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Amazon SES(Amazon Simple Email Service)の概要について

メール配信システムやメール配信プラットフォームは多くの企業が導入を行い、マーケティング施策や顧客とのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。 メール配信システムやメール配信プラットフォームは無料で利用できるものから、有料のサービスまで様々な製品が揃っておりますので、企業の担当者は自社の目的に応じてプラットフォームの機能を確認しながら導入を行う必要があります。 メール配信システムやメール配信プラットフォームを選定する際に検討すべきポイントは複数ありますが、配信における速度や到達率はチェックしておくべきポイントの一つと言えるでしょう。 また、多くの配信先リストや顧客リストを獲得しても、配信したメールが配信先の迷惑メールフォルダに入ってしまうことにより開封率が下がってしまうケースもあり、これらはプラットフォームの性能や製品により差がでる部分のため注意が必要となります。 メール配信システムやメール配信プラットフォームの機能としては配信テンプレート、配信予約、開封率やクリック率などの分析ツールなどが搭載されていることが 一般的で、高機能な分析ツールやダッシュボードのよりハイレベルな分析を実行することができる製品も少なくありません。 ここでは、Amazon SES(Amazon Simple Email Service)について説明させていただきます。 Amazon SESはユーザーがメールを送受信あるいは配信するための大規模なクラウドメールサービスです。 メール配信システムのビジネスにおける重要性はすでに説明した通りとなりますが、 その一方で大規模な容量のメール配信システムを構築や導入することは初期費用がかかってしまうことや、インフラ整備などについてコストや時間がかかることなど様々な デメリットがあることも事実となります。 また、メール配信システムやメール配信プラットフォームは多くのサービスが乱立しているため自社の目的にマッチしたサービスを探すことに手間がかかるという面もあげられます。 Amazon SESではAmazon社のテクノロジーやインフラ基盤を生かし、 このようなユーザーの様々な課題を解消するためのクラウドプラットフォームを提供しております。 特にすでにAWSのサービスを導入している企業の場合、すでに利用しているサービスと統合することが容易でありスムーズに利用することができるため非常に効率よく統合を進めることが可能となるでしょう。 ここからはAmazon SESの特徴や機能などについてさらに詳しく解説させていただきますので、是非参考にしてみてください。

Amazon SES(Amazon Simple Email Service)の特徴について

Amazon SESの特徴について ポイントを絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

迅速な統合

Amazon SESの特徴の一点目が迅速なサービス統合が可能であるという点となります。 Amazon SESにおいてはAmazon SES コンソール、API、SMTP のいずれかを使用して、 短時間でメールの送信設定を完了させすぐにビジネスで利用することが可能となります。 特にスピードが求められるビジネスシーンにおいては初期構築のための時間や様々な手続きを省き 迅速にサービスを立ち上げることのメリットは大きいと言えるでしょう。 Amazon SESは迅速なメール配信プラットフォームの統合により ビジネスを強力に支援します。

効率的な送信

Amazon SESの特徴の二点目が効率的な送信となります。 大量のメールを正確かつ迅速に配信することが可能ですので、非常に効率が良いと言えるでしょう。 また、送信後の改善についても様々なデータを確認しながら取り組むことができるため、 マーケティング施策を効率よく推進することができるという点はユーザーにとって大きな魅力です。

テンプレート

Amazon SESの特徴の三点目がテンプレートとなります。 Amazon SESにおいては複数の受信者に対して送信する予定のメールの構造を作成したり、将来再び使用する電子メールの構造を作成するなど複数のパターンのテンプレートを構築でき、効率よくマーケティングを行うことができます。 各テンプレートには、件名、テキスト部分、およびHTMLなどにおいて変更が可能です。 件名と電子メール本文の両方に、各受信者に固有の値に自動的に置き換えられる変数を含めカスタマイズすることが可能ですので、より柔軟な形のメール配信が可能です。 Amazon SESのアカウントごとに最大10,000のメールテンプレートを作成することができます。 また、各テンプレートのサイズは、テキスト部分とHTML部分の両方を含めて最大500KBまで可能であり、 無制限の数の置換変数を含めることができる点などが特徴となります。

安全なスケーリング

Amazon SESの特徴の四点目が安全なスケーリングとなります。 Sender Policy Framework (SPF) や DomainKeys Identified Mail (DKIM) などの認証オプションを 利用することで安全な運用を可能になります。 また、HIPAA に準拠し、リージョン内コンプライアンス (C5、IRAP) を満たし、グローバル認定 (Fed-Ramp、ISO、GDPR) を受けグローバルに活用できる点も特徴です。

Amazon SES(Amazon Simple Email Service)の機能について

Amazon SESの機能についてポイントを絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

柔軟なデプロイオプション

Amazon SESの機能の一点目が柔軟なデプロイオプションとなります。 Amazon SESのデフォルトでは、他のユーザーと共有しているIPアドレスから メールを配信することとなります。 共有 IPアドレスを利用する場合においてはAmazon SESの基本料金に含まれているため、 素早く無料でメール配信をスタートしたいユーザーに向いていると言えるでしょう。 また、専用のIPを利用したいユーザーはそれらの設定を行うことで専門IPを設定することが可能となります。 すでに所有しているIPからの配信を行いたい場合や、他のメール配信プラットフォームから移行して利用することもできます。

送信者ID管理とセキュリティ

Amazon SESの機能の二点目が 送信者ID管理とセキュリティとなります。 Amazon SESでは業界標準の認証メカニズムである Domain Keys Identified Mail (DKIM)、Sender Policy Framework (SPF)、Domain-based Message Authentication、Reporting and Conformance (DMARC) などを 全てサポートしております。 認証システムとセキュアなシステムにより、ユーザーは安心してシステムを利用することができます。

