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Oracle WebLogic Serverの概要について

ここでは、Oracle WebLogic Serverについて説明させていただきます。 アプリケーション開発を行うエンジニアにとってサーバーの知識は必須となります。 また、インフラエンジニアを設計構築する際においても同様です。 サーバーはその機能によって様々な種類や製品がリリースされております。 昨今ではクラウドに移行するケースが増えておりますがオンプレミス環境で運用されているケースや オンプレミス環境とクラウドを併用するケースなど企業によって様々です。 エンジニアとして基礎的なサーバーに関しての知識を身につけておくことで柔軟な対応が可能となり、 活躍の場が広がることは間違いありません。 Oracle WebLogic ServerはOracle社が設計開発を行うJavaEE (Java Platform, Enterprise Edition)アプリケーションサーバーです。 Jakarta EEは標準仕様として、動的HTTPサーバ機能、自動トランザクション管理機能、データベース接続機能、メッセージング機能、各種通信プロトコル機能がAPIとして 定められており、1999年にリリースされました。 アプリケーションサーバーはWebシステムにおける「Webサーバー」「アプリケーションサーバー」「データベースサーバー」の三層構造の一つでありアプリケーションプログラムを動作させビジネスロジックの実装やデータベースとの接続やトランザクション管理などの機能を持ちます。 Oracle WebLogic Serverの特徴としてはオンプレミスやクラウドで開発、導入、稼働するために統合された拡張可能なプラットフォームであり、堅牢性に優れている点となります。Java EE準拠のアプリケーションサーバーとして多くの実績を持ち信頼性が高い点もOracle WebLogic Serverの強みと言えるでしょう。 以上が簡単ではありますが、Oracle WebLogic Serverの概要についての説明とさせていただきます。 それではOracle WebLogic Serverについて詳しく解説させていただきますので参考にしていただけましたら幸いです。

Java EEについて

Oracle WebLogic Serverに関連するキーワードとしてJava EEについて説明させていただきます。 Java EEはJavaで実装されたアプリケーションサーバの標準規格及びそのAPIを定めたものであり、Java Platform、Enterprise Editionの略ですが Jakarta EEに名称が変更となりました。 Java EEは1999年に登場して以来、複数回にわたりバージョンアップを行ってきました。 (2001年にJava 2 Platform, Enterprise Edition 1.3、 2003年にJava 2 Platform, Enterprise Edition 1.4、 2006年にJava Platform, Enterprise Edition 5、 2009年にJava Platform, Enterprise Edition 6、 2013年にJava Platform, Enterprise Edition 7、 2017年にJava Platform, Enterprise Edition 8がリリースされました。) そしてJakarta EE 8はJava Platform, Enterprise Edition 8と完全互換性を持つサービスとして 2019年に公開が行われたという歴史を持ちます。 Jakarta EE 9.1においてはクラウドネイティブJavaの将来のイノベーションに向けた重要なステップと 位置付けられており、業界でも注目を集めております。 以上が簡単ではありますがJava EEおよびJakarta EEについての説明とさせていただきます。

Web3層構造について

Oracle WebLogic Serverはアプリケーションサーバーに分類されます。 関連するキーワードとして「Web3層構造」があります。 これは基礎的な内容となりますが、Oracle WebLogic Serverのアーキテクチャーを理解するうえでも重要な内容な内容となりますので簡単に触れておきます。 Web3層構造のメリットはサーバーの負荷分散により処理の高速化や冗長性の担保やリスクヘッジという点をあげることができます。 Web3層構造における構成はWebアプリケーションはプレゼンテーション層、アプリケーション層、データ層の3つから構成されております。 プレゼンテーション層ではWebブラウザとWebサーバで構成されており、Webサーバで処理した内容をWebブラウザとして表示します。 アプリケーション層ではアプリケーションサーバーとしてビジネスロジックを実装します。 WEBサーバーからの要求を受けて、プログラムを実行することとDBサーバーに対して 問い合わせや書き込みを行い、処理結果をWebサーバへ提供します。 また、トランザクション機能やセッション機能などを提供する製品も多くみられます。 アプリケーションサーバーは3層構造においてWebサーバーとDBサーバーの中間に位置し、非常に重要な役割となります。 アプリケーションサーバーの場合は、Javaサーブレット(Servlet)やEJB(Enterprise JavaBeans)、 JSP(JavaServer Pages)Java言語で開発するJakarta EE(Java EE)に対応した製品が 多くリリースされており、その代表的な例がOracle WebLogic Serverとなります。 他にはIBM WebSphere、RedHat JBossが、Apache Tomcat、などもよく知られております。 以上が簡単ではありますが、Web3層構造についての説明とさせていただきます。

Oracle WebLogic Serverの特徴について

Oracle WebLogic Serverの特徴について説明させていただきます。 ポイントを絞り紹介させていただきますのので、参考にしていただけましたら幸いです。

マルチデータソース機能

Oracle WebLogic Serverの特徴の一点目がマルチデータソース機能となります。 マルチデータソース機能はWebLogicのDB接続機能となり、複数の接続プールを論理的に一つのものとして扱うことが可能です。 例えば構成をなす複数の中の一つのノードに障害が発生した場合、そのノードの接続プールが自動的に閉塞します。 また、当該ノードが障害から復帰した場合は接続プールが自動的に復帰します。 これによりWebLogic Serverが無効な接続を行ってしまうことを防ぐことが可能です。 接続の自動閉塞、自動復旧(フェイルオーバー)とRACノード間の負荷分散が マルチデータソース機能の大きな特徴と言えるでしょう。

