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  • 【2022年版】今後注目するべき開発

はじめに

現在見られるようなプログラミング言語の登場は1940年頃と言われて、その後世界中のエンジニア・プログラマーによって洗練され、より便利で簡単に利用できるものへと進化してきました。2022年時点で世の中に存在するプログラミング言語は250以上となっていますが、その中にはすでに使われなくなったもの、長い間多くのシステムで使われているもの、近年リリースされたばかりで余り普及していないもの等様々あります。今回はたくさんある開発言語の中で特に今後注目のものを一覧で紹介し、プログラマーの将来性についても見ていきます。なお一覧を紹介する前に現役のプログラマーでもあまり聞くことのないプログラミング言語の歴史について触れますが、注目の開発言語一覧だけ知りたい方は飛ばしていただいても問題ありません。

プログラミング言語の歴史

プログラミング言語の登場を1940年頃と冒頭に紹介しましたが、これは人間が理解できる言語を使ってプログラミングできるものが誕生した時期を指しています。コンピュータ側はどんな言語で書かれていても理解できるのは0と1だけで、それは今も変わりません。しかし人間が0と1だけで複雑なプログラムを作成するには限度があり、仮にできたとしても膨大な時間がかかりミスも多発することでしょう。そこで人間の理解できる言葉や記号でプログラムが組めるようにと最初に開発されたのがアセンブリ言語です。この頃からコンピュータは飛躍的に様々な分野で取り入れられるようになり、1946年には世界初の電子コンピュータ「ENIA」が、1951年には商用コンピュータ「Ferranti Mark 1」が開発されていきました。

60、70年代においても引き続きアセンブリ言語は進化しながら利用されていましたが、同時にこの頃の言語の主流となるFortran、ALGOL、COBOL、C言語等の手続型言語が開発されました。COBOLは事務系のシステムで幅広く利用され、現在でも一部で残っています。またC言語は以降の様々な言語の元となりながら今でもゲームや制御システム等の多方面で需要が続いています。さらに70年代に入るとオブジェクト型言語が現れてきたり、SQLというデータベース操作専用の言語が登場したりします。

70年代に登場したC言語は80年代に入ってより勢いを増していき、C言語にオブジェクト指向を取り入れたC++も開発されました。また近年においてもiOS向けのアプリ開発言語として利用されていたObjective-Cが登場したのも80年代で、MacOS向けのソフトウェアはObjective-Cが標準の開発言語となっていました。なお2014年にApple社がSwiftをリリースしてからはMacOS、iOSのアプリ開発にはSwiftが多く使われるようになっています。最近はやや見かけることが少なくなりましたが、Web系の開発で広く利用されていたPerlがリリースされたのもこの頃です。

そして現在でも引き続き第一線で使われている言語が多い90年代に入ります。90年代にはAI、ビッグデータ等のシステムで利用されることの多いPython、そのシンプルさから初心者でも利用しやすくWeb系の開発に向いているRuby、90年代まであまり浸透していなかったオブジェクト指向を定着させるきっかけとなったJava等が登場しました。この3言語だけを見ても、常日頃から求人情報で見かけることの多い言語であることがわかります。これらに加え、Web系の開発ととても相性の良いPHPやJavaScriptがリリースされ、同じく進化を続けながら多くのシステムで利用されています。

2000年代以降に登場した言語で飛び抜けて頭角を表しているような言語はありませんが、それでもMicrosoftが開発したC#やGoogleが開発したGo言語やDart、Apple社開発のSwiftがリリースされ、需要も少しずつ伸びています。このように2000年代は特定の個人や非営利団体が開発した言語よりも、自社サービスありきでサービス拡張や改善のために言語が開発されたという流れが目立ちます。それでも特に2010年代に登場した言語はいずれもリリースからまだ日が浅いため、今後システム開発の主流となる言語に成長する可能性もあると言えるでしょう。以上が2022年までのプログラミング言語の歴史です。

今後注目しておきたい開発言語一覧(10選)

プログラミング言語には全く路線の異なるものもあれば、例えばC++、C#やJavaのようにC言語から派生したものもあり、各言語の持つ特徴によって採用される分野が異なります。また分類方法も様々で、職種や用途、難易度、言語のタイプ、需要、平均年収等が挙げられ、それらの比較情報があちこちで見られます。今回は2022年時点で今後学習しておくとプログラマーとして活躍しやすい言語に絞り、さらに安定性と将来性の観点に分類したうえで紹介していきます。ぜひ一覧を参照のうえ、自分がどんなシステムを構築するプログラマーを目指したいかを考えて習得すべき言語を明確にしていきましょう。

