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書類選考・面接で重視される職務経歴書

転職活動で最初のハードルは書類選考です。人事担当者が判断する材料となるのは応募書類です。応募先企業に自分を理解してもらうための重要な資料ですが、転職経験がない場合などは書き方がわからない場合もあるでしょう。そんなエンジニアの方に向け、「職務経歴書はどのように書けば良いのか?」をテンプレートの活用方法と同時に解説します。

採用担当者に「この人と会ってみよう」と思わせるポイント

職務経歴書は応募者が自社に最適な人材かどうかを人事担当者が判断するための重要な資料です。履歴書と似ているように思われるかもしれませんが、それぞれ役割が異なります。その人がどのような仕事をしてきた人なのか?どんな結果を出せる人なのかをアピールできる文書であるため、人事担当者は記載された内容を見ては面接するかどうかを判断します。そのため、人事担当者が「会ってみたい」と思う内容を書くことが重要です。

応募先の企業に応じた戦略を練る

応募先企業はどのような人材を求めているのかを考えてみましょう。そして、その仕事にはどのような能力が必要とされるのかも想像してみましょう。求められていないことをアピールしても人事担当者の心には響きません。自分が持っているスキルや経験が、応募先の企業にとってどのように役立つのかを想像できるような書き方が必要になります。

たとえば、求められる人材像に当てはまりそうなキーワードを盛り込むなどはひとつの方法です。Webエンジニア職であれば、Java、PHP、C++などのプログラミング言語を盛り込んでおく、プロジェクトマネージャー、データベーススペシャリストなどの資格を記載しておくなどが考えられるでしょう。

読みやすさを心がける

自己アピールは大切ですが、最終的に大切なのは「相手によって読みやすい」かどうかです。貴重なスキルや立派な経歴を書いたとしても、担当者の目に止まらなければチャンスはやって来ません。できるだけ簡潔に自己アピールをまとめ、読みやすさを重視して作成すると良いでしょう。

職務経歴書のスタイル

文房具店などで購入できる用紙は書式が様々です。実は共通フォーマットというものがありません。作成に難しさを感じてしまう方が多い理由はここにあります。とはいえ、代表的な書式テンプレートといえるものは3つに絞る事ができます。具体的に解説します。

逆編年体式

「逆編年体式」は直近の職歴や経歴から、時系列をさかのぼって記載する書式のことです。日本と比べ、転職することがより一般的なアメリカではもっとも一般的な書式であり、日本での利用も一般化しつつあるメジャーな書式です。最も新しい職歴と経歴を採用担当者に見てもらえるので、直近の実績や一番最近身につけた能力などを転職活動のアピール材料にしたい場合は逆編年体式は最適な書式だと言えるでしょう。雛形もネット上で比較的簡単に探すことができるので、実際の用例などを調べることが可能です。

キャリア式

「キャリア式」は過去に経験した職務の内容や実績について、経験してきた職務や職種ごとにまとめて記載する書式です。これまでにどんな成果を挙げてきたか、どんなスキルを保有しているのかをアピールしやすく、エンジニアを含む技術職・専門職に最適です。転職回数が多いという方にも有効でしょう。「キャリア式テンプレート」で多数の記入例を検索できます。

編年体式

逆編年体式と反対に、もっとも古い経歴から順番に職歴を記載していく書き方が「編年体式」と呼ばれる書式です。日本で広く使われてきた書式で、一般企業を中心に多く利用されています。最後まで目を通さないと現在の職歴・能力がわからないため、転職回数の少ない方は時系列を追って自己アピールを書くことが可能です。「編年体式テンプレート」で多数の記入例を検索できます。

記載すべき項目

Webで検索できる書式テンプレートを見てもわかるように、職務経歴書にはさまざまな書き方がありますが、忘れずに記載しておかなければならない項目が存在するのも事実です。 新しく働こうとする企業に対して実績をアピールすることは当然大切ですが、あまりに長過ぎると逆効果です。経験した職務や職種が多い場合でも、可能な限り要点をまとめてコンパクトで読みやすい内容で作成すると良いでしょう。

職務概要(要約)

個々の経歴をまとめる形で重要となるものを中心に、3〜5行でこれまでの職歴を簡潔にまとめます。応募者のスキル・経験が自社にとって興味深いものかを人事担当者が判断する項目でもあるため、自分の強みや熱意が伝わるように工夫することが重要です。応募先企業に応じた戦略が活かせる項目だともいえるでしょう。

