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Rubyの概要

RubyはWEB開発を中心に採用されている言語であり、オープンソースのオブジェクト指向スクリプト言語です。日本で開発された言語でもあり、シンプルで設計しやすいことで人気があります。開発者は日本人のまつもとゆきひろ氏であり、設計思想として「Enjoy Programming」とされています。

プログラムは言語によりさまざまな作法が存在しますが、Rubyではプログラマーがストレスフリーで開発できるようにされています。また、競合言語としてPythonやPerlが挙げられています。

Rubyで開発するメリットデメリット

〇メリット

1.素早い開発が可能: Rubyはシンプルなコーディングが可能であり、インタプリタ型言語です。JAVAやC系統などのコンパイラ言語ではコンパイルをしなければ実行ができませんが、インタプリタ言語ならすぐに実行が可能です。大きい開発規模になるとコンパイルだけで相当の時間がかかることもあるので、インタプリタ言語であるRubyは好まれる傾向があります。

コンパイルの時間が削減できる他にもコーディング数が少ない傾向にあるのもRubyです。たとえばHello,Worldを表示させるシンプルなプログラムでも違いがわかります。

C#の場合は

using System; namespace HelloWorld { class Hello { static void Main() { Console.WriteLine("Hello World!"); } } }

のようになりますが、Rubyでは

print "Hello,World"

のみの記述となります。コーディング量が少ないと言うことはバグを生みだす可能性が低くなります。開発において多数のバグは開発スピードを遅くしてしまいます。この観点からもRubyは大きなメリットがあるでしょう。

2.日本人が開発したこともあり、日本語のサポートや資料が多い: PythonやPerl、JAVA、Cなどの開発者は外国人であり、資料は英語がメインです。しかし、Rubyは開発者が日本人であることから日本語のサポートや資料が多いです。インターネットでRubyに関する情報を調べてみるとわかるでしょう。

3.WEBフレームワーク「Ruby On Rails」の存在: フレームワークであるRuby On Railsの存在はWEBアプリケーション開発において大きなメリットです。あらゆる開発で採用され、最近ではスマホアプリやゲームなどの開発でも採用されています。Ruby On Railsは柔軟な応用がきく設計であり、通常のWEBサービスの機能がついている点も作業工数を少なくしてくれます。

〇デメリット

1.インタプリタであるため実行速度が遅い: インタプリタ言語の宿命ともいえますがコンパイラ言語と比べると実行速度が遅い傾向があります。インタプリタは処理ごとに変換をしているためです。事前に処理を変換しているコンパイラ言語と処理速度が違う理由となります。処理速度を求める開発をするのであれば、他の言語を検討する方がいいでしょう。

2.自由にコーディングできる半面、管理が難しい傾向になる: Rubyは自由さがウリの言語で人気があります。しかし自由にコーディングできる半面、大人数での開発の際に文法の違いにより統一性がなくなってしまいます。第三者が書いたコードを読むのに時間がかかり、結果として大きい修正コストを支払ってしまうかもしれません。

Rubyの特徴

1.オブジェクト指向言語である: Rubyはオブジェクト指向言語であり、クラス・継承・メソッドといった概念があります。これにより、オブジェクト指向のポイントであるカプセル化、継承、ポリモーフィズム(多様性)が可能になります。

2.ガベージコレクション搭載: CやC++などの言語ではオブジェクトの破棄はプログラマーが記入しなくてはなりません。しかし、ガベージコレクションがあることで生成したオブジェクトをプログラマーが破棄のタイミングを考えなくても自動で破棄してくれます。これにより、メモリリークや2重解放などの問題を避けることが可能になります。

3.例外処理機能がある: プログラム実行中に何かしらの不備が起こる可能性があります。例外処理機能があることにより、不備が発生した場所や原因の特定が素早くできます。

4.汎用性が高い: Rubyは非常に柔軟性が高く、プログラマーの思想や設計を受け止めてくれます。たとえば加算処理はRubyでは通常+を用いますが、プログラマーが読みにくいと思ったらtasuでも加算処理ができるようになります。例文として下記のようにすることで通常の+ではなくtasuで加算処理ができます。

class Numeric def tasu(x) self.+(x) end end y = 3.tasu 4

普通のプログラマーであれば、このようなことはしません。しかしRubyの柔軟性がわかったのではないでしょうか。

Rubyの歴史

Rubyが誕生したのは1993年2月24日に生まれました。日本人であるまつもとゆきひろ氏が開発し、2011年にはJIS規格に制定されるなど多方面から認められる言語となりました。

オープンソースの言語であることから、さまざまな改良が加えられ中でもRuby On Railsの存在はRubyを語る上でも重要な要素と言っても過言ではありません。2004年に開発されたRuby On Railsの登場により、開発しやすい土台になり多くの開発に採用されるようになりました。

Rubyの今後

オープンソースであるRubyは世界中のプログラマーが改良することが可能です。WEBアプリケーションの開発コストを下げることができる、Ruby On Railsは未だ多くの企業で採用されており、需要はまだまだ多くなる見通しです。

現在のRubyのバージョンは2.5であり、3.0の構想もあるとのことです。多くの開発者から愛されている言語であることが伺えます。

Rubyの単価

Rubyの開発単価は月に40万円から90万円と幅が広いですが、60万円前後がおおよその平均単価とみていいでしょう。特にWEBアプリケーション制作においてRubyは重宝されている言語の一つでもあります。

Rubyの案件状況

WEBアプリケーションは多くの企業が制作にあたるものであり、多種多様のサービスが存在します。各求人サイトにおいてのRubyの求人状況はどのくらいあるのか表にしましたので確認してみましょう。

サイト募集数
I社293件
F社171件
P社453件
※データは2018年3月6日時点です

案件数が少ないサイトもありますが、200件以上の案件を持っているサイトがあることに注目です。Rubyを用いた開発の多様性と人気の高さが伺えます。また、上記データは公開案件であり、非公開案件もある可能性があります。非公開案件の方が単価などの条件が優遇されている可能性もあるため、会員登録などするといいでしょう。

どのような業務業種のプロジェクトで用いられているか

Rubyの求人で多く見かけるのがWEBエンジニアとサーバーサイドエンジニアです。ユニークなモノになるとゲーム業界の職種もあります。WEBアプリケーションとして開発コストが低くなるRuby On Railsを採用している例がほとんどです。

業種は多種多様で医療系、土木系、広告系などさまざまです。また、Rubyは未経験者でも求人を募っているところが多いのも特徴です。習得しやすい言語の一つでもある背景からと思われます。Rubyでのキャリアを積むことで、さまざまな仕事を受注できるようになるでしょう。