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  • コマンドプロンプトの便利な機能や成り

はじめに

WindowsNT時代から2021年現在のWindowsOSに至るまでWindowsのアクセサリー機能として存在し続けるコマンドプロンプトは、存在は知っていたとしても全く使ったことがない人も多いことでしょう。かつてのパソコンには、現在のWindowsやMacのように画面を見て直感的に操作が行えるGUIはなく、真っ黒な画面にコマンドを打ち込むことで初めて操作できる機械だったため、初心者がパソコンを始めるのはハードルが高い状況でした。Windowsのコマンドプロンプトはその当時のようなコマンドでパソコンを操作でき、利用方法を把握しているととても便利なツールです。今回はコマンドプロンプトについて紹介していきます。

コマンドプロンプトとは

コマンドプロンプトとは、Windows上の実行プログラム「cmd.exe」を実行した際に起動するコマンド入力待ち状態にある画面のことです。Windowsが普及してからというもの、特に家庭用のパソコンではDOSを利用する機会は激減しました。DOS(Disk Operating System)は、マウスが普及していない時代の主流であったCUI(Character User Interface)で操作するOSの種類です。DOSのOSは各社で開発されていましたが、Microsoft社のDOSは「MS-DOS」と呼ばれました。MS-DOSはGUIのWindowsが登場した後も、しばらくは併せて利用される場面がありました。

1993年まではMicrosoftがMS-DOSを単体としてリリースしていましたが、Windows95のリリース以降はDOS単体でのリリースは不要と判断されるようになり、2000年頃にはOSのサポートも終了となりました。それでもCUIにはGUIでは実行できない優れた面もあったため、Windowsの中のアクセサリーとしてコマンドプロンプトが残されました。

MS-DOSは一つのOSであったためパソコン上で単体で動いていましたが、コマンドプロンプトは、Windows内の操作する窓(機能)の1つとして考えられるようになったため、「DOS窓」という愛称で呼ばれているという説があり、ときには「DOS画面」という呼ばれ方もします。

WindowsのDOS系の機能をさらに細かく分類すると、Windows2000までは「MS-DOSプロンプト」という機能名で存在していました。内部のプログラムの仕組みはコマンドプロンプトとは異なりますが、どちらもDOS互換環境であり、動作に関しては大差ありません。「DOS窓」という呼び方は「MS-DOSプロンプト」時代の名残りとも言われています。

CUIとは

CUI(Character User Interface)の「Character」は日本語で「文字、文字列」のことです。様々なプログラミング言語でも良く出てくる「Character」と同じ意味です。コマンドを入力できる状態となっている黒い画面上に、一定の意味を持ったコンピュータへの指示内容を入力すると、実行結果がテキストで返されます。指示内容によってはテキストで表示されるだけではなく、例えばフォルダやファイルの削除等、実際にパソコン内に変化を与えられるものもあります。UNIXやLinuxといったOS、Macのターミナル等もCUIを採用している有名なOSや機能です。

GUIとは

GUI(Graphical User Interface)とは画面がグラフィックメインとなっているインターフェースの種類です。ファイルやフォルダを画像で表示し、マウスをダブルクリックしてファイルを開いたり、プログラムを実行したりと直感的な操作が可能です。特に家庭用に使われるWindowsやMacOSはGUIなので、1990年代後半からパソコンを使い始めた人がイメージするパソコンはほとんどの場合がGUIである可能性が高いです。タブレットやスマートフォンといった、急激に普及し始めた画面をタッチして操作するOSもGUIです。

CUIのメリット

一見CUIがGUIに勝ることはないように見られがちですが、GUIが主流となってからもCUIが残り続けているのは、CUIを利用した方が手間を省ける場面があることがその理由です。

例えば、あるフォルダの中に数百個のファイルがあった場合、GUIでそれらファイルの一覧をテキストに書き出すためには、ファイル名を編集可能な状態にしてコピーをし、都度テキストに貼り付ける作業をひたすら繰り返すことになります。この操作をCUIで行う場合、dirというコマンドをコマンドプロンプト等で実行することで、実行結果がテキストで一覧表示され、表示内容を一度コピーペーストするか、テキストデータで出力するだけで済みます。

コマンドプロンプト上で実行したいコマンドの行数が多かったとしても、メモ帳等にプログラムのようにテキストで記述しておき、そのメモ帳を実行ファイルとして保存し、実行すると何行にもわたる処理が一瞬のうちに完了します。画面を見ながら単調な動作を何度も繰り返さなければいけない場合は、GUIで人間が一つ一つ操作するよりも、コマンドを使って一括処理をした方が効率的であり、ミスを減らすことにも繋がります。

コマンドプロンプトの使用例

コマンドプロンプトは、以下のような時に使用すると大変便利です。

大量のファイル名変更を一括で行う時

本来ならひとつひとつファイル名を手動で変更しないといけませんが、コマンドプロンプトならまとめて一括で変更できます。

ipconfigとpingでTCP/IPネットワーク設定を確認する時

コマンドプロンプトを使えば専用のソフトをインストールしなくてもTCP/IPネットワークの設定状態や疎通状況を具体的に確認することが可能です。

バッチファイルとタスクスケジューラでPCを自動化する時

コマンドプロンプトで動作するバッチファイルを作成し、設定した日時や曜日にプログラムを実行できるWindowsの機能「タスクスケジューラ」に作成したバッチファイルの実行をあらかじめ設定しておくと、設定した時間にプログラムが実行されます。日々の簡単なルーチンワーク等を自動化することに役立ちます。なお、バッチファイルとは、複数のコマンドの集合体で出来ているプログラムのようなものです。コマンドプロンプト上で動作し、ダブルクリックするだけで何度も同じ動作を実行できます。

まとめ

今回はCUIからGUIへの移り変わりを交えて、Windowsにコマンドプロンプトが存在し続けている理由や使用例を紹介してきました。コマンドプロンプトは今回紹介したこと以外にも、設定変更やプログラムをインストールすることでさらに様々なことを行える大変便利なツールです。普段行っていることの一つだけでもコマンドプロンプトを使うと格段に便利になることもあるので、ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか。