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だれもがスマートフォンを持つ現代、一大産業に成長したといえるのがネイティブアプリ・ゲーム市場です。当然のことながら、新たに市場に参入する企業が増えており、ゲームの開発現場で存在感を示す「Unity」を扱えるエンジニアへの需要も急速に高まっています。ゲーム好きの若い世代であれば、Unityエンジニアとしてゲーム開発の仕事に携わりたいと考えているのではないでしょうか?

しかし、Unityが威力を発揮する場面はゲーム開発の仕事だけではありません。Unityに触れたことのない現役エンジニアでも、習得すれば仕事の幅を広げられる、そんな可能性を秘めているのがUnityなのです。そこで本記事では、Unityの特徴や携わる仕事の内容を解説するとともに、求人・案件の具体例、年収・報酬アップのポイントなども紹介していきます。

Unityの特徴

Unityは、ユニティ・テクノロジーズが開発・提供するゲームエンジンです。もともとはMac OS X向けのゲーム開発ツールとして2005年に誕生しましたが、現代のUnityは「2D / 3D描画」「サウンド」「UI管理」「データ管理」「ツール」を備えており、ゲーム開発を中心にした統合開発環境へと進化しています。無償で使える「Unity Personal」のほか、月額税別4,400円の「Unity Plus」月額税別1万6,500円の「Unity Pro」が用意され、ゲーム開発プラットフォームとも呼べる存在です。

マルチプラットフォーム

Unityが幅広く活用される最大の理由であり、特徴でもあるのが、マルチプラットフォームで動作するゲーム・アプリを開発できることです。macOS X、Windows、Linuxなどのデスクトップ向けはもちろん、iOS / Androidなどのモバイルデバイス、PlayStation 3 / 4、Xbox One、Wii Uなどのコンシューマーゲーム機にも対応可能。Unity Web Playerで動作するWebブラウザゲームを開発するのも可能です。パチンコ・パチスロ向けのUnity for 遊技機も2016年にリリースされており、活用できるシーンはさらに広がりつつあります。Visual Studioと併用できるWindowsが中心ですが、macOSで開発環境を構築するのも可能です。

Asset Storeを活用した効率的な開発

Unityには、開発で活用できる無料・有料のアセット(パーツ、モデル)が揃えられた「Asset Store」が用意されており、これらを利用することでモデルをゼロから構築する必要のない効率的な開発が可能になります。大量の3Dアセットが登録されているのはもちろん、2D、オーディオ、テンプレート、ツール、ビジュアルエフェクト、アドオンまで、約1万1,000種類ものアセットが用意されています。

ドラッグ&ドロップの簡単操作

ドラッグ&ドロップのインターフェースが用意されたUnityは、高度な知識がなくても素早くゲーム開発できる特徴を持っており、マルチプラットフォーム対応とあわせて高い人気を誇る要因だといえるでしょう。ただし、プログラミングの知識がまったく必要ないわけではありません。Unityで細部を作り込んでいくには「C#」の知識・スキルが欠かせず、JavaScriptのスキルを求められる場合もあります。Unityで使われるJavaScriptは、通常とやや異なる面もあるため注意が必要です。

大規模コンテンツ開発には不向き

一方、画面に数多くのオブジェクトを表示する、ネットワークゲームが苦手という一面もあり、Unityは大規模コンテンツ開発には向いていないと指摘される場合もあります。ただし、ユニティ・テクノロジーズでもこの課題解決に取り組んでいるのも事実であり、その手始めとして、2020年6月に「Unity 2019.4 Long Term Supported Version」をリリースしています。今後は、大規模コンテンツ開発領域での改善も期待できるでしょう。

Unityエンジニアの仕事

ここまででUnityの持つ特徴を簡単に解説してきましたが、ゲーム開発プラットフォームともいえるUnityの仕事は、やはりゲーム開発が中心になるのは事実です。また、3Dゲーム開発で不可欠といわれた「C」「C++」のスキルを必要としない環境を実現したのも、Unityが幅広く受け入れられた要因です。つまり、Unityエンジニアの仕事は、ゲーム開発、xR開発が大きな柱になるといえます。

ゲーム開発

Unityエンジニアの仕事で、もっともオーソドックスだといえるのは、各プラットフォーム向けのゲーム開発です。具体的には、ゲームクリエイターを中心に組み立てられたシナリオをもとに、Unityを活用しながらプログラミング・コーディングしていく仕事です。もちろん、開発中のゲームをテストしたり、修正作業を担当する場合もあり、リリース後の保守業務もUnityエンジニアの重要な仕事です。

企業や組織によっては、Unityエンジニアにゲーム開発の方向性を見極めるためのデータ収集、解析作業を任せる場合もあり、AIを組み込んだハイエンドゲーム開発では、AIキャラクターの実装を求められる場合もあります。ゲームAIに関連する知識・スキルは、これからのUnityエンジニアに求められる要素となっていくかもしれません。

xR(VR / AR / MR)開発

3Dアセットなどを活用した効率的な開発のできるUnityは、バーチャル技術と非常に相性がいいのも特徴です。そのため、Unityエンジニアには、xRアプリなどを開発する幅広い業界の仕事があります。建造物のインタラクティブ体験などが話題の建築・設計業界のほか、手術の3Dシミュレーションなどに利用される医療業界などでUnityエンジニアの仕事が増えており、教育、人材育成、自動車、ファッション、セキュリティなどの分野でも仕事のニーズがあります。

