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  • 情報処理安全確保支援士を取得するメリ

はじめに

アイキャッチ

情報処理安全確保支援士という資格をご存知でしょうか?情報処理安全確保支援士はサイバーセキュリティに特化し、IT系の資格の中でもより高度な知識を求められ簡単に取得できるものではありませんが、その分取得するメリットも多い資格です。今回はそんな情報処理安全確保支援士という資格について、 資格の概要、取得するメリット、そしてデメリットも紹介していきます。

情報処理安全確保支援士とは?

情報処理安全確保支援士とは経済産業省・IPAが実施している情報処理技術者試験の一つ「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)試験」に合格し、かつ登録手続きを行った人に与えられる国家資格を指します。サイバーセキュリティ対策を推進する人材の育成と確保を目指し生まれた資格で、その 専門知識を活かしてセキュリティ対策を企画しITやセキュリティの専門でない人にも説明・連携を図り、安全な環境の支援を行うことを期待されています。

各種存在する情報処理技術者試験の中でも高度な試験で、IT関連の資格試験の中でも最難関といわれ合格率は平均19%と低いです。また、他のIT関連の資格と異なり、登録制士業として認知されるという特徴もあります。まだ誕生して日が浅く独占業務は定まっていないのですが、将来性は高いとみられ需要は高まっています。

取得するメリット

情報処理安全確保支援士は、前述の通りIT系の資格の中でもより高度な知識と経験が求められる難関資格で、試験勉強したから簡単に合格できるといったものではありません。ですが、取得するメリットも多い資格です。では、具体的にどのようなメリットが存在するのでしょうか?

高度な知識の証明になる

情報処理安全確保支援士は、産業構造審議会情報経済分科会 情報サービス・ソフトウェア小委員会 人材育成ワーキンググループ報告書(2007年7月)の中で提言 された「共通キャリア・スキルフレームワーク」のレベル4としてセキュリティに関わる業務を実践することが出来る人材だとされています。 そのため、取得することで情報セキュリティの知識が豊富であること、高度IT人材であることを証明することができます。これは大きなメリットと言えるでしょう。

資格の信頼性が高く信用されやすい

情報処理安全確保支援士は独占士業として認められており、弁護士や公認会計士のように資格がなければ名乗ることはできません。 そのため資格の信頼性が高く、様々な場面でこの資格を所持していることをアピールできます

試験に合格し登録することで、経済産業省に備えられる登録簿に名前が掲載され情報処理安全確保支援士と名乗れるようになります。 「人物として問題ない人材のみを登録・資格継続する」規定になっているので、登録されているということは「士業を行う人物として問題ない」と国に認められているのだと捉えることができ、大きなバックグラウンドになり得ます。

最新情報を得られる

情報処理安全確保支援士の資格は、取得しておけばそれで終わりというものではなく、資格継続のためにオンライン講習や集合講習の受講が必須とされています。講習を受けるにはコストも時間もかかってしまいますが、講習では情報セキュリティに関する最新の情報が入手できるという利点もあります。

人脈を作ることができる

定期的な講習が義務化されていること、有資格者向けシンポジウムやカンファレンスの開催もあることから、同じ資格者同士で集まる機会が多く人脈形成や情報収集を行いやすいという利点もあります。

入札要件としても使われている

情報処理安全確保支援士は、転職などの選考要件としても広く認められ優遇を設けている箇所が多く、また国家資格であるため自衛隊の技術層、警視庁のサイバー犯罪捜査官、警察情報職員などの行政職の入札要件としても活用されています。行政や企業・団体などその活躍の場は幅広いでしょう。

他資格の一部免除が受けられる

情報処理安全確保支援士の資格を保持することで、他の資格試験を受験する際に試験内容の一部が免除されることがあります。 例えば、「中小企業診断士の1次試験科目」「弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V」「技術士試験の第一次試験の専門科目である情報工学部門」などが挙げられます。

その他にもITコーディネータ試験で一部を免除するための専門スキル特別認定試験を受験できるようになったり、1日研修を受けることで情報セキュリティ監査人補の試験が免除となったりと、他の資格を取得する際の負担軽減も期待できます

デメリット

ここまで情報処理安全確保支援士を取得するメリットを紹介しましたが、もちろん良い事ばかりではなくデメリットとなり得る要素も持っています。デメリットを2つ紹介します。

登録や資格維持に費用がかかる

よくデメリットとして挙げられるのは、受験料以外にも登録料や維持のための講習費用などでかなりの金額が必要であることでしょう。

取得から登録までに、「受験手数料¥5,700」と「登録免許税¥9,000」「登録手数料¥10,700」がまず必要です。加えて資格の維持に「オンライン講習¥20,000/1回」「集合講習¥80,000/1回」がかかります。オンライン講習は毎年、集合講習は3年に1度の受講義務があるため、3年間で最低14万円の出費があります。また、集合講習は全国主要8都市で行われるため、地方に住む場合は交通費、場合によっては宿泊費の負担も必要になります。この出費のことも考えた上で取得するかを考えた方が良いでしょう。

法定義務がある

情報処理安全確保支援士は「情報処理の促進に関する法律」およびその施行令、施行規則によって法定義務を負うこととなります。 そのため罰則があり、罰金刑や懲役刑を受ける可能性も出てきてしまいます。もちろん悪いことをしなければ問題ないのですが、有資格者であることで厳しく見られることは事実です。

資格の性質上、試験に合格していない状態もしくは合格したが登録を行なっていない状態で「情報処理安全確保支援士」であると名乗ることはできません。処罰の対象となります。合格実績を履歴書などに記載する際は、未登録であることを必ず明記するようにしましょう。

まとめ

以上、情報処理安全確保支援士という資格について、資格の概要、取得するメリット、そしてデメリットを紹介してきました。
情報処理安全確保支援士は難関資格であるものの、取得・登録することでサイバーセキュリティに関する高度な知識を有していると証明でき、国家資格でもあるため信頼性も高く取得するメリットは多いです。

ですが、資格の取得や維持に費用がかかる、法定義務を負うというデメリットもあるので、自分にとって必要であるか、負担にならないかなどしっかり考えた上で取得するかどうか決めることをお勧めします。