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Power Fxとは

世界的なトレンドとして急激な拡大を見せているのがローコードという技術です。 ローコードとはできる限りソースコードを記述せずにアプリケーションの開発を行うことやそれらを支援する ツールのことを指します。 今やIT企業にとってITをどのように活用するのか?という点は企業の競争力を左右する重要な課題となっており、特に近年では企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化は取り組むべき課題として様々なメディアで話題となっております。 多くのビジネス上の課題に対して迅速にかつコストをかけずに解決するためには、従来のように 大きな予算や体制を組み専門的なエンジニアが開発に取り組む方法は時代に逆行しているという風潮があることは間違いありません。 Power FxとはMicrosoft社がMicrosoft Power Platformのシリーズとして追加したオープンソースのローコード関数言語となります。 Power FxではExcelの関数の知識を有しているユーザーであれば簡単にアプリケーションを作成することが可能となります。 世界中に多くのユーザーを持つExcelの知識を有していることでアプリケーションを作成できるため、 ハードルが低いことと開発時間を大幅に削減することが大きな特徴と言えます。 ここでは、Power Fxについて詳しく解説させていただきますので、参考にしていただけましたら幸いです。

Microsoft Power Platformとは

Power Fxを説明する前に、Microsoft Power Platformについて理解していく必要がありますので、簡単に解説させていただきます。 Microsoft Power PlatformはMicrosoft社が提供する業務用のアプリケーションのプラットフォームとなり、 「Microsoft PowerApps」「Microsoft Power Automate」「MicrosoftPower BI」から構成されます。 Microsoft Power Platformを利用することによってデータの収集・解析などをローコーディングで 実現することが可能となります。 また、Microsoft Officeの知見のあるユーザーであればエンジニアの専門的な知識がなくとも 業務アプリケーションの構築を行うことが可能です。 具体例をいくつか紹介させていただきます。 例えば業務プロセスを効率化するRPAは専門的な知識を有するコンサルタントやエンジニアの知見でないと 導入することは難しいとされておりました。 ところがMicrosoft Power Platformを利用することにより、簡易的な操作で業務効率化のための プロセスを自身で設定することが可能となります。 また、チャットボットシステムを構築するためにはプログラミングの知識だけでなく、自然言語処理や機械学習の専門的な知識が必要とされておりました。 ところがMicrosoft Power Virtual Agentsであれば専門的な知識がなくとも、簡単にかつ強力な チャットポットの構築を行うことが可能となります。 このように、Microsoft Power Platformはローコードで多くのビジネス上のソリューションを提案する プラットフォームとなります。 以上が簡単ではありますがMicrosoft Power Platformとなります。

Power Fxの特徴について

Microsoft Power Platformについてご理解いただけたと思いますので、次にPower Fxの特徴について説明させていただきます。 ポイントを3つに絞り紹介させていただきますので、 是非参考にしていただけましたら幸いです。

ローコード

Power Fxの特徴の一点目がローコードとなります。 Power Fxの理念として「Excelユーザーとの親和性の高さ」「コンテンツ主体で分かりやすい命名規則を持つこと」「Excelと同様に瞬時に計算され自動でコンパイルされること」 などがありますがPower Fxは多くのユーザーが気軽に利用することができるツールとしてそれを実現しているといえるでしょう。

リアルタイム

Power Fxの特徴の二点目がリアルタイムとなります。 ワークシートは常にリアルタイムに反映されます。 コンパイルモードや実行モードといったモードは存在しません。 計算式の変更や値の入力が実行された際には再計算が即座に実行されることになります。 このあたりの操作性は Excel と同様となり、操作の途中で保存することや別のユーザーが 実行を行い利用することも可能となります。

デザイン

Power Fxの特徴の三点目がデザインとなります。 Power Fxはエンジニアとして専門的な知識を持つユーザー以外でも 操作が可能なように設計されております。 そのため複雑な設計を極力避けて必要な情報を知識のないユーザーがわかりやすいように提供するという 理念でデザインが設計されております。 これはローコードの理念とも一致する点となり、多くのユーザーが短期間でアプリケーションを構築することが できるための工夫と言えるでしょう。

