支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


はじめに

アイキャッチ

Ubuntu(ウブントゥ)はご存知ですか?Ubuntu(ウブントゥ)とは、有志コミュニティにより開発されている人気の高いLinuxディストリビューションです。

  • 長期サポート版のLTSだと5年間のセキュリティアップデートがある
  • 日本語環境も用意されている
  • サーバー用途では軽量、デスクトップ用途でもメモリ1GBから動作可能
  • 情報が豊富で検索しやすい
  • と、ユーザーにも初心者にも優しい仕様になっています。

    当記事ではMacにVirtualBoxを利用してUbuntuを導入するまでを解説していきます。

    UbuntuをVirtualBoxで導入する

    目次

    1. Ubuntuをダウンロード

    Ubuntu

    Ubuntu 20.04 LTSデスクトップ版をダウンロードページ(https://jp.ubuntu.com/download)よりダウンロードします。 一般的なPCにインストールする場合は、「ubuntu-20.04-desktop-amd64.iso」を選択しましょう。

    2. VirtualBoxのダウンロード/インストール

    VirtualBox

    VirtualBoxのダウンロードページ(https://www.virtualbox.org/wiki/Downloads )にアクセスし、「OS X hosts」をクリックします。今回は最新のVirtualBox6.1.10をダウンロードします。
    ダウンロードされたファイルをクリックし、インストールウィザードに沿ってインストールします。完了したら「閉じる」をクリックして終了します。

    インストールウィザード1 インストールウィザード2 インストールウィザード3 インストールウィザード4 インストールウィザード5

    VirtualBoxがインストールできました。

    3. VirtualBoxで仮想マシンを作成する

    アイコンをクリックし、VirtualBoxを起動します。

    インストールウィザード5

    ※筆者の環境では既にVirtualBoxをインストール+仮想マシンの作成をしていたので既に仮想マシンが存在していますが、初回インストール時は何もない状態です。

    それでは仮想マシンを作成しましょう。「新規」をクリックします。

    新規作成

    今回は「名前」を「Ubuntu 20.04 LTS」、「タイプ」を「Linux」、「バージョン」を「Ubuntu(64-bit)」としました。

    入力

    それでは「続き」をクリックして次に進みます。

    メモリ1

    ここでは仮想マシンに割り当てるメモリの容量を設定します。今回は「8192MB」としました。
    ※メモリーサイズは1024MB以上推奨です。ご自身の環境に合わせて設定しましょう。

    メモリ

    ここからは基本はいじらずデフォルトのまま「続き」をクリックしていきます。

    ハードディスク ファイルタイプ ハードドライブ

    ※仮想マシンのハードドライブを可変サイズ/固定サイズにするかを選べます。今回はデフォルトの可変サイズにしましたが、固定サイズの方が高速なので容量に余裕がある場合は「固定サイズ」がおすすめです。

    ファイルサイズ1

    仮想マシンのファイルサイズを「20GB」と設定し、「作成」をクリックします。

    ファイルサイズ2

    これで仮想マシン「Ubuntu 20.04 LTS」を作成できました。

    Ubuntu 20.04 LTS

    仮想マシンの設定変更

    「設定」→「システム」に移ります。

    システム

    「システム」から「マザーボード」タブの「チップセット」を「ICH9」に変更します。

    ザーボード

    次に「ディスプレイ」に移ります。

    ディスプレイ1

    「ビデオメモリー」を「128MB」、「表示倍率」を「200%」と設定し、「OK」をクリックします。

    ディスプレイ2

    設定が変更されているのが確認できます。

    設定変更

    4. 仮想マシンにUbuntuをインストール

    仮想マシン「Ubuntu 20.04 LTS」を起動します。

    初回起動時は以下のメッセージが出ます。起動ハードディスクが「ubuntu-20.04-desktop-amd64.iso」になっていることを確認して「起動」をクリックしましょう。

    初回起動時

    読み込みが始まると以下のような画面になります。

    読込

    読み込みが終了したら「Install Ubuntu(Ubuntuをインストール)」をクリックし、PCのストレージにインストールします。
    ちなみに「Try Ubuntu(Ubuntuを試す)」ではインストールせずにUbuntuのデスクトップを試用できます。

    インストール

    通常の日本語キーボードを使っているので、左右どちらも「Japanese」を選んで「続ける」をクリックします。

    キーボード

    「Normal installation(標準インストール)」を選ぶと、LibreOffice、ビデオ(Totem)、写真管理(Shotwell)、バックアップ(Déjà Dup)などのデフォルトアプリがインストールされます。基本はこちらを選択しましょう。

    「Minimal installation(最小インストール)」を選ぶと、Firefox以外のデフォルトアプリの多くはインストールされません。インストール後でも追加できるので、こちらを選択しても問題ありません。

    「Download updates while installing Ubuntu(Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする)」は、インターネットに接続されている場合はデフォルトでチェックが入ります。インストール中にアップデートがダウンロードされ、セキュリティホールやバグが解消された状態で使い始めることができます。

