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サーバ監視とは?

サーバ監視は、Webサーバ・データベースサーバ・メールサーバなどが問題なく正常に稼働しているのかをチェックする「正常監視」および、サーバの稼働に問題が生じた場合に管理者に異常を速やかに報告すると同時に、手順に従って復旧を試みる「異常監視」を行います。拡大するクラウドの利用に代表されるように、サーバの活用も増加傾向にありサーバ監視の求人も増加していくことが予想されます。

一方で、求人数に対するインフラ系エンジニアの絶対数が不足しているのも事実です。経験を積んでキャリアアップしていけば、比較的高収入が期待できる職種でもあるためサーバ監視の求人に興味を持っているエンジニアの方も多いのではないでしょうか?そんなエンジニアの方に向け、具体的なサーバ監視の仕事内容、求人の傾向、キャリアアップに有利な資格などを紹介していきます。

サーバ監視はなぜ重要か?

さまざまなサービスがネットワーク経由で提供される現代では、その中核となる各種サーバの安定稼働が欠かせません。しかし、サーバを構成するハードウェアやデータベース・アプリケーションを含むソフトウェアは100%問題なく動作するものではありません。サーバに異常が発生してサービスが停止してしまえば、金額的な損失やブランドイメージの失墜につながることも考えられます。こうしたリスクを避けるためにも、トラブルをいち早く検知して対処するためのサーバ監視業務が重要になります。

そんなサーバ監視には、エンジニアが常駐して対処する有人監視のほか、システムが稼働状況を監視する無人監視があります。しかし、無人監視はコストを抑えられる反面、アラートの通知、一定条件下でのサーバ再起動などできることが限られてきます。クリティカルな状況に迅速に対処するためにも、有人によるサーバ監視の重要性がより高まっています。

サーバ監視業務がアウトソーシングされる理由

サーバの安定稼働に欠かせない監視業務ですが、自社サーバの監視のみを対象にした求人というのはほとんどなく、多くの企業がアウトソーシングに頼っているのが現実です。これは24時間365日サーバを稼働させるのが当たり前になってきたことが原因です。

24時間365日体制でサーバを監視するとなれば、少なくとも6名程のスタッフによるシフト管理が必要となり、全員をサーバエンジニアで構成すると人件費は膨大です。トラフィックの少なくなる夜間をオペレーターに任せるという手もありますが、それでも監視コストとして一社が負担するのは現実的ではないでしょう。サーバ監視業務をアウトソーシングすれば、人件費を含めたコストダウンが可能になります。

サーバ監視の具体的な仕事内容

一昔前までのサーバ監視は正常監視、およびサービス管理者へのトラブル報告という異常監視までが業務範囲でした。しかし、サーバ監視のアウトソーシングが一般化したことで、管理業務まで踏み込んだ付加価値のあるサービスを提供するケースも増えています。必然的にサーバ監視は、ハードウェア・ソフトウェアの活用を前提とした幅広い業務を担当することになります。

ハードウェア監視

サーバ・ネットワーク機器など、監視対象となるシステムを構成するハードウェアに物理的な障害・故障が発生していないかを監視する業務です。CPUやメモリ・ストレージを含むハードウェアは熱がこもりやすく、高温状態が持続するとパフォーマンスの低下や故障の原因になります。冷却ファンの動作状況や回転数、各ハードウェアの温度を定期的にチェックし必要であればマシンルームの温度を下げるなどの対処を行います。

トラフィック監視

サーバがダウンしてしまうようなアクセスの急増や一時的なアクセスの遮断に対応するため、ネットワークトラフィックを監視する業務です。対応としてはネットワーク機器を増設する、ネットワークを分割するなどがあり、ハードウェアやLANケーブルの状態も監視対象になるためネットワーク監視を兼ねているといえるかもしれません。

死活監視

対象となるサーバが正常に稼働しているか、死活状態を監視する業務です。サーバ監視には欠かせない業務であり、外部からPINGコマンドを定期的に送信し、正常な応答があるかどうかを確認する方法が一般的です。監視専用のエージェントアプリケーションをインストールし、サーバの応答を確認する方法が採用されるケースもあります。

アプリケーション監視

サーバにインストールされているミドルウェア・アプリケーションが正常に動作しているかを監視する業務です。Webアプリケーションの場合は、特定のURLにアクセスして問題の有無をチェックするケースがありますが、イベント情報を監視するログ監視が一般的な方法です。ログ監視は、システムに障害が発生した際の原因や発生時刻の特定にも有効です。

また本来のサーバ監視業務とはやや離れますが、セキュリティオプションを提供している企業もあり、サーバのセキュリティ監視が業務に組込まれる可能性もあります。その場合は、IDS/IPSやファイアウォールのログ監視を行うのが一般的です。

どんな企業が求人しているのか?

サーバ監視のアウトソーシング需要が高まっていることから、サーバ・インフラの運用・監視を専門に請負う企業をはじめ、サーバ・インフラ構築のシステムインテグレーター、システム開発企業、ホスティングサービス企業などさまざまな企業が業界に参入しつつあります。もちろん、求められる知識・経験・スキルなどは、企業が提供しているサービス内容や事業の方針によって異なりますが、サーバ監視業務はこうした企業からの求人が多くなるといえるでしょう。

サーバ監視の求人情報はどこで探すか?

