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  • IT業界におけるWeb系の仕事内容を

はじめに

IT業界の仕事には様々な分類方法がありますが、大きく分野で分けるとソフトウェア、ハードウェア、通信インフラ、情報処理、Web系の5つになります。この記事ではそのうちWeb系の職種について詳しく紹介していきます。Web業界への転職を目指しているものの具体的な仕事内容がいまいちわからないという方はぜひご覧ください。

Web業界の現状は?

Web業界は、ECサイトやSNS、アプリ、インターネット広告等、ITシステムの中でも普段から目に触れたり、利用したりする機会の多いサービスに関わっている業界です。インターネットが一般的に利用されるようになってから常に進化を遂げ、5Gの登場でさらに通信の高速化、大容量化が実現してさらに用途の可能性が広がってきています。さらにAIやIoTといった新しい技術も、Web業界発展の一因となっています。しかし業界が発展を遂げていく一方で、技術の更新スピードが早く、次から次へと新たな知識が求められるため、それらの技術を満たすエンジニアやプログラマーの数は慢性的に不足しているという実情があります。逆の見方をすればエンジニアの需要が無くなりづらいと見ることができますが、すでにWeb業界で働いている人達も既存の知識だけで続けていくことは難しく、普段の仕事をしていく中で常にIT業界の最新情報にアンテナを張っていく必要があります。

またWeb業界の職種によっても現状はそれぞれ異なります。詳しい仕事内容については次の項目で紹介しますが、例えばWebデザイナーに関しては、スキルとして求められるものが徐々に変容しています。かつては企業ページやオンラインショップサイトの作成となると専門の業者に頼むことが当たり前のようになっていました。現在は素人でも無料でホームページ作成可能なツールがたくさんあり、単純な制作依頼の需要は少なくなってきています。その中でWebデザイナーに求められるのは、お洒落で見栄えのするサイトを作るだけではなく、UI/UXといったユーザー目線での考え方、サイト作りです。またWebエンジニアに関してもシステムのクラウド化が進んでいることによる業務範囲の変化や、新しいスキルの習得が必要になってきています。

以上のようにWeb業界は、携わるエンジニアのスキルと共に常に進化し続けている業界です。スマートフォンやタブレットといった携帯端末の普及率が引き続き上がっていること、IoT製品の増加等で、より多くの人が気軽にインターネットに触れる機会ができること、世相によってインターネットショッピングがこれまで以上に注目されるようになり利用率が上がっていること等から、Web業界の発展は今後も継続していくと見られます。

Web系職種の種類と仕事内容について紹介

続いてWeb系には具体的にどのような職種があるか、各職種の特徴や仕事に就くにあたって必要となるスキル・資格について紹介していきます。みなさんが今後目指していく職種を決める際の参考になると幸いです。

Webデザイナー

クライアントから依頼されたホームページ作成のデザイン設計から担当し、IllustratorやPhotoshopといったグラフィックデザイン、画像加工ソフトを利用して業務をすることが多いです。またコーダーが他にいれば別ですが、基本的にWebデザイナーはHTMLやCSSといったマークアップ言語を使用してデザインに関するコーディングも担当します。その他にも次に紹介するフロントエンドエンジニアのようにJavaScriptでサイトの動的な部分をコーディングすることもあります。また近年ではただ単に見栄えの良いサイトを作成するだけではなく、UI・UXデザイナーとして、閲覧者が便利に利用できる「User Interface」、その結果満足できる「User Experience」を考慮したデザインが求められます。さらに売上等の成果に繋げられるようなSEOやマーケティングの知識も必要です。

Webエンジニア(フロントエンド/バックエンドエンジニア)

Webエンジニアは、一般的にフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2つに分類されます。フロントエンドエンジニアは直接ユーザーが操作することとなる画面上のパーツ等をメインで構築します。Webデザイナーと重なる部分も出てきますが、HTML、CSS、JavaScriptといった言語を利用して、デザイナーと連携しながら構築を進めていくので、JavaScriptのフレームワークやライブラリの知識も必要となる場合があります。

対するバックエンドエンジニアは、直接閲覧者が目にすることのない、サイトを経由して行われる内部処理のプログラミングをサーバーサイドで開発するエンジニアです。開発言語としてPHP、Python、Ruby、Java等、Webシステムによって様々なプログラミング言語の知識が必要となる他、サーバーのインフラに関する知識も持っておく必要があります。Webデザイナー、フロントエンド、バックエンドエンジニアはそれぞれ分業されていたとしても互いに密接な関係にあって、都度コミュニケーションをとりながら開発を進めていくため、自分の担当分野以外の知識もある程度把握しておくことが求められます。

Webマーケター

Webサイトや広告を使って売上アップにつながる対策を、時にはテストを行いながらWeb上でマーケティングを行う職種です。ホームページやオンラインショップへのアクセス機会を増やすためのSEOに関する知識や、アクセス解析の利用方法と、取得したデータを分析して戦略に役立てる方法等を知っておくことが求められます。その他にSalesforce等のCRM系ツールの知識、SNSマーケティングに関する知識が必要となる場合もあります。

SE(システムエンジニア)

SEはWeb系システムに限らず、システム開発の現場ではほとんどの場合必要とされる職種です。なぜならSEの仕事は、ウォーターフォールと呼ばれる開発モデルの中で、要件定義や設計といったシステム開発が開始される前段階の上流工程を担当することがメインであるためです。またSEとしての経験を経ていくと、プロジェクトリーダーやマネージャーとして、プログラマーや各種エンジニアをまとめて進捗管理を行うようにもなります。SEになり立ての頃はシステムのテストや、マニュアルに沿った構築、メンテナンス、簡単なプログラミング等を担当して経験を積んでいきます。

Web系で持っておくと便利な資格は?

まずIT業界であればどの職種でも役立つものとして、ITの幅広い知識を網羅している「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」があります。いずれもIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する国家資格で、コンピュータの仕組みやインターネット、サーバー、ITサービスと幅広い分野の基本知識が問われます。

Webデザイナーを目指す場合は「ウェブデザイン技能検定」という国家資格もあります。3級から1級までの難易度があり、1級を取得するには実務経験が必要になります。Web制作に関わる知識が問われる「Webデザイナー検定」というものもあります。またWeb制作の実技試験としては「Webクリエイター能力認定試験」があります。マーケターに関わる試験としてはGoogleの実施する「Googleアナリティクス個人認定資格」や、「Google広告認定資格」があります。

Web系に資格が必須の業務はなく、また資格が業務に直結するとは言い難いものではありますが、クライアントや企業に対して取得している資格の技術を客観的に証明できるので、取得して損になることはないと言えます。またWeb系の仕事を始めてからであっても、知識を補足する良い機会ともなるので、折を見て資格勉強をしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

IT業界は5つの分野に分けることができ、その中の一つであるWeb系にはさらに複数の職種が存在しています。実際の求人を見ていると、今回紹介した以外にもWeb系の別の職種を募集していることがあり、企業によって職種の呼称や業務担当範囲は様々です。また、今後技術の進歩によって特定の部分に専門性が生まれ、新たな職種が出てくる可能性もあります。Web系はIT業界の中でも特に情報が更新されるスピードが早く、ついていくのに大変な面はありますが、いち早く最新技術に触れられる可能性の高い業界でもあります。ぜひWeb系の職種に就いて、IT業界の第一線での活躍を目指してみてはいかがでしょうか。