    「Install third-party software for graphics and Wi-Fi hardware and additional media formats(グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする)」にチェックすると、商用のドライバやデコーダーなどもインストールされます。基本はチェックを入れることをお勧めします。

    アイキャッチ

    仮想マシンにOSが登録されていないので、以下のように表示されます。※他のOSが見つかった場合デュアルブートに設定することもできるようです。

    アイキャッチ

    「Erase disk and install Ubuntu(ディスクを削除してUbuntuをインストール)」を選択し、「Install now(インストール) 」をクリックして次に進みます。

    アイキャッチ

    タイムゾーンの設定画面です。「Tokyo」を選択し次に進みます。

    アイキャッチ

    ユーザー情報を設定します。名前、コンピュータの名前、ユーザー名、パスワードをそれぞれ入力します。
    ※名前、コンピュータの名前、ユーザー名は半角英数字とアンダーバーのみ使用でき、先頭文字に数字は使用できないので注意しましょう。

    「Login automatically(自動的にログインする)」「Require my password to log in (ログイン時にパスワードを要求する)」が選べますが、セキュリティ面で考えると「Require my password to log in」が良いでしょう。 全て入力し終えたら続けるを選択します。

    アイキャッチ

    インストールが開始されます。

    アイキャッチ

    インストールが完了すると以下のメッセージが表示されます。システムを再起動するように言われるので「Restart Now(今すぐ再起動)」を選択しましょう。ここまででUbuntuのインストールは完了です。

    5. Ubuntuの初期設定

    ログイン画面

    再起動するとログイン画面が表示されます。ユーザー名をクリックします。

    パスワード入力

    パスワード入力画面が開きます。

    ログイン

    「4. 仮想マシンにUbuntuをインストール」で設定したパスワードを入力し、Enterキーを押すとログインできます。

    アイキャッチ

    「Connect Your Online Accounts(オンラインアカウントへの接続)」ページが表示されます。

    各項目をクリックして設定することで、Ubuntuから各オンラインサービスを利用できるようになります。設定せず右上の「Skip」を押して次のページに進むこともできます(アカウントを設定すると、ボタンが「Next」に変化します)。なお、オンラインサービスへの接続・接続解除は設定からでいつでも変更できるので、ここでスキップしても問題ありません。今回はスキップします。

    Connect Your Online Accounts

    「Livepatch」の設定ページが表示されます。設定すると、通常なら再起動が必要なアップデートパッチを再起動なしで利用できます。アカウントを登録すると3台まで無料で利用できます。毎日電源を切るPCなら設定の必要はありませんが、サーバーとして24時間動作させる場合であれば設定すると便利です。 「Livepatch」もここで設定しなくても、設定からいつでも変更可能です。

    Livepatch

    「Help improve Ubuntu」の設定ページが表示されます。システムに関するデータや使用状況を、Canonical社に送信するかどうかの設定です。Ubuntuの改善に協力するなら、「Yes」のまま「Next」をクリックしましょう。

    privacy

    プライバシー設定では、「位置情報サービス」のオン・オフが設定できます。

    セットアップ

    初期設定アプリを閉じたら、セットアップは完了です。 ※この初期設定アプリが自動で起動するのは、初回ログイン時のみです。

    6. Guest Additionsのインストール

    上部メニューバーの「デバイス」→「Guest Additions CDイメージの挿入」をクリックします。

    Guest Additions CDイメージの挿入

    以下のメッセージが表示されるので「Run」をクリックします。

    メッセージ

    パスワード入力画面が表示されます。

    ログイン画面

    「4. 仮想マシンにUbuntuをインストール」で設定したパスワードを入力し、Enterキーを押下します。

    パスワード

    処理が始まりました。

    処理中

    以下のように「Press Return to close this window...」まで表示されたらインストール完了です。

    処理終了

    Enterキーを押下してウィンドウを閉じましょう。

    インストール完了

    仮想マシンを再起動し、「表示」→「ゲストOSの画面を自動リサイズ」にチェックが入っていることを確認します。

    リサイズ

    これで以下のように画面がリサイズされるようになっています。

    リサイズ1 リサイズ2 リサイズ3

    Guest Additionsをインストールすることで、画面のリサイズでだけでなく、

  • オートログオン
  • 共有フォルダ
  • クリップボードの共有
  • ホストOSとの時刻の同期
  • マウス操作のシームレス化
  • の機能が使えゲストOSを便利に使えるようになります。是非インストールしておきましょう。

    おわりに

    今回はMacにVirtualBoxを利用してUbuntuを導入するまでを解説してきました。UbuntuはLinuxディストリビューションの中でも特にユーザーに優しく初心者向けなので、 「Linuxの概要はなんとなく分かっている」「とりあえずLinuxを使ってみたい」方におすすめです。動作が軽く、操作も分かりやすいので普段使いにも活用できます。是非一度使ってみてください。