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近年ますますIT化が進み私たちの暮らしは豊かになってきました。ほしいものがあれば自宅にいながらスマホでポチっと押せば次の日には手元に届きます。外出先でネット経由で自宅の家電を動かしたり、遠くにいる人とビデオ電話したりととても便利で暮らしやすくなりましたね。 ですが、今言ったことは、東京や大阪、名古屋などいわゆる「都会」に住んでこそできることもありますよね。 では、田んぼに囲まれコンビニに行くにも車で数分かかるような、いわゆる「田舎」(私個人の勝手なイメージで申し訳ありませんが)と言われる地方ではどうでしょうか? 本記事ではそんな田舎でのITの活用例をご紹介していきます

田舎でのIT化

田舎でのIT化といったら何を思いつきますか?恥ずかしながら私は祖父母が孫とテレビ電話できることぐらいしか思いつきませんでした。 しかし、調べてみると様々なことがすでにIT化していたのです。例えば田んぼの水位や温度などを自宅でタブレットから管理したり、中でも驚いたのは、一部ではありますが、ロボットが熟した作物を自動で見分け収穫したりできるといったIT技術が普及されている事例もあります。 他には総務省が行っている「ICT地域活性化大賞」というものもあります。今回は2020年度に受賞した案件をいくつかご紹介します。

大賞/総務大臣賞

消防団員が考案した消防団のためのICTソリューションアプリ

日中はサラリーマンとして働いている消防団員の増加により災害が 発生しても出動できない、仕事中で災害通知に気づかない。既定の人数が確保できないと消防車は出動できない。など消防団の即時対応力の低下が懸念され考案されました。 本アプリを導入することにより、①全消防団員へ迅速に火災通知が届き火災場所の共有ができ、消防団員がすぐに応援に駆け付けることができ、危険な状態にある高齢者を安全に救出することができました。 ②火災現場から一番近い消火栓の位置が1km近くある所で火災が発生→出動の必 要がない他の消防団員が本アプリで現場を視覚的に確認し、自発的に消防ホースの中継 応援にかけつけ効果的な消火活動を実施することができ被害を最小限に食い止めた。などの成果をあげることができました。

優秀賞

ドローンで牛追い“スカイカウボーイ”

今までは牧草地で放牧している牛を人が小屋に一時間以上かけて集めていました。それを様々な音を出すことができるドローンを用いることで一日平均15分にまで作業時間を短縮することができるました。それにより起伏の激しい牧草地を歩く必要がなくなり、身体的負担がかなり軽くなったり、また作業が楽になることで新しい働き手を募集しやすくなりました。

スマートフォンを利用した学生証革命

従来のカード型の学生証は、学生という身分を証明する役割しかなく、またかさばるので普段は持ち歩かない学生が多くいました。しかし学生証をスマホアプリにすることで、コミュニケーション機能や出席登録など学校生活で活用できる便利な機能を付加できます。そして今までは一人一人に配っていた掲示物をアプリ内で配布することによりペーパーレスで環境に配慮することもできコスト削減にも繋がりました。

奨励賞

国内初!自治体主導による「スマート畜産」

牛には発情期がありその期間でないと妊娠しません。そのタイミングを見逃すということは、食用牛なら繁殖させることができませんし、乳牛なら牛乳を取ることができず畜産農家にとっては死活問題です。今までは人の目で確認する必要があり見逃しがたくさんありました。しかし、牛の発情兆候をIoTセンサーで確実に発見し、スマホに通知することで従来あった発情見逃しはほぼゼロになり、農場データ構築による業務省力化で生産者負担を軽減することができました。 さらにデータをクラウドで共有することで若手の畜産農家の営農指導に役立てることもできます。

神恵内村の〝陸上養殖〟新産業による雇用創出と漁業者所得増の実現!

従来は、現地での見回り作業が必須で、センサーのデータや給餌記録は手書きでした。 水槽のIoT化することで水温や照度・pH・塩分濃度などのデータを自動収集し、カメラの遠隔によるモニタリング・操作が可能になることで、現地に行かずともリアルタイムに可視化し生産性向上させることができました。 ICTを活用し、業務効率化とデータ活用自動化することにより生産性が30%も向上しました。

EBPMの推進~ビックデータを活用した新たな空き家実態調査モデルの構築~

近年深刻化している空き家ですが、その実態を調査するためには外部委託するしかありませんでした。それにより①予算②時間③判断という3つの課題がありました。①は外部委託に際して多額の予算を要すること。②は報告までに時間を要し、リアルタイムに状況を把握・更新できない こと。③は調査員によって判断にバラつきが生じることです。 しかし、市が保有するクローズドなビッグデータ(住民基本台帳データ、固定資産税台帳データ、水道使用量)を活用することにより、空き家の状況を推定・可視化することができるようになりました。それらのデータと実態調査を比較した結果、一定数、確度の高い空き家を特定できました。今後は、実用化により空き家関連の各種政策へ反映させることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?私たちが知らないだけで田舎でもたくさんのIT化が進んでいたんですね。この他にも様々な取り組みがされていますので、気になる方はぜひしらべてみてください。そして一度田舎に赴いて自分の目で見るのもいいかもしれませんね。