障害対応

Oracle WebLogic Serverの特徴の二点目が障害、性能劣化となります。 従来であれば問題解決に必要な情報の多くは消失してしまうこと、もしくは原因究明に多くの時間が必要な ケースも迅速な原因究明を支援するGUIツールであるJRockit Flight Recorderで履歴を含めた情報を低負荷で記録し自動出力することが可能です。 トラブルの確実な原因追究を遡り実施可能し障害発生から改善のサイクルの時間短縮を行います。

ワークマネージャー

Oracle WebLogic Serverの特徴の三点目がワークマネージャーとなります。 ワークマネージャーによってアプリケーションが他のスレッドを占拠することの防止や 性能要求に応じて目標応答時間を設定することで、WebLogicに 自動チューニングを行わせることが可能となります。

Oracle WebLogic Serverのエディションについて

Oracle WebLogic Serverのエディションについて説明させていただきます。 Oracle WebLogic Serverは用途に応じて複数のエディションが用意されており、 ユーザーが選択することが可能です。 「WebLogic Server Standard Edition」はエンタープライズJava EEアプリケーションおよびJakarta EEアプリケーションを構築してデプロイするための堅牢、高性能、かつスケーラブルなアプリケーション・サーバーとなり、エディションの中で最もスタンダードなサービスとなります。 低コストでかつ高パフォーマンスを実現することができる性能を誇り、パフォーマンス最適化やセルフチューニング機能を搭載しております。 オンプレミス・クラウド問わずDockerコンテナ、CRI-Oコンテナ、およびKubernetesなどをサポートしております。 また、組み込みの管理・診断・自動化ツールにより、運用効率が期待できることとデプロイする場所を選択できる点もメリットとなります。 「WebLogic Server Enterprise Edition」は「WebLogic Server Standard Edition」の上位エディションと言える サービスであり、「WebLogic Server Standard Edition」で利用できる機能に加え、 クラスタリング技術、クロスドメイン管理、包括的な診断ツールを利用することが可能です。 アプリケーションのパフォーマンス向上を強力にバックする組み込みサポートと強力なAPIセットが特徴となります。 また、すでに本文で伝えたマルチデータソース機能による自動復旧(フェイルオーバー)や負荷分散などの 機能も特徴と言えます。 「Oracle WebLogic Suite」は「WebLogic Server Enterprise Edition」と「WebLogic Server Standard Edition」 の全機能を使えるエディションとなります。 Oracle Cloud上の多くのクラウド・プラットフォームやSaaSサービスと統合されているため、 柔軟性が高く拡張性のあるサービスを利用することが可能となり、高いパフォーマンスを実現します。

Oracle WebLogic Serverの脆弱性について

Oracle WebLogic Serverの脆弱性についてのニュースが2020年度から報道される機会が何度かありました。 脆弱性に関するニュースはOracle WebLogic Serverだけに限らず社会的な影響が大きく人々の関心を集めることは間違いありません。 2021年現在の最も重要なニュースの一つとして 「Apache Log4j」の脆弱性をあげることができます。 「Apache Log4j」はJavaベースのロギングユーティリティですが、バージョン2.0-alpha1から2.14.16までに脆弱性が発表されておりました。 米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)が米連邦政府機関に対して脆弱性の 緊急的な対応を依頼するなど、社会的なインパクトを与える事件であり、複数回の修正に関わらず 脆弱性が発見されるなどの問題が生まれておりました。 Oracle WebLogic Serverの脆弱性については2020年にCVE-2020-2883を悪用しようとしたという発表が行われており、4月14日にリリースされた四半期ごとのセキュリティアップデート中にバグにパッチを適用し、以下のように伝え迅速なアップデートの対応を呼びかけました。 「オラクルは、オラクルがすでにセキュリティパッチをリリースしている脆弱性を悪用しようとする試みの報告を定期的に受け取り続けています。 場合によっては、標的となる顧客が利用可能なOracleパッチを適用できなかったために、攻撃者が成功したことが報告されています。 したがって、オラクルは、お客様がアクティブにサポートされているバージョンを継続し、Critical PatchUpdateセキュリティパッチを遅滞なく適用することを強くお勧めします。」 また、2021年1月にOracleは複数の製品に対するクリティカルパッチアップデートに関する情報を公開しました。 対象となる製品は以下となります。 「Java SE JDK/JRE 8u271」 「Java SE JDK/JRE 7u281」 「Java SE Embedded 8u271」 「Oracle Database Server 19c」 「Oracle Database Server 18c」 「Oracle Database Server 12.2.0.1」 「Oracle Database Server 12.1.0.2」 「Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0」 「Oracle WebLogic Server 12.2.1.4.0」 「Oracle WebLogic Server 12.2.1.3.0」 「Oracle WebLogic Server 12.1.3.0.0」 「Oracle WebLogic Server 10.3.6.0.0」
以上が簡単ではありますが、 Oracle WebLogic Serverの脆弱性についての説明となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか? Oracle WebLogic Serverについて詳しく解説させていただきましたので、 参考にしていただけましたら幸いです。