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そもそも「ほうれんそう」って何?

「ほうれんそう」ってそもそも何?という人もいるかもしれません。「ほうれんそう」とは「報告」「連絡」「相談」の「報」「連」「相」を取ったもので、会社や組織の中での情報共有が重要であることをわかりやすく標語にした言葉です。

最近になってできた言葉ではなく、かなり長い歴史を持つ言葉として知られていて、幅広い世代の社会人がその重要性を口にすることでも知られています。

報告

「報告」とは文字通り、現在の状況や起きた事実などをありのままに伝えることです。報告を行う時に誇張はせず、事実通りに物事を伝えることが重要です。

報告の目的は「状況の共有」であり、理由の説明などは必要とされていません。報告を受ける人は実際の状況や起こった事実が何だったのかを知りたいのであり、個人の感想や意見などを求めているわけではないからです。こう書くと冷たく聞こえるかもしれませんが、目的にあった行動をすることが社会では求められるため、報告の際にどのようなことを念頭に置くかはしっかりと理解しておく必要があります。

連絡

「連絡」とは遅滞なく、かつ正確に情報を申し送りすることです。組織で物事を進めるときや一緒に仕事をする相手に今現在の自分の状況進捗や今後の予定、見通しなどを共有したりするために行います。場合によっては「報告」と混同されやすいこともあるので注意が必要です。

連絡を行う際に必要とされるのは、報告と違い重要度や緊急度などを相手に理解してもらうための工夫も求められるということです。「自分は連絡したから」となってしまうと、本来であれば連絡相手に実施してもらうべき重要な事項があったにも関わらず、重要度合いが伝わらなかったために実施されなかった、というトラブルにも発展しかねません。そうなってしまった時には連絡をした人の「連絡の仕方」にも問題があったということになってしまうため、「相手への伝え方」「相手にどう伝わるか」を意識した行動が求められます。

相談

「相談」とは、自分では判断できない事態や状況が起きたときに判断の基準を示してもらうための意見を求めたり、そのものズバリの指示を求めたりすることです。

相談する時に重要なことは、「相手の立場や状況も考えなければいけない」ということです。相談をするときには「内容を簡潔」に伝え、「何を求めているのか」を明瞭に要望し、「極力短時間で会話が終わる」ように気を配ることです。

自分が誰に相談を持ちかける時は何らかのアドバイスや助けを求めている状況ですが、相談された相手はそうではありません。相談を受けた相手もその時には何か大事な業務をしている最中かもしれないということも考える必要があります。つまり、相談するということは少なからず「相手の時間を使っている」「本来は割かなくてもいい時間を自分のために割いてくれている」ということを忘れてはいけません。

新入社員に「ほうれんそう」が重要な理由

新入社員ではなくても「ほうれんそう=報連相」は重要ですが、新入社員には特に重要だと言われています。なぜなら、「ほうれんそう=報連相」を通じて組織の中での話の仕方や、話す相手の立場、どのようなことを伝えることが必要なのか、などその組織で働いていく上で必要な情報を整理することができるからです。

さらに、正確な報告と的確な連絡。そしてタイミングの良い相談ができるようになると業務の効率は飛躍的に向上します。自分自身の業務だけではなく、所属する部署や課全体の業務も円滑に回ることがあります。反対に不正確で曖昧な報告ばかりで、タイミングのズレた連絡が多く、的はずれな相談ばかりになると周囲に迷惑をかけることになり、なおかつ自分自身の業務に対する信頼を失うことになってしまいます。

新入社員のうちに働く組織における「ほうれんそう=報連相」の重要性を理解し身につけておけば、その後の業務が円滑に進むことになりますし、周囲に話を聞いてもらえる機会も多く持てるようになるでしょう。何より、自分の存在を周りに認めてもらえるチャンスを得ることができます。

新入社員の「ほうれんそう」良い例、悪い例

新入社員の「ほうれんそう=報連相」について、どのような報連相が良い例なのか?または悪い例なのか?を具体的な事例をあげてみますのでチェックしてみてください。

新入社員の「ほうれんそう」良い例

上司から会議の資料作成を依頼され、了承した。念の為、現在自分が行っている業務の状況を伝え、作成する資料はいつまでに何部必要なのかを質問した。

3日後までに100部が必要と言われたが、現在の業務は2日後の午前中まではかかりそうだということを伝えた結果、自分は40部。上司が別の同僚に60部を依頼することになった。

翌日、思ったよりも早く元の業務が終わったため上司と同僚にその旨を伝え、最終的には自分が50部。同僚が50部を作成し、会議前日までに資料を完成させることができた。

新入社員の「ほうれんそう」悪い例

上司から会議の資料作成を依頼され、了承した。今は別の業務を行っている最中なので、その業務が終わってから取り掛かることにし、元の業務を続行した。

2日後の夕方。取り掛かっていた業務が終わったため、上司に頼まれた会議資料の作成を始めたところ、進捗度合いを尋ねられたので今開始したことを伝えると、翌日までに100部作れるのか確認をされた。翌日100部必要とは聞いていなかったので間に合わないかもしれないことを伝えた。

上司は慌てて他の同僚にも声をかけ、最終的には以前同様の資料を作成したことがある同僚に80部。自分に20部を割り振り、資料はほとんど同僚が完成させることになった。

新入社員の「ほうれんそう」良し悪しの違い

上記の良い例と悪い例では何が違うのでしょうか?

「良い例」では、新入社員の自分が今取り掛かっている業務があることを報告。それがいつ終わりそうなのかということを報告。上司が求めているものがいつまでに必要なのかを確認し、元の業務が早めに終わった時にその旨をすぐに連絡し、同僚との仕事の割り振りを相談しています。

「悪い例」では、新入社員として取り組んでいる業務があることを特に上司に報告しておらず、また上司が求める業務がいつまでに必要なのかも確認していません。進捗に関しても連絡しておらず、状況がわからないため周囲の誰も会議資料の作成に関して相談できない状況に陥ってしまいました。

まさに「正確な報告」と「的確な連絡」「状況に応じた相談」が必要な状況だった中で、それらができたかどうかが明暗を分けています。

「ほうれんそう=報連相」は「コミュニケーション能力」とも言いかえられるものです。周囲ときちんとコミュニケーションを取ることができれば、新入社員であっても信頼を得ることができますし、その後の業務にも幅を持って参加することができるでしょう。

まとめ

新入社員にとって「ほうれんそう」。「報告」「連絡」「相談」が重要であるということを実例をあげて紹介してきました。会社や組織での業務は同僚や上司だけではなく、クライアントや協力会社も巻き込み、多くの人が絡むことが多いものです。正確な情報共有ができればそれだけ業務は円滑に回りますし、そのきっかけを作ったのが誰なのかということは経験のある社会人であればすぐに理解してもらえます。情報共有を適当に済ませず、「ほうれんそう=報連相」を徹底して周囲との連携を高めて業務を行えるようになりましょう。