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1.概要

1.コマンドプロンプトとは

「コマンドプロンプト」とは、Windowsに搭載されているシステムツールの1つで、「キーボードだけで操作する画面インターフェース(CUI:Character User Interface)」のことをいい、「コマンド」と呼ばれる命令文を入力して操作します。また、Windowsの前身OSにあたる「MS-DOS」を操作するためのシェルになります。「シェル」とは、OS本体とユーザーを仲立ちするプログラムで、シェルがなければOSの操作はできません。

2.「CUI」はOSによって呼び方・機能が異なる

「コマンドプロンプト」はWindows以外のOS環境では、呼び名や機能が異なります。Linux系やMac OSでは、「ターミナル」と呼ばれ、使用できるコマンドに違いはありますが、「キーボードだけで操作する画面インターフェース(CUI)」であることに違いはありません。一方で、「GUI(Graphical User Interface)」と呼ばれる、マウスやトラックパッドを使用して画面上のアイコンやボタンを使う「視覚的に操作できる画面インタフェース」というものがあります。コンピューターが出始めたころは、「CUI」しか存在しませんでした。後々GUIが開発されるようになり、今現在ではGUIのおかげで、誰もが手軽に操作できるようになりました。

2.コマンドプロンプトの利点

1.直接コンピューターに命令を下して処理できる

視覚的に画面操作できる「GUI」は基本的に、エクスプローラー画面を見ながら日々マウスを駆使して作業します。
たとえば、外部から接続するユーザーに対して、対象のフォルダのみにアクセス権を与え、それ以外のフォルダは開けないようにするにアクセス権の制限を設けるとします。対象外のフォルダを1つ1つ開いてプロパティからアクセス権の操作をするのは、非合理的で時間も手間もかかります。「CUI」は、コンピューターにしてほしいことを直接命令して自動的に処理させることが可能です。

2.作業の自動化「バッチファイル」

エクスプローラーを見ながらマウスを駆使することなく、直接コンピューターに命令を下させるCUIでも、いちいちコマンドを入力して処理させるのは手間だと思う人が少なからずいます。ましてや、日課作業も直接「CUI」で作業させたいけど入力が大変、これならGUIがいいとも考えますが、自分の手を煩わせたくないと考えます。そんな時は、あらかじめ使用するコマンドをテキストファイル書いておくだけで、実行処理をしてくれ「バッチファイル」を作成しておくことです。
「バッチファイル」とは、一連の処理を記述したもので、実行のタイミングで記入された処理内容をすべて実行してくれるテキストファイルです。「バッチファイル」のメリットは、処理の自動化のみならず、人為的ミスや手間の削減に役立つことです。作成は、「メモ帳」や「サクラエディタ」で簡単に作成が行え、作成後は拡張子を「.bat」に変更すれば、コマンドプロンプトから実行できます。

3.バッチファイルのメリット・デメリット

「バッチファイル」のメリットは、あらかじめ実行内容をテキストファイルに登録しておくことで、手間いらずに実行できる事です。
たとえば、定期的にバックアップをとる必要があるフォルダーやデータがある場合、定刻通り手動でバックアップ処理をやるのは手間であります。バックアップ処理ができるバッチファイルを事前に準備しておけば、手動でしなくて済むばかりか、業務時間外に実行できるように設定し置けば、リソースを効率よく使用できます。た、人為的ミスが削減できるため、大切なデータがデリートされたり、間違った処理がされることもなくなります。
しかし、そんな「バッチファイル」にもデメリットは存在します。それは、人の目が必要とする作業には向かないという点です。バッチファイルは、実行するタイミングでテキストファイルに書かれた処理内容を自動で処理します。そのため、万が一にも知らないところで問題が発生したりもします。また、バッチファイルの内容が、作成者にしか分からないということもあります。業務引継ぎの際には継承者に負担がかかるため、バッチファイル内に「コメント」という形で処理の内容を記述しておく等の対策が必要になります。

3.コマンドプロンプトを使用してみる

1.コマンドプロンプトの起動

コマンドプロンプトは、スタートメニューあるいはスタートメニューの検索で「cmd.exe」と入力すると開く事ができます。
なお、「コマンド」によっては実行の際に管理者権限を求められる場合があります。この場合、「コマンドプロンプト」を右クリックして[その他]、[管理者として実行]をクリックすれば管理者権限のコマンドプロンプトが起動します。

2.コマンドプロンプトの画面をカスタマイズ

コマンドプロンプトの画面は、ユーザー好みにカスタマイズすることができます。

  • 1.コマンドプロンプト」を右クリックして[その他]、[管理者として実行]して起動させます。
  • 2.起動したら、画面左上にあるアイコンをクリックしてシステムメニューを表示します。
  • 3.システムメニューの一番下にある[プロパティ]をクリックします。
  • 4.クリックすると[“コマンドプロンプト”のプロパティ]が表示されます。

