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ITILとは?最新版ITIL4についての概要も紹介!

ITILとは

ITILとは、Information Technology Infrastructure Libraryの略で、ITサービスマネジメントのベストプラクティス(実践され良いと認められたやり方)をまとめた書籍群のことを言います。ITILはITサービスマネジメント実現のため、ITサービスの品質向上、中長期的に見たコストの削減などを目的とし実在する企業などからITサービスに関する実際の運営やノウハウを収集し、まとめています。ITILはITサービスマネジメントの英国規格であるBS 15000のベースとなっており、現在BS 15000は国際規格であるISO/IEC 20000に移行され、事実上の国際標準となっています。また欧米社会においてITILは既にITサービスマネジメントの業界標準として認知され、ITILの導入・促進のための団体としてはitSMFが各国に存在しています。日本でも2003年にNPO法人として itSMF Japan が設立されており、書籍の翻訳やセミナーを通じてITILの普及活動が行われています。ITILは世界中で広く注目され、ITサービスマネジメントにおいてのデファクトスタンダードと呼べる存在となっています。

ITサービスマネジメント

ITサービスマネジメントとは、顧客のニーズに沿った適切なITサービスを提供するマネジメント活動全般のことを言います。その運用の維持管理ならびに継続的改善を行っていくための仕組みがITサービスマネジメントシステムなのです。ITサービスマネジメントの略称はITSMで、ITサービスマネジメントシステムの略称はITSMSとなっています。

最新版であるITIL4について

1989年にイギリス政府より発表されたITILは時代の流れを汲み、ITILv2、ITILv3,ITIL 2011editionと改版を経て、2019年にはAXELOS社より、ITIL4 Foundationが発表されました。これより最新版のITIL4の概要について紹介していきたいと思います。

ITILv3/2011editionまでの4つの「P」

ITILでは「3つのP」という概念について説明がなされています。これは process(過程)、people(人)、 products(プロダクト) の3つを指し、プロセス(過程)がどれだけ充実していても、担当者のスキルが高くそれだけに頼る事も、最新の便利なツールを使用しようとも、それぞれがバランスをたもって運営されなければならないと指摘しています。ITILを解説する書籍によっては、さらに partners(協力会社) を加え、「4つのP」と表現している場合もあります。これはITILバージョン3で大きな要素として盛り込まれたアウトソーシングが意識されていることがわかります。

ITIL4の新しい概念

今までサービスマネジメントの「4つのP」はITILでは以下の4つの側面として再構成されました。

・組織と人材(Organizations and people)
・情報と技術(Information and technology)
・パートナーとサプライヤ(Partners and suppliers)
・バリューストリームとプロセス(Value streams and processes)

4つのPは、人材(People)、プロセス(Process)、プロダクト(Product:サービス、技術、ツール)、パートナー(Partner:サプライヤ、メーカー、ベンダー)であり、ITIL 4では新たに「情報」と「バリューストリーム」が追加されました。またそれだけではなく、制約や影響を与える6つの外的要因についても考慮するべきであると示されています。外的要因に配慮しながらも4つの側面のバランスを保っていくことが必要であると言えます。

サービスバリューシステム

SVSは、以下の5つの要素で構成されており、それらが連携し1つのシステムとして機能していくことでサービスの価値を生み出すことを示しています。

・基本原則(Guiding principals)
・ガバナンス(Governance)
・サービスバリューチェーン(Service value chain)
・プラクティス(Practices)
・継続的改善(Continual improvement)

「基本原則」と「継続的な改善」という枠組みのなかで、「サービスバリューチェーン」は「ガバナンス(組織的な統治、意思決定)」と「プラクティス(実践)」により実行されます。そして「需要/機会」が「サービスバリューチェーン」を通ることで、サービスとしての「価値」へと変わっていくのです。

サービスバリューチェーン

サービスバリューチェーンは以下の要素で構成されており、サービスが価値あるものとして提供されるようになる為の指針として示されています。


・エンゲージ(Engage)…サービス提供者との関わり(ニーズの正しい理解&良好な関係性の持続)
・オブテイン/ビルド(Obtain/build)…サービス提供の為の要素をしっかりと準備し、構築する
・デザイン&トランジション(Design and transition)…ニーズに応じたサービスデザインを考え、移行していく
・デリバー&サポート(Deliver and support)…サービスを提供し、継続的にサポートしていく
・計画・改善…すべてのサービスは「計画」に基づいて行われ、継続的な「改善」がなされるべきである

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はITILについての大まかな概要について紹介しました。ITILは今までのITサービスマネジメントの考え方を基に、時代とともに進化しています。もし本記事でITILに興味が湧いた方は、今までのITILについても調べてみることで、ITマネジメントについてより深い理解が得られるのではないでしょうか。