支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


はじめに

「どうせ働くなら楽な仕事がいい!」と思う人は多いかと思います。楽な仕事というと「残業時間が短くて精神的に辛くないライフワークバランスのとりやすい仕事」というイメージがあります。しかし、IT業界の仕事は 開発スケジュールが遅延して納期直前に忙しくなったり、緊急の障害対応に追われて徹夜作業になったりすることもある仕事です。そのため「きつい、帰れない、給料が安い」の頭文字をとって「新3K」と呼ばることもあるような仕事ですが、IT業界にも様々な職種があるため、一概に全ての職種に対して同じことが言える訳ではなく「社内SE」といわれる職種は比較的楽だと言われています。今回は「IT業界の中で楽だと言われている社内SEがどんな仕事か気になっている」という方に向けて、社内SEのメリットやデメリットなどご紹介します。

社内SEはどんな仕事をする?

社内SEは自社の情報システム部門に在籍するSEのことを指します。主な業務として社内システムの開発や運用・保守、ヘルプデスク対応(PCや社内システムの使い方等の社員からの問い合わせ対応。パソコンの故障対応なども行うことがあります)があげられます。SEに近い職種ですが、社内システムに関わる業務のみ担当するのが特徴です。

社内SEとして働くメリット

下記のようなメリットがあることから比較的楽な仕事だと言われています。

1.納期調整をしやすく精神的ストレスが少ない

客先常駐(自身の所属会社でなく顧客先の企業に常駐して働く勤務形態)では、直接社外の顧客と仕事をするため、時には厳しい納期を要求されることもあるでしょう。また、納期遅延させてしまうと、顧客の印象を悪くしてしまい新規契約に影響を及ぼすことになるかもしれません。それに対して、社内SEにとっての顧客は社外の人ではなく同じ社内の人となるため、客先常駐よりは厳しい納期を強いられることは少なく、納期調整もしやすい傾向にあります。余裕のあるスケジュールで作業を進めることができるため、長時間残業となる可能性が低く、有給を消化しやすいというメリットもあります。

2.勤務地が安定している

IT業界では担当するプロジェクトによって勤務地が変わるため、突然遠方の勤務地に飛ばされる恐れがあります。働く環境が安定しないことにストレスに感じる人も多いでしょう。しかし、社内SEは勤務地が固定(本社となることが多いです)となるので、勤務地の近くに居住できれば通勤時間を安定して減らせるため、ライフワークバランスが取りやすくなるでしょう。

3.マネジメント力を付けることができる

社内システム開発は社内の人に任せるよりも外注した方がコストダウンになるケースも多く、開発作業を外注することがあります。そのため、発注側として外注先となるパートナー企業の進捗管理などマネジメント業務に携わることができます。客先常駐などの場合は、常駐先の顧客の元で働くため、マネジメントを行う機会に恵まれないケースが多いので、マネジメント力を身につけたい人に社内SEはおすすめです。

4.ルーティンワークが多く働きやすい

Windows Updateの更新対応(Windows のシステムを最新状態に更新すること)など定型的なルーティンワークが多いため、対応方法を1度しっかりと覚えてしまえば、それ以降は短い作業時間で済むため他の仕事に時間を割けます。

社内SEのデメリット

勤務地が安定していて残業時間が短いなどワークライフバランスの面でメリットが多い社内SEですが、次のような点に注意しておく必要があります。

1.技術力を磨ける機会が少ない

社内SEの業務は管理や定型業務が多いため、最先端の技術を使ってシステム開発をするような機会は減ってくるため技術力を向上させにくいです。後になって「やはりもっと技術力を延ばせる場所で働きたい」となっても、社内SEとして勤務した期間がブランクとなり、転職のハードルが高くなります(社内SEは、違う会社の社内SEに転職先するケースが多いです)。技術力を向上させにくい潰しの効かない職種であることを理解しておきましょう。

2.社内で立場が低く見られる

社内SEが所属する、自社の情報システム部門は人事や総務などと同じ管理部門の一部として扱われることがほとんどです。会社の利益に直接関係してこない業務が多いため、社内での立場が低いことがあります。

3.人によっては仕事にやりがいを見出しにくい

ヘルプデスク対応では問合せ者が必ずしもITリテラシーの高い人とは限らず「パソコンの電源が起動しなくなった」「システムエラーが発生した」といった、漠然とした初歩的な問い合わせに対応しなければならないことが多々あります。また、同じような質問を何度もされることもあるでしょう。こうした仕事を「人の役に立っている」というモチベーションでやりがいを持って取り組めれば問題ありませんが、「なんでこんな当たり前のことばかり対応しなきゃいけないんだ」というようにやりがいを感じられない場合は苦痛に感じるかもしれません。

社内SEを目指す上での注意点

社内SEがIT業界の中で楽だと言われているのは「精神的にプレッシャーが少ない」「長時間残業になりにくい」傾向があるためです。しかし、社内SEは企業にとって、コストがかかる管理部門であるため、少人数体制としていることが多いです。企業によってはヘルプデスクから開発、運用、管理まで多くの業務を一人で担当するため、個々に掛かる業務負荷が高くなるケースがあります。そのため、本当に仕事が楽なのかどうかは、企業によります。もし楽な仕事を求めて社内SEへの転職を検討している場合は、面接などで事前に業務内容を確認するようにしておきましょう。

フリーランスエンジニアもおすすめ

フリーランスエンジニアは会社に所属せずに自分の力で仕事を獲得するエンジニアです。もし「楽な仕事」として実現したいことが「残業時間が少ない」「働く場所や時間を自由に決めたい」場合は、社内SEではなく、フリーランスエンジニアでも実現可能です。仕事内容は自分で選ぶため社内SEのように「技術力を磨ける機会が少ない」ということもありません。ただし、フリーランスエンジニアの場合、仕事を自分で見つけなければいけないため、そういった意味では決して楽な仕事ではありませんので、覚悟が必要になります。

まとめ

「楽な仕事をしたい」というのは、誰しもが思うことでしょう。しかし「楽な仕事」と一言で言ってもどういう仕事を楽に感じるかは人それぞれです。そのため「自分はどんな仕事であれば、楽に感じるか」を掘り下げることが大切です。今回はIT業界の中で比較的ライフワークバランスがとりやすいといわれている、社内SEのご紹介をしましたが、企業によって社内SEの立ち位置も違いますので、社内SEが必ずしもみなさんが思っているような楽な仕事ではないかもしれません。実現したいことをしっかり考えて「自分にとって楽な仕事」ができる環境を見つけましょう。