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はじめに

機械学習や人工知能といったAI技術の分野で中心的役割をはたすAIエンジニア。IT人材の不足が懸念される中、近年のAI分野の成長は著しく、AIエンジニアの需要は急速に高まっています。今回はAIエンジニアに転職する方法や適性、年収、そして必須スキルなど、様々な観点からまとめました。

未経験からAIエンジニアへ転職する方法3STEP

未経験からAIエンジニアを目指す場合、非常に険しい道のりとなることを覚悟してください。しかし、不可能ではありません。段階を踏めば、未経験からでもAIエンジニアになることは可能です。そして誰もが最初は未経験です。では、未経験からAIエンジニアに転職する方法を3STEPで紹介します。

1.エンジニアに転職して実務経験を積む

まずはIT業界に飛び込み、ITエンジニアに転職しましょう。ITエンジニアと言っても仕事内容によって様々な種類があり、年収や必要とする言語も変わってきます。例をあげると、インフラを担当するネットワークエンジニアやサーバーエンジニア、主にサービスやシステムをプログラミングで作り上げるプログラマーやシステムエンジニア、ビッグデータや顧客の大事なデータを扱うデータベースエンジニア、Webページなどを制作・実装するフロントエンドエンジニアやマークアップエンジニア、そして人工知能や機械学習分野で活躍するAIエンジニアなど、非常に多くの職種が存在します。

まずは今いる業界がIT業界以外であれば、IT業界のエンジニアとして踏み出すことが第一歩です。いきなり何の予備知識もなくAIエンジニアになるのは難しいです。といいますのも、特殊なコネなどがない限りほとんど採用されません。IT業界が本当に初めてという場合は、「ITパスポート」や「基本情報技術者」などの書籍を一冊買い、100%理解できなくても良いので読破を目指しましょう。少しでもAIエンジニアとして早く歩み出したい場合は、「Python」の学習を始めましょう。フロントエンドエンジニアなどWeb制作に携わるエンジニア(HTMLやCSS、Javascript、PHPなどが専門)を1〜3年ほど経験することをお勧めします。なぜなら、Pythonを学習しても、実際にユーザーが見たり触ったりするフロントの部分を理解していないと、実装する際により良いサービスを開発できないからです。

2.経験を積みながらAIについて勉強する

エンジニアとしてIT業界にて2〜3年ほど経験を積みながら、AIに関する知識を取得していきましょう。仕事で身に付けられればラッキーですが、多くの場合は仕事の傍ら、プライベートの時間を削ってAI技術について学習する時間を取らなければならないでしょう。

3.AIエンジニアになるために就活、転職活動する

AIエンジニアとしてのスキルが身についたら、転職活動を開始します。習得したAIスキルで実装したサービスやシステムなどをポートフォリオとしてアピールすれば、大きな強みになり、転職もスムーズにいきます。ただし、AIエンジニアは狭き門です。能力も高く、需要もありますが、IT業界の中でも特殊な位置付けです。短期間で転職活動を成功させたくても、思い通りにはいかないかもしれません。

AIエンジニアの年収

さて、ここではAIエンジニアの年収を紹介します。結論から言いますと、AIエンジニアは高年収です。

平均年収は600~900万円で、年収1,000万円を超える人も珍しくありません。会社員とフリーランスでも変わってきますが、IT業界において年収の高さは上位であることは間違いないです。

AIエンジニアの仕事内容

AIエンジニアの仕事内容について紹介します。実際にはもっと細分化されますが、ここでは大きく分けて3つにまとめました。

研究や論文のリサーチ

まずIT業界の中でも最先端の分野であるAI分野は、日々技術革新が起こり続けており、最新情報をいかに早く取り入れ、実務に活かしていくかが非常に重要です。そのため、論文を読むことで最新技術をキャッチアップし、最新情報を踏まえた上で研究・開発していくことが必要になります。AIの分野においてリサーチは特別に役割が設けられるほど重要であり、アルゴリズムの調査や考案、改良、実装までを入念に行います。ですので、研究や論文を読む際に、英語力が必要になるケースもあります。

アルゴリズムやモデルの開発

AIが正しく学習していくためのアルゴリズムやモデルを開発することは、AIエンジニアの主要な仕事の一つです。ここで言うモデルとは、未知のデータが入力された時に結果を予測できるロジックのことを指します。モデルを作るためには予測したい事象に関する大量のデータが必要になります。このデータを収集し、アルゴリズムにかけることで、モデルを構築します。

