支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


近い将来、会社の中心として活躍が期待される中堅社員の成長は会社の成長にも関わるため重要です。しかし、当の本人が「中堅社員としての自覚がない」「中堅社員に求められる役割を認識していない」状態では、なかなか成長できないでしょう。そこで、今回は中堅社員に期待される役割をご紹介します。これから中堅社員として活躍していきたい方から中堅の部下をどのように成長させていこうか悩んでいる上司の方まで参考になる記事ですので、ぜひご覧ください。

中堅社員の定義は?何年目の社員を指すのか?

一般的な中堅社員の定義は「新人レベルは超えていて主任や係長など何かしらの役職に就く前の社員」となっています。「何年目の社員から中堅社員か?」については、「新人レベルを超えた」状態になるまでにかかる期間が会社や職種によって異なるため、一概にはいえません。たとえば、ITエンジニアの場合は、最初はOJT(実務を通して知識やノウハウを教える教育)といった研修期間から始まります。先輩の指導を受けながら、システムの一部機能をコーディングさせてもらうところから始まり、徐々に担当範囲を広げていき一人で任せてもらえるまでに2~3年ほどかかります。職種によってはもっと短い期間の仕事もあればそれ以上かかる仕事もあるでしょう。しかし、「入社3年目~7年目」「20代半ば~30代前半」の社員であれば学生から社会人への切り替えは済んでおり、仕事も一通りこなせるようになっていますので、中堅社員を定義するひとつの目安になるでしょう。

中堅社員に期待される3つの役割

中堅社員にはどのような役割が期待されているのでしょうか?ここでは3つご紹介します。

若手社員の指導

中堅社員は自分の仕事をこなすだけでなく若手社員の指導が求められます。若手指導ではコミュニケーションをとりやすい環境作りが重要です。若手社員が「相談しにくい」「話しかけにくい」と感じてしまうと、悩みを汲み取れないからです。最近は在宅勤務が増えているためコミュニケーションの取り方には工夫が必要です。例えば、毎日決まった時間に10分~15分くらいで作業進捗や困りごとを聞く場を設けたりしておくと、まとめて不明点に対応できるので効率よく指導ができるでしょう。

チームを牽引するリーダーシップとコミュニケーション力

中堅社員はチームを牽引するリーダーシップが期待されます。今まではチームメンバーの一員としてチームリーダーの指示に従うだけでよかったでしょう。しかし、チームリーダーはプロジェクトの目的を達成するため、場合によっては他部署のメンバーと業務の調整をしたり、メンバーの進捗をチェックしながら作業計画を考えたりしなければなりません。そのため、今まで以上に多くの人と関わる機会が増えてきます。上手くコミュニケーションをとりながらプロジェクトをまとめていくスキルも求められます。部署によって考え方や仕事の仕方の違いなどがあるかもしれません。こうした違いから認識違いが起こり、重大なミスにつながることもあります。初めて一緒に仕事をするメンバーがいる場合は注意しましょう。

現場とマネージャーのつなぎ役

現場とマネージャーのつなぎ役になることも中堅社員の役割です。現場で立てた計画に対して実績がどういう状況になっているか、抱えている問題とその対策案などをまとめて、マネージャーに分かりやすく説明するスキルが求められます。また、マネージャーの指示を現場のメンバーに伝えるのも中堅社員が行うケースが多いです。マネージャーは具体的な仕事のやり方などは現場に任せることが多く、抽象的な表現で指示を出すケースがあります。例えば「この機能をもっと顧客が使いやすいように改善して欲しい」という指示を受けた場合、それをそのまま現場に伝えても、実際に対応するメンバーは「なぜ使いにくいと感じるのか?」「いつまでに対応すればいいのか?」といった疑問を抱きます。マネージャーの指示をただ聞くだけでなく、自身がメンバーに具体的な作業指示が出せるよう、マネージャーにヒアリングをして現場メンバーに伝えるスキルも必要です。

中堅社員が成長していくため大切なこと

中堅社員からマネージャーになるまでの道のりは長いです。そのため、計画的なキャリア形成が必要になります。キャリア形成にあたって、日頃からどのような点に気をつけて行動をすべきなのでしょうか?

中堅社員としての自覚をもつ

「自分は中堅社員だ!」という自覚がなければ、期待されている役割を意識した行動を心がけない可能性があります。「中堅社員」の定義は会社や職種により異なるため、自分が中堅社員に該当するのか理解しておきましょう。中堅社員の年代になると多くの企業では中堅社員向けの研修が行われます。自身が研修の対象者になった場合は会社から中堅社員としての活躍が期待されています。もし、どうしても分からない場合は上司に相談してみてもいいかもしれません。中堅社員としての自覚をもち、期待されている役割を積極的に果たしていきましょう。

いろいろな職種の仕事をする

重要な意思決定を託されるマネージャーは幅広い知識と経験が必要です。なぜなら、1つの職種に偏った知識しか持ち合わせていなければ、さまざな角度からものごとを考えられず、重要な場面で最適な意思決定を下せない恐れがあります。そのため、将来のマネージャー候補として中堅社員のうちからいろいろな職種の経験を積んでおくといいでしょう。中堅社員の段階ではまだまだ複数の職種は経験できていないケースが多いかと思いますので、積極的に複数の職種を経験して知見を広げていきましょう。異動については、社内公募への応募やジョブローテーション(人材育成計画に基づいた戦略的な異動)といった制度があれば、活用できないか上司に相談してみましょう。

マネージャーになったつもりでものごとを考える

中堅社員の段階ではまだ重要な意思決定をくだせる権限はありません。しかし、自分が判断を下せないような場面においても他人ごとならず、常に「自分がマネージャーだったらどのような判断をするか?」考えるクセをつけておきましょう。そして、実際にマネージャーが下した判断と自分の考えにギャップがあれば次回からそのギャップを埋められるような改善を心がけた提案ができれば、マネージャーに近づくスピードが増していくでしょう。

まとめ

中堅社員の定義は会社や職種によってさまざまですが、一般的には入社3年目~7年目の役職についていない社員を指すことが多いです。新人レベルから抜け出して「若手社員の指導」「チームを牽引するリーダーシップ」「現場と管理職のつなぎ役」といった役割が求められます。中堅社員が成長していくためには、まずは自身が中堅社員である自覚をもち、さまざまな職種を経験して幅広い知識と経験を身につけましょう。また、中堅社員の段階では重要な意思決定を行う権限はないかもしれません。しかし、他人ごとにならず、常に自分ならどのような行動するかを考えながら仕事することで、より早くマネージャーへと成長していけるでしょう。