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特定の企業・組織に所属しない、フリーランスという働き方を選ぶ方が増えています。会社員として働くメリットとデメリットがあるため、すべての方におすすめの働き方だとはいえませんが、ITエンジニアがフリーランスへ転身すれば年収の大幅アップが期待できるのも事実です。フリーランス向け開発案件が増えつつある現状を踏まえ、独立を検討しているJavaエンジニアの方も多いのではないでしょうか?

ただし、リモートワーク・テレワークという働き方が一般化した現在でも、フリーランス向け開発案件の働き方は客先常駐であることがほとんどです。居住地によっては、フリーランスとして独立したにもかかわらず、通える範囲には仕事がなかったということにもなりかねません。そこで本記事では、案件数の多さに定評のあるJavaに焦点を絞り、大阪における求人状況や開発案件の単価相場、傾向などを東京と比較しつつ紹介していきます。

Javaはどんなプログラミング言語?

Javaとは、1995年にSun Microsystems社によってリリースされた、オブジェクト指向のプログラミング言語・コンピューティングプラットフォームです。200種類以上が存在するといわれるプログラミング言語のなかでも、リリース以来、永きに渡って第一線で活用されてきた実績を持ち、GoogleではC++、Pythonと並ぶ三大言語のひとつとされています。もはや、ITエンジニアでJavaを知らない方はいないといっても過言ではありませんが、大阪と東京での状況を比較するためにも、Javaの特徴を簡単におさらいしておきましょう。

マルチプラットフォーム

Java最大の特徴は、JVM(Java Virtual Machine)という仮想マシン環境で動作することです。このJVMがマルチプラットフォームを実現しているため、JVMで操作するJavaもOS環境を選ぶことのないマルチプラットフォームを実現しているのです。macOS・Windows・Linuxなど、開発環境を選ばないのもJavaのポイントで、単一のパッケージですべての実行環境に対応できるのがJavaの強みです。

人気・案件数ともにNo.1

マルチプラットフォーム対応というJavaの特徴は、プログラミング言語としての人気・開発案件数の増加に直結しています。Javaが登場した1995年当時はPCの性能が不足していたため、JVMの動作が負担になっていましたが、CPU・メモリの性能が向上した2000年前後から状況は一変しました。2004年以降のJava求人数は、ほぼ毎年トップにランキングされるまでになったのです。2020年現在でもこの状況は変わっておらず、どのエージェントでもJava案件数は2位以下を大きく引き離したトップに位置しているといえるでしょう。

ただし、人気・案件数が収入に直結するわけではありません。Javaエンジニアの平均年収は、プログラミング言語別で10位前後に位置しており、Go、Scala、Kotlinなど、平均年収の高い稀少言語には差をつけられているのが現状です。

さまざまな開発に使える汎用性の高さ

オブジェクト指向であるJavaは、実際の業務をモデル化したプログラムを作りやすく、セキュリティに秀でているという特徴があるため、昔から業務系システムで活用されてきた実績があります。金融系はもちろん、配送システムなどにも幅広く活用されているのは、Javaを使って開発できるOracle Databaseとの相性がいいことも挙げられるでしょう。

使用していないメモリを消去できるガベージコレクション機能を持ち、コンパイラ言語ならではの処理速度の速さを持つのもJavaの特徴です。このため、大規模Webサービス・アプリケーションでも活用されており、RubyからJavaに移行したTwitterなどの例もあります。Androidアプリ開発や組み込み系開発でもJavaが活用されており、その汎用性の高さが案件数の多さに直結しているといえます。

学習コストは高め

高い汎用性を持つJavaですが、大規模Webサービス・アプリケーションで活用される反面、小さなシステムの開発には使いにくい一面もあります。これはオブジェクトを作成する必要があるJavaは、開発に大きな手間がかかるからです。Javaを動作させるための準備が大変だという要因もあり、サーバ・ネットワークの知識も求められます。必然的に、ポピュラーなプログラミング言語でありながらも、Javaの学習コストは高いといわざるを得ません。

大阪のJavaフリーランス案件例

それでは、大阪で公開されているJavaエンジニア向けのフリーランス案件には、どのようなものがあるのでしょうか?フリーランスとして独立を目指すJavaエンジニアの方が、案件獲得のイメージを描きやすいように、公開されている大阪のJavaフリーランス案件をいくつか紹介します。

金融系システム開発支援でのJavaエンジニア求人
・必須要件:Javaでの開発経験、金融系での開発経験
・歓迎要件:Linux、Oracle、SQLの経験
・待遇:SE、PG、月/〜60万円

ワークフローシステム開発でのJavaエンジニア求人
・必須要件:Javaでの開発経験、Web開発経験
・歓迎要件:Intra-Mart開発経験、PostgreSQL経験
・待遇:SE、PG、月/〜55万円

大阪のJavaフリーランス案件数は?

上述したフリーランス案件例は、大手エージェントでの検索結果をもとにしていますが、東京のJava案件が約1,900件だったのに対し、大阪は41件という結果でした。では、大阪のJava案件は少ないのかというとそうではなく、別の大手エージェントで検索したところ、東京17件に対して大阪83件という逆転現象も起こっていました。開発案件を探す時期にもよりますが、全体的な傾向からすれば大阪のJava案件は、東京よりは少ないもののほかの都市よりは多い、充分な案件数があるといえる状況です。

大阪のJavaフリーランス案件の単価相場は?