安定性から考える

ここでは長い間多くのシステムで利用されていて、これからもしばらく需要が続くとみられる開発言語5選を一覧で紹介していきます。

PHP

Webサイトに欠かせないHTMLとの相性が良く、応募フォームやカート等で利用される他、Webアプリでの利用もみられるサーバーサイドの言語です。ブログやホームページ等を作成する際に利用されるWordPressというCMS(Contents Management System)もPHPで開発されています。Ruby、ASP.NET等Web系システムのサーバーサイドで利用される言語は他にもたくさんありますが、PHPは既存システムで広く利用されていることもあり、運用・保守を含めると需要はこれからも続くと言えます。

Java

あらかじめコンパイルを行うコンパイラ言語であるため処理が早く、セキュリティが堅牢、Java仮想マシン(JVM)をインストールすることでOS環境に依存せず利用できるという特徴を持っています。またオブジェクト指向を浸透させるきっかけにもなった言語で、その特徴はC#、Scala、Kotlin等の言語にも影響を与えています。オブジェクト指向は理解するまでに多くの学習時間が必要となりますが、JavaはWebシステム、組み込み系システム、金融系等の大規模システム、スマホアプリ、ゲームと多方面で利用されている言語なので、一度習得してしまえば多くの現場で活躍できる可能性が広がります。

JavaScript

先に紹介したPHPはWebシステムの動的コンテンツの構築に利用されますが、JavaScriptもその一つです。しかしPHPはサーバーサイドの言語として内部処理を専門とするのに対して、JavaScriptは画面デザインの一部として直接ユーザーの目に触れる部分を主に専門としています。元々はブラウザ上で実行される言語でしたが、多くのフレームワークの登場と共にサーバーサイドで動作する仕組みも出てきており、継続的にWebシステムの可能性を広げています。現在のWebシステムを語るうえでJavaScriptは無視できない存在であり、求人数の多さはこれからも続くことでしょう。

Python

90年代の始まりに開発された言語で、コーディングのしやすさや可読性を目的として構成されているため、Ruby等と同様にコード量を少なくしてプログラミング可能です。そのためPythonは初心者が初めに学習する言語としておすすめに挙げられることもありますが、一方で多くの分野で利用できる言語という特徴も持っています。Pythonが利用されているサービスとしてはInstagram、youTube、DropBox等が挙げられ、近年では元来持っていた統計処理、数値計算に向いているというPythonの特徴から機械学習やディープラーニング、データ解析で利用されることが多くなっています。Djangoを始めとした便利なフレームワークも出てきており、これからはデータサイエンスの分野を中心に需要が増えていくと考えられます。

C言語

様々な言語が登場する中で70年代から長い間利用されている言語で、初めはUNIXの移植のために開発されたにもかかわらず、ハードウェアの制御やメモリ管理等に向いていることから組み込み系システム、ゲーム、ソフトウェア、OSと多くの開発現場で利用されるようになりました。また初心者であるとメリットを十分に生かしきれない可能性はありますが、非常に自由度が高い言語としても有名です。なお「C」と付く言語は複数あって紛らわしいかもしれませんが、C++はC言語にオブジェクト指向をプラスした派生言語で、C#はMicrosoftが開発した全く出所の異なる言語です。システムによってはいまだにJavaやPHP等よりも重宝される言語で、近年は組み込み系としてIoTの開発も盛んなためC言語の需要は今後も見込めると言えます。

開発言語の需要の伸びから考える

ここでは、2022年時点ではそこまで需要がなく求人数が少ないものの、言語の特徴と時代背景から今後需要が増えると予測される開発言語5選を一覧で紹介します。

Go言語

Google社でプログラミング環境の改善を目的として開発された言語であり、Googleのサービスを中心に、Webサービスや不マートフォン向けアプリ、ドローンの開発に利用されています。なおGo言語は例外処理がでない、継承が行えないといったプログラミング上のデメリットがありますが、これはあくまで機能を最小限に留めておくという意図的な仕様であり、そのためにプログラムの安全性を保持し、シンプルにコーディングできるようになっています。まだまだ学習ツールの少ない言語で、利用範囲も限定的ではありますが、Go言語が扱えるプログラマーの収入は高いので、それだけ欲されているスキルであるということが伺えます。

Swift

Appleが開発したiOS向けアプリ開発用の言語です。iOSではそれまではObjective-Cという言語がメインで利用されてきましたが、それに代わる言語としてより簡単で軽量・高速なSwiftが登場しました。リリースが2014年とまだ歴史の浅く、Apple社製品での利用が多いドメスティック感が強い言語ではありますが、汎用的なWebサービスの開発も可能な言語であるため、Swiftの持つシンプルで軽量・高速というメリットに注目が集まれば需要が伸びていくと考えられます。