プロパティ中ではフォントのサイズから書式、ウィンドウのサイズ、画面の文字・背景等を自分好みにカスタマイズできます。

3.主要コマンド

コマンドプロンプトを活用して、コンピューターに指示を出すコマンドはたくさんあります。下記はその中でも知っておくと便利なのになります。

  • ・copy:ファイルのコピーをしたい時に使用します。
  • ・del:ファイルの削除をしたい時に使用します。
  • ・dir:階層型システムで関連するフォルダ等を一覧表示したい時に使用します。
  • ・cd:現在のディレクトリファイルの場所を表示したいしたい時に使用します。
  • ・ren:ファイル名を変更したい時に使用します。
  • ・for:ファイルを一括処理したい時に使用します。
  • ・find:テキストファイルから文字列を検索したい時に使用します。

4.バッチファイルの作成

1.実行中のコマンドを非表示にする

バッチを作成していくにあたり、冒頭には「@echo off」を記述します。
「@echo off」は、それ以降に記述されるコマンドをすべて画面ら表示させないコードになります。仮に「@echo off」を記述しなかった場合は、処理が実行されるたびに、コマントが表示されます。厳密には「echo off」が「以下のコマンドを非表示にする」記述にだからです。「echo off」の前に「@」を付けるのは、行内ののコマンドを非表示にするためであり、仮に「echo off」だけでは、それスカのコマンドしか非表示にできず、「echo off」そのものは残ってしまうため、必ず「@」を付けます。また、「echo off」を使用せず「@」のみを使う場合もあります。とはいえ、「echo off」を冒頭に使う方が簡便であります。なお、確認が必要な場合は、コマンドを消さずに表示する場合もあります。

2.「setlocal」で環境変数を指定

「setlocal」を記述して、以下に環境変数を記述します。単純な環境変数を設定するだけであれば「set」でも可能です。しかし、「set」では、他のバッチファイルに干渉する恐れがあります。そのため、「setlocal」は、そのファイルでしか環境変数を定義することができません。換気用変数の設定は、「endlocal」と記述するか、バッチが終了するまでローカル化します。

3.「rem」でコメントを残す

「rem」の後ろに記述した文章はすべて「コメント」として扱われ、処理の実行には一切影響しません。そのため、何を書いてもいいですが、基本は、冒頭と各処理の行で活用します。冒頭では、このバッチファイルの処理内容と使用目的について記述をし、各処理の行には、実行される処理内容を各所で記述することで、作成者以外の第三者がそれを見て理解できるように配慮します。

4.拡張子を変更する

バッチファイルの作成には、メモ帳等の「テキストエディタ」を利用する。メモ帳を例に説明します。
メモ帳を開いてコマンド列を記述していきます。1つの処理が行えるバッチファイルが完成したら、[名前を付けて保存]をクリックして「拡張子を[.text]から[.bat]」に変更して保存します。そうすると「ファイル名.bat」となります。

5.コマンドプロンプトでファイル名を指定して実行

作成したバッチファイルは、コマンドプロンプトからファイル名をしてするだけで実行することが可能です。たとえば、ファイル名が「avs.bat」であれば、コマンドプロンプトにファイル名をそのまま書き込むか「avs」と記述すれば実行されます。ただし、これが可能なのは、対象のバッチファイルが「カレントフォルダ」内にある場合のみです。「カレントフォルダ」とは、現在開いているフォルダのことを指します。それ以外りフォルダにファイルがある場合は、フルパスや相対パスで指定して呼び出す必要があります。

6.コマンドライン引数の指定・参照

「コマンドライン引数」とは、コマンドプロンプトでプログラムを実行する際に、プログラムに対して渡す値です。これは、コマンドプロンプトでバッチファイルを実行する際にも使用されます。記述例は以下のようになれます。

・ファイル名.bat 引数1 引数2 ……

上記のように与えられた引数は、バッチファイル側においては「%1,%2」という記述で受け取っています。「%1」は、「引数1」が、「%2」には「引数2」が代入されます。

5.まとめ

コマンドプロンプトを有効的に活用すれば、これまで億劫だと感じていた作業の効率が漠然と変わります。操作に慣れてしまえば、個人の生産性は飛躍的に向上し、空いた時間で、別の作業に手を移す事ができます。しかし、それでも毎度コマンドプロンプトを立ち上げるのは大変です。それなら、作業処理をあらかじめ記述し、必要な時に実行できる「バッチファイル」を作成しておくことで、必要な時に実行して処理すれば、より快適に作業がはかどります。