それでは、大阪のJavaフリーランス案件の単価相場は、東京と比較した場合どうなのでしょうか?まったく同じ案件があるわけではないため、単純な比較はできませんが、これに関しては東京の方が高額になる傾向にあるのは否定できません。東京では月額65〜75万円の案件が多いのに対し、大阪では月額55〜65万円の案件が多く、全体的には大阪の方が10〜15%程度低めの水準です。これは地域性を考慮に入れた妥当なラインといえるのでしょうか?

大阪と東京の住宅費比較

まずは住居費で大阪と東京の比較をしてみましょう。大阪は東京に次ぐ日本の大都市ではありますが、全国平均を100.0ptとした場合、128.0ptの東京に対して大阪は97.5ptです。これは港区などの地価が異常に高いことで東京の平均が押し上げられている、大阪郊外の空室率が比較的高いなどの理由が考えられますが、新宿区と梅田駅のある大阪市北区を比較しても同じ傾向が見られます。ワンルームで比較しても15%以上大阪の家賃相場が安いのはもちろん、1LDK以上の広さになるとさらにその差は拡大します。

大阪と東京の食費比較

同じように食費で大阪と東京を比較してみると、住居費とは異なった結果が現れます。この分野では東京が103.0ptなのに対して大阪は97.5ptであり、あまり差が大きくないことがわかります。ただし、東京で安くランチを済ませようとするとチェーン店などが中心になってしまうのに対し、大阪では安くても満足できる味を提供できる店がたくさんあるという声もあります。大阪の方が数値の差以上に食費が安い可能性もありますが、いずれにしても住居費を考慮に入れれば、案件単価の相場は妥当だといえるのかもしれません。

大阪のJavaフリーランス案件の傾向は?

大手電機メーカー、大手薬品メーカーなどが本拠を置いているためか、大阪のJava案件は比較的業務システム開発が多いといわれています。ソーシャルゲームを開発するベンチャー企業も多いため、Android関連の開発案件が多いのも特徴です。ただし、東京に比べて保守的な傾向があるのも大阪の特徴であり、Python、Go、Scalaというよりは、Java、C言語、COBOLなどの需要が高く、最新のスキルに触れる機会は多くないといえるでしょう。

大阪でメジャーなJavaフレームワークは?

第一線で活用されてきた長い歴史を持ち、大規模システムで採用されることの多いJavaは、開発を効率的に進めるためのフレームワークが多数存在します。フレームワークには流行り廃りもあり、多少なりとも学習する時間を必要とするため、大阪でよく使われるメジャーなフレームワークを押さえておくのは重要です。ただし大阪でも、Spring Framework、Struts、JSF(JavaServer Faces)などのメジャーなものが使われることが多いため、特殊なフレームワークをあえて習得する必要はありません。

大阪のJavaエンジニアに求められる実務経験

一般的に、東京でJavaフリーランス案件を問題なく獲得するには、3年以上の実務経験が必要だといわれています。大阪でもその状況に変わりないのは事実ですが、1年程度の比較的短い実務経験でもプロジェクトに参画できる傾向があるようです。どちらかといえば、Javaへの需要が高い大阪ではエンジニアの絶対数が足りていない状況が続いており、社員としてなら未経験でも転職できる企業も少なくないようです。Javaエンジニアを目指す方にとっては、大阪は比較的ハードルが低いといえるでしょう。

高単価のJava案件を大阪で獲得するには?

とはいえ、大阪でも高いスキルを持つJavaエンジニアが求められているのは事実であり、うまくアピールができれば東京以上の好待遇で案件獲得するのも不可能ではありません。では、大阪で高単価のJavaフリーランス案件を獲得するにはどうしたらいいのか、簡単に解説していきます。

上流工程の経験・マネジメント経験

Javaに限ったことではありませんが、要件定義・設計を含む上流工程の経験、プロジェクトマネジメント経験があれば、高単価のフリーランス案件を獲得可能です。実際、大阪のシステムマイグレーション向けのJava案件の場合、要件定義・設計経験のあるPMを月額75万円で求人している例がありました。Oracle DatabaseやSQL関連など、大阪の案件に多い業務システム系のスキルがあれば、さらに案件を獲得しやすくなります。

複数のフリーランスエージェントを使い分ける

大阪のJavaフリーランス案件数の項目でも触れましたが、大手エージェントでも検索時期によって公開されている案件数は大きく異なります。当たり前の対策かもしれませんが、複数のエージェントに登録したうえで、できるだけ好条件の案件を選んでいくのが重要です。大阪のJava案件は、東京に比べて契約期間が長めになる傾向もあるため、月額単価だけではない総合的な観点を持つのも大切です。

まとめ

東京よりはやや単価相場が低めになるものの、大阪でもフリーランス向けJava案件は豊富であることを解説してきました。土地柄から比較的規模の大きな業務システム開発が多く、契約期間が長めなのも大阪の特徴です。「好条件の案件を長く続ける」のがカギとなるフリーランスにとって、大阪は絶好のエリアだともいえます。独立を検討する大阪のJavaエンジニアの方であれば、チャレンジしてみる価値があるといえるでしょう。