Kotlin(コトリン)

JavaをベースとしたAndroidOSのアプリ開発をメインとして開発された言語です。もちろんJavaとの互換性を持ちながらJavaよりコード量を少なくでき、Javaで発生しやすいNullPointerExceptionというエラーを未然に防げるという特徴を持っています。Javaで構築されたシステムとの連携が必要となる際に特にメリットを発揮できる言語と言えるでしょう。現在利用されている有名なサービスとしてはYahoo!やLINE、Abema等のAndroid版等が挙げられます。2022年時点で求人数が多いとは言えない言語ですが、サーバーサイドの言語としても利用が可能で、Java自体は不動の人気言語であるため連携性に優れたKotlinの需要は高まる可能性があります。

R言語

Pythonと同じくデータの整理や統計データの解析等の分野で能力を発揮する言語の一つです。逆に言うとその他言語のように幅広い分野での活用は現状できませんが、計量経済学や心理学といった専門性の高い分野での利用が進んでいます。データエンジニア、データアナリスト、データサイエンティスト、機械学習エンジニアを目指す場合は覚えておいた方が良い言語となるでしょう。現時点で利用される分野が拡張することは考えにくい言語であるものの、ビッグデータ解析が様々な業界で重要視されるようになっている流れもあり、R言語が扱えるプログラマーの平均年収も高めであることから一定数の需要が見込める可能性があります。

TypeScript

名前が似ているのでお気づきかもしれませんが、JavaScriptを拡張した言語で、JavaScriptで大規模アプリを開発するに当たって新たに作られた言語という背景があります。そのためJavaScriptの持つデメリットを解消し、大規模開発であってもエラーが起きづらい作りになっています。JavaScriptとの互換性を保っているだけではなく、JavaScriptのAngular JSやReactといったフレームワークが利用でき、さらにコードの短縮、エラーが発見しやすさ、高速化を実現しています。まだJavaScriptに代わりの言語となるには時間がかかると思われますが、Googleの標準開発言語として承認されていることもあり、JavaScriptと併用して幅広く利用される可能性が高い言語と言えます。

プログラマーの将来性

プログラミングが自動化されるのではという予測や、オフショア開発の活性化によってプログラマーの国内需要は減少していくのではないかという話がここ数年で頻繁に聴かれるようになりました。実際にそれらの動きが進んでいることには間違いありませんが、現時点でプログラマーの需要が急速に減少していく可能性は非常に低いと言えます。またそう遠くない未来である2030年に向けては、これまで蓄積してきたIT技術と他業界を結びつけて全く新たなサービスを生み出せる高度IT人材が80万人程不足するという見込みが経済産業省より公表されています。これはIT業界全体という括りではありますが、そのカテゴリーに属するプログラマーの存在も例外ではないと言えます。

以上のように見るとプログラマーはこれからも安泰と思われる方が多いと思いますが、どんなプログラマーであっても仕事がなくならないと考えると誤解が生じます。IT業界全体に言えることですが、常に技術の進歩のスピードが早い業界であるため、次々と新たなシステムや仕組みが登場し、それによって需要も耐えず変化していきます。そんな中全く新しい技術を習得せず、これまでのスキルに固執しているようであれば仕事がなくなってしまう可能性は大いにあると言えます。そのため既存の技術力の更新はもちろん、プログラムとプラスアルファで別軸のスキルを獲得することで、よりIT業界で長く活躍し続けるエンジニアになれる可能性が上がります

例えばマネージメントのスキルを獲得してSE(システムエンジニア)やPL・PM(プロジェクトリーター・マネージャー)としても活躍するキャリアパスがあります。その他にもセキュリティのスキルを強化する、近年で言えばAIやIoT等の最新技術の分野のスキルを許可する等が挙げられます。またWeb系のシステムを主に開発している場合であればUI/UXデザインやWebデザインの知識を習得するというのも一つの方法です。対応できる言語が少ないのであれば今回の一覧を参考に扱える開発言語数を増やしていっても良いでしょう。現在どの分野を担当しているエンジニア・プログラマーであっても現状維持をするのではなく、新しい技術やスキルを取り入れていく姿勢が将来性に繋がることとなります。

まとめ

今回は今後注目の開発言語に厳選して一覧を紹介しましたが、現在のIT業界で主流となっているものに絞ったとしてもさらに多くの言語が存在します。これから学習する言語に迷っている方は、まず自分の携わりたいシステムがどういった分野であるかを自己分析したうえで、その分野で幅広く使われているもの、今後需要が増えそうなものに焦点を当てて学習を始めていきましょう。なお人気のある開発言語に限られはしますが、近年は書籍だけではなく無料のオンライン学習サイトで独学できる言語もあるので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。