Unityエンジニアの正社員求人例

それでは、Unityエンジニアの仕事にはどのようなものがあるのか?幅広く活躍したいUnityエンジニアがイメージを描きやすいように、正社員の求人情報をいくつか紹介しておきましょう。ある転職エージェントでのUnityエンジニア正社員求人は、検索時点で263件ありました。

バーチャルカラオケ配信アプリのUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使ったゲーム・スマートフォンアプリ開発経験
・歓迎要件:ユーザー目線で開発できる方
・待遇:正社員、年収350〜700万円

ネイティブアプリ新規開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使ったゲーム開発経験
・歓迎要件:学習意欲の高い方
・待遇:正社員、年収350〜800万円

3Dモバイルアプリ新規開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使った開発経験3年以上
・歓迎要件:3Dゲーム開発経験
・待遇:正社員、年収500〜700万円

ネイティブゲーム新規開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unity / C#の実務経験3年以上
・歓迎要件:グラフィックAPI・プログラミングの知識
・待遇:正社員、年収500〜700万円

Unityエンジニアのフリーランス案件例

Unityのスキルと経験を積んでいけばフリーランスとしても仕事を獲得できるのか?将来的に独立も視野に入れるUnityエンジニアがイメージを描きやすいように、フリーランス案件情報もいくつか紹介しておきましょう。あるフリーランスエージェントでのUnity案件は、検索時点で350件ありました。

カメラアプリ開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使った開発経験2年以上
・歓迎要件:VRアプリの開発経験、UI / UXデザインの実務経験
・待遇:Unityエンジニア、月/〜85万円

スマートフォン向けRPGゲーム開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使った開発経験、ソーシャルゲームの開発経験
・歓迎要件:RPGゲームの開発経験
・待遇:Unityエンジニア、月/〜75万円

コンシューマーゲーム開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使った開発経験、PS4ゲームの開発経験
・歓迎要件:コンシューマーゲームの開発経験
・待遇:Unityエンジニア、月/〜60万円

ビジネスアプリ開発のUnityエンジニア求人
・必須要件:Unityを使った開発経験3年以上
・歓迎要件:PHPを使ったサーバサイド開発の実務経験
・待遇:Unityエンジニア、月/〜80万円

Unityエンジニアの仕事事情とは?

ゲーム開発プラットフォームらしく、正社員求人・フリーランス案件ともゲーム開発が多いのがUnityの仕事事情ですが、VRをはじめとしたxRアプリ開発の求人・案件が少なくないのもわかります。ITエンジニアの正社員求人が約8,400件、フリーランス案件が約1万1,000件あることを考えれば、Unityエンジニアにはそれぞれの約3%にあたる充分な仕事があるといえ、働き方を問わない活躍が期待できそうです。

Unityエンジニアの年収・報酬

Unityエンジニアは、比較的高額な年収・報酬が期待できるのも魅力でしょう。一般的に、Unityエンジニアの平均年収は約500万円だといわれていますが、実務経験1年未満だと約300万円程度である反面、経験を積んだエンジニアで約800万円と、スキル・経験次第で高額年収が見込めます。これは正社員求人の報酬例を見ても妥当だと思えます。

フリーランス案件に関しても、Unityエンジニアの報酬単価は高値安定傾向にあります。70〜80万円台の案件が多いようですが、60万円以下や90万円以上の案件は少なく、ゲーム・アプリ開発問わずに、どのような案件でもUnityエンジニアの報酬相場は安定しているといえるでしょう。

Unityエンジニアが年収・報酬を上げるには?

会社員・フリーランスともに、給与・報酬面で比較的恵まれているといえるUnityエンジニアですが、さらに自らの価値を高めて高額年収・報酬を獲得するにはどうすべきでしょうか?ゲーム・アプリ業界の実務経験を積んで、Unityのスキルを磨いていくのが大前提となりますが、いくつかのポイントを紹介していきます。

マネジメント職を目指す

Unityエンジニアの方は、ゲームを作りたくて業界に飛び込むというケースが多くなるようですが、その分、開発を統括するマネジメント人材は比較的少ないのが実情です。ゲーム・アプリ作りのマインドを持ちつつも、工程・スケジュール管理、クライアントとの折衝ができるプレイングマネージャー的な存在になれれば、多くの企業で重宝されるでしょう。ゲーム開発を極めたいのであれば、ゲームクリエイターを目指すというキャリアパスも考えられます。

xRのスキルを磨く

ゲーム・アプリの主流は3Dですが、今後さらに需要の高まるxRのスキルを磨いておけば、ゲーム業界だけでなく、あらゆる業界から求められるUnityエンジニアになれます。特にVRに関連する需要は高まりを見せており、年収2,000万円を稼ぐVRクリエイターもいるといわれています。

まとめ

効率的な開発を含めたさまざまなメリットで、ゲーム・アプリ開発の主流に上り詰めたUnityですが、あくまでもゲームエンジン・開発プラットフォームであるのも事実です。フレームワークに流行り廃りがあるように、UnityとC#にだけ秀でていたのでは時代の流れが急変したときに仕事を失ってしまいかねません。xRを含めた幅広い仕事があるのがUnityの魅力ですが、エンジニアとしての知識・スキルの幅を広げておくのも重要です。