経費を除いた年間収入が130万円未満かどうかで判断するのが一般的ですが、健康保険組合によっては、必要経費を除かずに純粋な売上金額が130万円未満かどうかで判断するところもあります。フリーランスや個人事業主は、税の申告のときなど必要経費を差し引いて考えますが、健康保険の扶養においては、必要経費を差し引けるかどうかは組合の考えによるところもありますので、必ず事前に確認をしてください。

②【民間の保険に加入すると節税できる】

フリーランスや個人事業主になると、多くのことで判断を強いられ、責任の度合いも大きくなります。自分自身や家族を守るためにも、民間の商品への加入も検討したいところですが、民間会社の商品に加入すれば、確定申告で所得税の控除を受けることができ、税制上有利になります。

1.生命保険に加入すると節税対策になる

フリーランスや個人事業主に限らず、万が一に備えて生命保険に加入している人は数多くいます。一定の保障が得られる一方で毎月の保険料の負担が気になりますが、生命保険の保険料は確定申告のときに控除証明書を添付すると、最大4万円の所得控除を受けることができます。なお、生命保険には新制度と旧制度があり、平成23年12月31日までに契約した旧制度であれば、最大5万円が控除されます。

生命保険だけではなく、介護医療保険や個人年金保険も所得控除の対象となっており、すべて合わせると最大12万円の控除が可能となっています。

加入する際には、月々の保険料は安いけれども保険料が戻って来ない掛け捨てタイプと、月々の保険料は高いけれども解約時に払い込んでいた保険料が戻ってくる貯蓄型がありますので、それぞれのライフプランに合わせて選択すると良いでしょう。

2.損害保険も所得控除の対象となる

フリーランスや個人事業主になると事業場を自分で用意しなければなりません。自分では火事に気を付けていても、隣家の火が燃え移ってくることもあり、いつ火災に遭うか分かりません。

火事に備えて火災保険に加入をし、火災保険と一緒に地震保険に入るのは危機管理の一つです。これら損害保険のうち、地震保険の保険料については所得控除の対象となりますので、確定申告のときには忘れずに申告するようにしましょう。ただし、控除の対象となるのは地震保険の部分のみで、火災保険の部分については対象となりませんので注意してください。

③【従業員に保険を掛けて経費を抑える】

個人事業主として業務が増えてくると、一緒に働く従業員の採用を検討することもあるでしょう。雇用するすべての従業員に保険を掛ければ、その保険料の全額を必要経費に算入することができます。

従業員の一部にしか掛けていなければ、給与扱いとなり、必要経費として取り扱うことはできませんが、福利の向上と従業員の定着は安定した事業運営においては大切な要素ですので、個人事業主として検討したいところです。

【まとめ】

フリーランスや個人事業主は、ケガや病気で体調を崩してしまうと、そのまま収入減につながってしまう可能性があります。自分の身体により一層気を配らなければならない立場でもありますので、この機会に様々な保険を比較してみて下さい。

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