実証実験と開発業務

開発したアルゴリズムの動作が正しいかどうか検証するのが実証実験です。開発段階に進んでも問題ないか、システムの見直しが必要かどうかを検討します。

実証実験を経て有効性が確認されたアルゴリズムをもとに、リリースを目指してプログラミング言語「Python」などを利用し、ベースとなるAIシステムを構築します。

AIエンジニアに向いている人

ここで、AIエンジニアになるのに向いている人の特徴を紹介します。

最低限の理数系の素質がある

文系からAIエンジニアを目指す人も確かにいますが、AIエンジニアには高い技術力が求められ、理数系科目の素養が前提となってきます。そのため、理数系分野に苦手意識がある場合は、AI技術を学ぶ際にそれを乗り越えなければなりません。特に必要な知識として、微分積分学や線形代数学、確率論、統計学などが求められます。

論理的に物事を考えられる

AIエンジニアだけでなくITエンジニア全般に通用する抽象的な適性として、論理的思考が求められます。基本的に相手は人間ではなくコンピュータなので、通常業務だけでなくトラブル発生時の解決スピードにも論理的思考が繋がってきます。

新しいことを吸収できる

最先端のAI技術は日々情報が更新され、IT系のニュースや論文で最新の技術を取り入れることが重要です。古い知識やノウハウももちろん大事ですが、新しいことを常に学んでいく姿勢がある人は、AIエンジニアに向いていると言えます。

AIエンジニアに必要な知識、スキル

さて、次にAIエンジニアとして必要な知識やスキルを解説します。適性ではなくほぼ必須の知識となるので、未経験の場合は特に以下の項目を積極的に勉強すると良いでしょう。

統計

AIに与えるインプットは非常に重要で、どのようなインプットを与るか、与えないかの判断をする際に統計の知識が必要になります。具体的には、標準偏差、分散、確率分布、推定、検定などです。

ビッグデータ解析

AIにどのようなデータを学習させるのが最適なのかを考えるために、データ解析の手法を知っておかねばなりません。基本的なデータ解析の手法として、クロス集計やロジスティック回帰分析、決定木分析などがあります。

機械学習

AI開発において、機械学習を避けては通れません。主に使用されているライブラリ(汎用性の高いプログラムの集合体)にはscikit-learn、Pandas、genismなどがあります。ライブラリやフレームワークを使いこなすことによって開発時間を短縮することが求められます。

Pythonなどのプログラミングスキルやデータベース運用のスキル

開発を行うためのプログラミングもAIエンジニアにとって必要なスキルです。最も利用されている言語はPythonですが、AIを実装する際には様々なプログラミング言語が必要になります。代表的なプログラミング言語はPythonをはじめとし、C++、Lisp、SQLなどがあります。またAIに与えるデータを効率よく扱うために、データベースを運用するMySQLやNoSQLなどの知識が必要になります。

AIエンジニアからのキャリアパス

最後に、AIエンジニアからのキャリアパスを紹介します。非常に需要が高く将来性も高い職種なので、AIエンジニアとしてそのまま継続する人も多いですが、例として以下のようなキャリアパスがあります。

データサイエンティスト

ビッグデータなどの大量のデータから、必要な情報を収集あるいは抽出する人のことです。データの解析が終わると、ビジネスの施策立案も行うマルチプレイヤーです。業務でAIエンジニアとしての知見を活かすことができ、業務効率化につながる提案もできるので、重宝されるポジションです。

フルスタックエンジニア

企業のITシステム開発を、システム設計からプログラミングの全ての工程について一人で行える人のことです。マルチエンジニアと呼ばれることも多く、ベンチャー企業などで採用されることが多いです。AIエンジニアとしての知識を活かし、機械学習や人工知能の分野もカバーできるフルスタックエンジニアであれば、年収1,000万円を優に超えるプレーヤーとして活躍することが可能です。

まとめ

ビッグデータ、IoT、AIに携わるAIエンジニアは、将来性の高い職種です。AIエンジニアとして活躍するには土台となるプログラミング知識やデータ解析、数学、論理的思考など、様々なスキルが必要となりますが、不安定な世の中でも確実に高年収を実現できる職業に間違い無いと言えるでしょう。

未経験からAIエンジニアに転職するには乗り越えなくてはならない壁がいくつもありますが、本記事で紹介した必須スキルを着実に習得し、段階を踏んでスキルアップしていけば、年収1,000万円クラスのAIエンジニアになることも可能です。ぜひAIエンジニアを目指し、AI技術でより良い世の中を作り、IT業界を牽引する素晴らしい人材になってください。