送信統計情報

Amazon SESの機能の三点目が送信統計情報となります。 Amazon SESでは送信数、配信数、開封数、クリック数、バウンス数、苦情数、拒否数などのメールに対するレスポンスを 分析することができ、マーケティング戦略に生かすことができます。

レピュテーションダッシュボード

Amazon SESの機能の四点目がレピュテーションダッシュボードとなります。 レピュテーションダッシュボードではユーザーのアカウントにおける 全体的なバウンスやフィードバックループを追跡することが可能となります。 ダッシュボードで送信に対するバウンスや苦情の情報を収集しアラームを作成することや トラブルが起きる可能性のある場合にユーザーに対して検知が行われるため、 メール配信の際の改善を行うことができます。

Amazon SES(Amazon Simple Email Service)の料金体系について

Amazon SESの料金体系について説明させていただきます。 Amazon SESの料金は送受信されるメールの量に基づく従量制料金のサービスとなっております。 AWS無料利用枠を利用することで、月に62,000通のメッセージまでは無料で送信することが可能です。 この無料枠を利用できる期間については契約期限などはありませんので、毎月 62,000 通以下のメッセージで あれば無料でとなります。
ただしAmazon SESの利用状況が AWS無料利用枠の適用範囲内に収まっていも、送信メールデータ、受信メールチャンク、EC2 データの転送については料金が発生する ため注意する必要があります。AWS無料利用枠はAWS のプラットフォーム、製品、サービスを無料で実際に体験することが可能となるサービスとなります。 製品のカテゴリーは分析、コンピューティング、IoT、データベース、ストレージ、サーバーレスなど21種類、100を超える サービスを利用できますので是非申し込んでみて利用することをおすすめします。

では、Amazon SESの料金体系について説明させていただきます。 Amazon EC2でホストされているアプリケーションからのメール送信については、最初の62,000通は無料であり、それ以降1,000通ごとに0.10USDとなります。 追加料金として添付ファイル1GBにつき 0.12USDが発生します。 メールクライアントやその他のソフトウェアパッケージからのメール送信は送信する各1,000通のEメールにつき、0.10USDが必要となり、 添付ファイル1GBにつき0.12USDがかかります。 メール受信は受信する最初の1,000通のEメールにつき0USD、それ以降1,000通ごとに0.10USDが必要となり、1,000通につき0.09USDがかかります。 また、オプションのサービスとして専用IP付与や配信可能性ダッシュボードなどがありこれらを利用すると別途費用が発生することになります。

Amazon SNS(Amazon Simple Notification Service)について

Amazon SESと似ていて紛らわしいサービスが Amazon SNS(Amazon Simple Notification Service)となりますので、その違いについて簡単に説明させていただきます。 Amazon SNSは アプリケーション対アプリケーション(A2A)間と、アプリケーション対個人(A2P)間の両方の通信に使用できる、フルマネージド型メッセージングサービスとなっており その特徴についてもいくつか紹介させていただきます。
Amazon SNSの一点目がSMS、モバイルプッシュ、メールでの通知となります。 Amazon SNSではユーザーに対して直接通知を送信することが可能であり、 200 か国以上への SMSテキストメッセージング、Amazon、Android、Apple、Baidu、Microsoftなど様々なデバイスへのモバイルプッシュ通知、およびメール通知 を実行することが可能となります。 また、Amazon SNSを導入することでメッセージフィルタリングとメッセージバッチ処理による簡素化とコスト削減 が実現できる点も大きな特徴となります。 Amazon SESとAmazon SNSはいずれもメール送信機能を有しておりますが、その違いはAmazon SESはメール機能が中心となる点に対して、Amazon SNSはSMSやモバイルプッシュ通知などあくまでもユーザーに対しての通知を行うための機能が中心となることとなります。

Amazon SES(Amazon Simple Email Service)の導入事例について

Amazon SESの導入事例について紹介させていただきます。 Amazon SESの導入事例の一例目がNetflixとなります。 Netflixは1997年にアメリカで創業され、コンテンツ配信や動画配信を行う企業として 世界トップクラスのシェアを誇る企業となります。 Netflixでは従来は自社で準備したメールシステムを利用していたことで知られておりますが Amazon SESの導入を行ったことで様々なメリットを享受することとなりました。 Amazon SESの特徴である柔軟性があり、手頃な価格で、拡張性が高く、 グローバルなリーチがあり、優れた配信性といった点をビジネスに活用し、さらに業務の生産性を向上させることに成功しました。
Amazon SESの導入事例の二例目がIterableとなります。 Iterableはカスタマージャーニーを設計した上で、チャネルを横断した高度なマーケティング施策を実行できる クロスチャネルマーケティングプラットフォームを提供している企業となります。 リアルタイム顧客エンゲージメントの実現、マーケターが直感的操作、アプリ/Web/メール等クロスチャンネルのキャンペーン設定 AIで配信タイミング/チャネルを自動最適化することなどがIterableの特徴となります。 Iterableが顧客支援の際に欠かせないツールであるメールですが、 Amazon SESを導入し高いパフォーマンスと顧客の満足度を手に入れることが 可能となりました。 IterableはAmazon SESの速度、信頼性、および配信可能性を 利用しクライアントのマーケティング施策を強力にバックアップすることができるようになりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか? Amazon SESについて説明させていただきましたので、 参考にしていただけましたら幸いです。