Power FxとGoogleスプレッドシート

Power FxとGoogleスプレッドシートについて説明させていただきます。 スプレッドシートは多くのビジネスマンが利用するスプレッドシートプログラムであり、 Googleアカウントさえ保有していれば誰でも簡単に利用することが可能となります。 Power Fx開発においてきっかけとなったのがExcelと同じようにワークシートを利用しアプリケーションを作成することや、多くのユーザーが使うGoogleスプレッドシートの知識を生かし手軽に簡単にアプリケーションを作ることです。 Power Fxは、ビジネスロジックを簡潔かつ強力な式で記述を行うことでそれを実現しており、いくつか紹介させていただきます。 まずローコードという観点から説明させていただくと、PowerFxのすべてのデータ操作は非同期であることやユーザーはpromiseやラムダ関数の 知識が全くなくともアプリケーションの開発を行うことが可能です。 また、Excelは多くのユーザーによって使用されていることもあり文字列の連結にアンパサンド(&)が使用されているなどの基礎知識を利用して開発を行うことが可能です。 次にノーコードという観点から説明させていただくと、 PowerFxにおいてはシンプルなスイッチやUIビルダーで表現できる機能を備えたツールが 標準装備されており、簡単な操作でアプリケーションやUIを作成することが可能となります。 また、プロコードについても触れておきます。 Power Fxは、専門家により構築されたコンポーネントとサービスをつなぎ合わせる事が可能であり、 ユーザーにとって価値の高いカスタマイズを実行し、より効率的なアプリケーションを作成することを可能にします。 以上がPower FxとGoogleスプレッドシートの考え方の説明となります。

ローコード開発ツールについて

Power Fx以外にもローコード開発ツールは様々なベンダーから提供されております。 Power Fxは極めて簡単でかつ高機能なローコードツールであることは間違いありませんが、 業務の目的にあったローコード開発ツールを採用すると業務効率が飛躍的に向上します。 様々な製品の特徴を理解することがDX(デジタルインフォメーション)の推進にも繋がりますので、 知識として抑えておきたいところです。 ローコード開発ツールやプラットフォームをいくつか紹介させていただきますので、 参考にしていただけましたら幸いです。

kintone

kintone(キントーン)とは、サイボウズ株式会社が提供しているクラウドサービスです。 開発の知識がなくとも業務に必要なアプリを作成することができるサービスを提供しており、 売上情報、顧客情報、問い合わせ対応履歴、ToDo、報告書、文書ファイルなど、さまざまなデータを管理するだけでなく データにひも付く業務プロセスを、柔軟に構築することが可能となります。 kintone(キントーン)のアプリは業種や部署によって頻繁に使うアプリのサンプルが設定されているため、 導入度すぐに業務に利用することが可能です。 いくつかサンプルの例を出しながら紹介させていただきます。 営業・セールスの部署であれば「案件管理」「顧客リスト」「予算・実績管理」などがよく使われるアプリの代表例ではないでしょうか。 「案件管理」においては営業活動の履歴や提案中のクライアントの受注確度や売上金額などのデータを入力して 管理することができます。 担当者自身が「案件管理」のアプリを利用することで進捗を確認しながら営業活動がスムーズになるだけではなく、 営業責任者や営業管理者も進捗を確認することでより有効なアドバイスや改善を行うことが可能となります。 「顧客リスト」では会社名、担当者名、連絡先などの情報を管理することができます。 営業活動を活発に行っていると過去の顧客や潜在的な顧客に対しての優先度が低くなってしまうケースがありますが、 そのようなリスクを回避することが可能です。 また、顧客リスクのアプリの中でキーワード検索を実施することができますので過去の顧客の掘り起こしや 定期的なアプローチに有効であり、営業担当者を強力に支援することができます。 「予算・実績管理」は拠点別の売上や実績をアプリ上で管理することができるアプリとなります。 総務や人事の部署であれば「採用面接管理」「社員名簿」「タイムカード」などがよく使われるアプリとなります。 「採用面接管理」では企業へ応募してきた候補者や面接に来た候補者のデータを管理することができます。 候補者を様々な方法で集計や管理ができるため、データ集計を行うことや進捗状況の管理をすることが可能となり、 採用活動をより効率的に改善することができます。 また、複数人で採用活動を行っている場合もアプリのデータを共有することで新しい発見があるでしょう。 「社員名簿」ではその名の通り社員のデータを管理します。 社員数が多くなると必要な社員の情報を確認する際にも時間がかかってしまいます。 アプリ上でキーワードを入力し検索することで簡単にデータを取り出すことができるため非常に便利です。 「タイムカード」においては出勤、退勤などの勤怠状況を確認することが可能です。 また、kintoneはカスタマイズが簡単である点も特徴となります。 プラグラインを利用することでプログラミングの知識がなくともカスタマイズすることが可能であり、 無料で便利なプラグインが豊富に準備されているためユーザーにとっては便利な機能です。 また、Javascriptの知識があればさらに自由なカスタマイズが可能となります。 kintone JavaScript APIを使ってカスタマイズすると、kintoneの動作や見た目を変更することができるため、 ユーザーにとってより使いやすいように仕様を変更できます。 kintone REST APIを使うと、kintoneで管理しているデータを外部システムに渡したり、外部システムから kintoneへデータの登録や更新、削除を行うことができます。 例えばGoogleフォームで送信された内容をkintoneのレコードとして登録して活用することができるようになります。 以上が簡単ではありますがkintone(キントーン)についての説明とさせていただきます。