職務経歴

これまでの職務経歴を記載する項目です。「逆編年体式」「編年体式」であれば、以下の勤務先情報から実績までを勤務先ごとにひとつにまとめ、時系列に沿って順番に記載していきます。「キャリア式」であれば、これまでの略歴をまとめて記載します。それぞれ勤務先ごとの「勤務年月」「勤務先名」を省略せずに正確に記載する必要があります。

勤務先情報

勤務先の事業内容や年商・従業員などの規模、所在地、設立年などを記載する項目です。会社名が記載されているだけでなく、人事担当者が具体的な業務内容をイメージしてもらうためにも、しっかりと記載しておくのが重要です。

「キャリア式」であれば、ヘッダに職務内容やプロジェクトを記載したうえで、勤務先名・勤務先情報を併記します。たとえば、PMとしてプロジェクトを成功させたキャリアをアピールしたいなら、プロジェクト名をヘッダにして参加時の勤務先名・情報を併記するといいでしょう。

所属部署・役職

勤務時・プロジェクト参加時の所属部署や当時の役職を記載する項目です。リーダーやマネージャーとしてチーム・部署をまとめていたというのはアピールポイントになります。率いていた部下の人数も含め、具体的に記載しておくべきでしょう。もちろん、会社規模が小さく部署が分かれていなかった、もしくは役職についていなかった場合は省略しても問題ありません。

職務内容

職歴ごとの具体的な仕事内容を記載する項目です。応募先企業にあわせた戦略をもっとも活かしやすい項目でもあるため、キーワードを散りばめる、アピールポイントを箇条書きで簡潔にまとめるなどの工夫が重要です。社外秘情報でなければ、取引先の具体名などを盛り込むのも効果的です。役職がなくてもマネジメント経験があるなら、どんな小さなものでも記載しておくのもアピールになります。

実績

在職中勤務先企業にどのような利益をもたらしたのか、これまでの業務で成し遂げた結果や実績を記載する項目です。実績を記載する時に気をつけたいのが「具体例を明示して記載する」ということです。抽象的な表現やぼかした書き方では「実際にどのような結果だったのか」がわからないため、人事担当者は判断に困ってしまいます。ひと目見てわかりやすい書き方、例えば具体的な売上金額や実現・改善した利益率、獲得した新規取引顧客数などを数字で記載するのがいいでしょう。

保有資格・スキル・使用ツール・語学

自身がどのようなスキル・資格を保有していて、応募先企業にどんな価値を提供できるのかを記載する項目です。この項目でも相手に合わせた書き方を心がけましょう。相手が求めている可能性が高いスキルや資格を見やすい位置に記載するなどの工夫をしてみるといいでしょう。単純に保有スキル・使用ツールを記載するのではなく、PHP・Javaをコーポレートサイト制作で活用など、具体的な記載をしておくのが効果的です。

志望動機

既に志望動機を記載してあるなら繰り返して盛り込む必要はありませんが、履歴書を補足する形で記載しておくのも悪くありません。ただしどちらにも記載する場合は、まったく同じ内容にならないように、かつ矛盾が生じないよう注意しましょう。

自己PR

応募する企業ごとに練った戦略を最大限活用したいのが自己PRの項目です。すでに保有する資格や使ったことのあるツールなどはアピールされているため、それを活用して応募先にどんな価値を与えられるのか、どのように貢献していけるのか、それまでに書き切れなかったことを補足しながら、考え方や熱意を全面に押し出していくべきでしょう。

応募書類は手書きで作るべき?

ここまでで、アピールできる職務経歴書の書き方・留意しておくべきポイントを解説してきました。もしかしたら、熱意がより伝わるように、書類は手書きで作成すべきではないか?と考える方もいるかもしれません。しかし結論からいえば、書式テンプレートを活用しながらPCで作成するのがオススメです。

たしかに手書きは熱意が伝わりやすいとも言われていますが、間違えた時にははじめから書き直しになってしまいます。場合によってはPC操作が苦手なのではないか?と思われてしまうリスクもあります。Webで公開されているテンプレートを活用して自分なりの雛形を作っておけば、提出先に合わせたアレンジもしやすくなります。

まとめ

決められたフォーマットのない職務経歴書の作成は、苦手意識を感じてしまう方も少なくないかもしれません。しかし書式テンプレートを活用しながら、ポイントを押さえた手順で進めれていけば、決して難しいものではありません。応募企業ごとに戦略を練り、要点がつかみやすいよう読みやすく仕上げることが大切です。エンジニアのアピールには逆編年体式・キャリア式が有効といったことを念頭に、是非チャレンジしてみてください。