オンプレミスサーバも含めて考えれば、サーバ監視業務にはデータセンター勤務、データセンターと接続されたオフィスでの勤務、クライアント先での常駐勤務という3つのパターンが考えられます。いずれの場合も首都圏や都市部での求人が多い傾向にありますが、勤務パターン以外にも、夜勤・シフト制という特徴があることに留意しておく必要があります。そのうえで、求人情報をどこで探すべきなのかを紹介していきます。

転職サイト・エージェントを利用する

もっとも一般的な方法は、転職サイトや転職エージェントに登録し希望する条件にマッチした企業の求人を探すもしくは紹介してもらうことです。特に転職エージェントであれば、一般公開されていない求人情報を紹介してくれる場合が多く、先方との交渉や面接対策などの転職支援が得られます。近年ではIT関連に特化したサービスを提供しているエージェントも多いため、実績・スキルのあるエンジニアの方には最適です。

ITインフラ企業のWebサイトをチェックする

転職者にとっては大きなメリットのある転職エージェントですが、求人する側の企業にとっては最適な人材をマッチングできるといったメリットがある反面、転職者の年収に応じた成功報酬が必要というデメリットがあります。そのため将来の成長が期待できるものの、まだまだ規模の大きくない企業にとっては大きな負担です。

こうした企業をフォローアップする意味でも、サーバ運用・監視サービスを提供している、ITインフラ企業のWebサイトをこまめにチェックすることは有効な手段の一つです。希望する企業のサービス内容を把握するのにも役立つため、業務内容をイメージしやすくミスマッチの防止や面接対策にも最適です。

未経験者のサーバ監視求人はある?

フリーランスエンジニアの求人も多く、実務経験が重視される傾向にあるサーバ監視業務ですが、未経験者の求人がないわけではありません。もちろん、まったくの未経験であれば障害時の原因特定や一次対応が難しいため、オペレーターとしての正常監視、障害発生時に管理者に報告する異常監視が主な業務になるでしょう。どの企業でもトラフィックの少なくなる夜間をオペレーターに任せる傾向があるため、夜勤が多くなることも考えられます。

しかし、未経験求人でなによりも重視すべきなのは未経験からキャリアアップできる将来性を求人企業に感じられるかどうかです。サーバ監視オペレーターとしての年収は、未経験の場合で250〜320万円程度といわれていますが、実務経験を積んでいってもオペレーターのままでは大幅な年収アップが望めないからです。

サーバ監視のキャリアアップとは?

サーバ監視という同じ業務でも、オペレーターとエンジニアでは内容が大きく異なります。サーバエンジニア・インフラエンジニア・ネットワークエンジニアなどにキャリアアップできれば、業務の幅が広がるだけでなく年収の大幅アップも現実的になり得ます。サーバ構築・インフラ構築といった業務にまで幅を広げられれば、さらに将来的な可能性を広げられるでしょう。

サーバ監視の求人で実務経験が求められることが多いのは、実際にサーバやネットワークに触れ障害の事例や対処方法を学んだ経験が現場で活かせることができるからです。それはエンジニアとしてステップアップするうえでも有効かつ貴重な経験でもあり、サーバ監視業務の魅力でもあるのです。

キャリアアップに有利な資格

それでは、サーバ監視の実務経験を積む以外に、エンジニアへとキャリアアップするにはどうすればいいのか?サーバエンジニア・インフラエンジニアになるために必要な資格というものは存在しません。スキルさえあれば実務経験だけでもエンジニアになることは可能ですが、キャリアアップ、もしくは転職時にアピールできる資格というものも存在します。そのいくつかを紹介しておきましょう。

CCNA

ネットワーク関連機器の世界最大手メーカーシスコシステムズ社が実施するネットワーク技能認定試験で、Cisco Certified Network Associateの略称であるのが「CCNA」です。シスコのルータやスイッチはもちろん、基本的なネットワーク技術を持っていることを証明できる世界共通基準の資格です。サーバ監視の業務にネットワークは付き物であり、それはWindowsサーバであってもLinuxサーバであっても同様です。サーバを含めたインフラ構築にも役立つキャリアアップ・求人募集に有利な資格です。

LPIC / MCP

LPCIとは、Linux Professional Institute Certification(Linux技術者認定試験)の略称であり、文字どおりLinux技術を認定する資格です。サーバOSとして標準的なLinuxのスキル判断として世界標準として認められている資格です。

一方のMCPとは、Microsoft Certification Program(Microsoft認定資格プログラム)の略称であり、文字どおりMicrosoftソリューションの技術を認定する資格です。MCPはグレード・製品別に多数の資格が存在しており、MCSA Windows Server 2019などのソリューションアソシエート資格がサーバエンジニアに最適です。

まとめ

クラウドの活用が進む現代では、プログラミングのスキルが求められるケースもありますが、本来のインフラエンジニアは常にコードに掛かりきりというわけではなく、サーバ監視の業務もまた同じです。高いITリテラシーさえ持っていれば、未経験でも比較的挑戦しやすい業務なのがサーバ監視であり、エンジニアへのステップアップも夢ではありません。興味のある方は是非挑戦してみてください。