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はじめに

皆さんIOTという言葉を聞いたことはありますでしょうか? IoT(Internet of Things)とは直訳で「物のインターネット」、機器がインターネットに繋がることを意味しています。
IoTの歴史を遡ると2017年の「IoT元年」と呼ばれるときから加速が始まり、ここ数年ではスマートフォンの普及と合わせて市場規模も急速成長しながら拡大しています。今後5Gの普及と合わせて更なる拡大が期待されています。

身近な例を挙げると、スマートスピーカー(Google Home, Amazon Echo, Apple HomePod)やスマートウォッチを使用している方も多いのではないでしょうか?スマートスピーカーはIoTデバイスの一種であり、スピーカーは本来音楽データを再生する機能のみしかありません。しかしそれがインターネットに繋がることで、音声認識を可能にするAIが搭載され、聞きたい曲をAIに伝えればインターネットから情報を探し出してきて音楽を再生することが可能になります。
これがIoT(Internet of Things)の活用の一例です。 上記のように物がインターネットに繋がることで今まで不可能だった多くのことが実現可能になります。以下ではそんなIoTを活用した近未来的な事例を紹介していきます。

活用事例

スマートホーム

家の中の家電製品がインターネットに繋がることで、様々なデバイスから家電の操作が可能となります。照明を音楽に合わせて色や明るさを変えたり、外出先からもエアコンの操作や鍵の施錠の確認ができます。リモコンもテレビや電気、エアコンなどと分ける必要もなくスマートフォン一つで全て操作できます。
またスマートフォンとスマートスピーカーを連携すれば、スマートフォンを使用せずに声だけで家電製品の操作ができます。例を挙げると、スマートスピーカーに「おはよう」と言うだけで寝室の電気が付き、リビングのカーテンが開けられ、テレビの電源が入り、コーヒーが注がれて、スピーカーは今日の天気と電車の遅延状況を教えてくれる...などと、いままで映画の世界だった環境が実現できます。

オートパイロット(自動運転)

オートパイロットは先進運転支援システムと呼ばれる自動運転のことを指します。 自動運転にはレベルが0~5まであり、それぞれが以下のように定義されています。

レベル0(完全手動運転):車の周囲の障害物に警告音が鳴る程度。
レベル1(運転支援):車のセンサーが前方の障害物を検知して衝突被害を軽減するためにブレーキを作動させる機能。
レベル2(部分自動運転):クルーズコントロールと呼ばれる高速道路などの同一車線にて一定速度を維持したまま走行を続ける機能。
レベル3(条件付自動運転):限定的な環境や交通状況下でのみ加速、操舵、制動の自動運転が可能。緊急時は即座にドライバーが対応しなければいけない。
レベル4(高度自動運転):特定の環境下でのみ自動運転が可能。条件を維持し続けている限り自動運転が可能だが、条件外になると人間の操作が必要となる。鉱山の無人ダンプや軍事用の無人車両。
レベル5(完全自動運転):運転手が必要ではない無人運転が可能。安全管理を含め全ての条件下の対応がシステムに組み込まれている必要がある。

自動運転の際には障害物との距離を計測するセンサーや車両の位置情報、交通状況など様々なデータを分析して連携する必要があります。これらの自動運転にはAIをはじめとするIoTの技術が活用されています。

スマートファクトリー

製造業の分野での活用が期待されている、IoTの特徴である「自動化」を利用した例です。
工場は実際に人間が手を動かして生産している状況が多いですが、それをIoTを利用して生産ラインの自動化を進めます。IoTの導入によって生産性の向上や品質の改善が可能になるでしょう。工場内の各機械がインターネットに繋がれば、工場とは別の遠隔の場所から生産状況を確認・制御することが可能になります。そのことによって、夜間は人が足りなくて停止していた工場が24時間体制で生産が可能になります。また、作業人員を減らすことで本来5人で生産していたものを監視者1人で管理して人件費を減らすことに繋がります。

スマートシティー

トヨタが発表している実験都市「ウーブン・シティ」についてです。2021年から着工が予定されていて、あらゆるテクノロジーをつぎ込んだ近未来都市の実現を目指しています。環境汚染をしないゼロエミッションの構想をもとに自動運転、人工知能、ロボット、スマートホーム、MaaS(交通インフラのクラウド化)を推進して街を作り上げ、新たなビジネスモデルの創出がされるでしょう。

まとめ

以上、IoTの説明とIoTを活用した事例を紹介させていただきました。
繰り返しにはなりますがIoTの醍醐味は物がインターネットに繋がることです。今まではその物単体でしか使用していなかったものが、インターネットに繋がることで無限の可能性が出てきます。今後も靴×インターネットや、洋服×インターネットなど、アイディア次第で多くの新製品が生まれてくるでしょう。まだ実感は少ないかもしれませんが、ここでは取り上げていないIoTを利用した多くの物が皆様の周りにも既に導入され始めてきています。
今度街に出かけた際には、これはインターネットに繋がっているのかな?と少し意識して探してみてはいかがでしょうか。