OutSystems

OutSystemsについて説明させていただきます。 OutSystemsはローコード開発プラットフォームとしてこれから大きな成長が 期待される製品となります。 OutSystemsはローコードでありながら従業員向けアプリの作成、プロセスの自動化、レガシーシステムの移行など あらゆるアプリケーションを構築することが可能でありさらに高水準である点が特徴となります。 OutSystemsではAI(人工知能)による開発の高速化を実現しており、 AIを活用した最先端のビジュアルモデル駆動開発によって、違いを生み出すソフトウェアを最速で作成できます。 「ビジュアルモデル駆動型のアプローチと自動化」「すぐに使用できるテンプレートとパターン」「ビルド済みのコードモジュール」 などを活用することでユーザーに対して高パフォーマンスなサービスの提供を実現しております。 また、OutSystemsはデータ連携においても強みを持ち複雑なデータ連携やバックエンド連携を提供し、ワークフローを統合し、WebサービスやAPIに接続することを 可能とします。最新のデータ連携のテクノロジーを利用しアプリケーション、インフラ、クラウド、SaaSといったあらゆるデータ連携を実現し、 ビジネスを加速させます。 OutSystemsで構築できるものの例をいくつか紹介させていただきます。 「注文管理アプリ」ではビジネスシーンでよく利用される注文履歴や注文管理を行うためのプラットフォームを構築することが可能です。 「従業員名簿アプリ」では管理部門が利用するための従業員情報を給与や様々なデータと連携して管理することができるようになります。 以上が簡単ではありますがOutSystemsについての説明とさせていただきます。

オープンソースで公開

2021年11月、Microsoft社は PowerFxをオープンソースで公開しました。 同社は今回発表したオープンソースはプレビュー段階であることからバージョン0として位置付け、 ユーザーに対してGitHubリポジトリでフィードバックを送信をしてもらうなど 様々な意見を反映を行い、正式バージョンのリリースを実施するという形になるようです。 また、2022年には「Power Virtual Agents」と「Power Automate Desktop」への統合へ 向けて開発を行っており、こちらの発表も注目が集まっております。 「Power Virtual Agents」と「Power Automate Desktop」は「Microsoft Power Platform」の サービスであり、「Power Virtual Agents」はチャットボットを作成する機能、「Power Automate Desktop」は 自動化構築を行う機能の提供を行っております。 これらにPowerFxを統合することでより強力なビジネス支援ツールとしてユーザーをサポートすることが可能になります。 Power FxはMicrosoft社がローコードツールとして非常に注力しているプロジェクトであり、 今回のオープンソース公開においてもその意気込みを感じることが可能です。 ローコードは単に開発のツールやプログラミング言語として機能という立ち位置ではなく、 PowerFxのオープンソース化によって様々なコミュニティーが生まれ、 PowerFxが多くのビジネスに活用され新しい形で進化していくという未来を描いていることが伺えます。 ユーザーが想定しないような形の機能が加えられることや多くのサービスとの連携など ローコード開発の将来を担う PowerFxには大きな期待が寄せられていることは間違いありません。 PowerFxの今後の正式リリースや 「Power Virtual Agents」 と「Power Automate Desktop」 との統合など今後の動きに注目したいところです。 以上が2021年11月にMicrosoft社が発表した PowerFxのオープンソース化に関する説明となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?Power Fxについて詳しく解説させていただきましたので、参考にしていただけましたら幸いです。