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メーカー系Sierとは?Sierの概要と併せて解説します!

そもそもSierとは?

SIer(エスアイアー)とSystem Integrator(システムインテグレーター)を略したもので、顧客が求めるシステムを導入・開発・提供する企業の事を指します。SIerは様々な呼び方をされており 、"SI企業" や "SIベンダー", "ITベンダー"とも言われています。SIerの呼ばれ方は色々とありますが、システムインテグレーションという言葉が基となっています。そしてシステムインテグレーションとは、システムやプログラムを構築する際に、ユーザーの業務を把握・分析し、課題を解決するようなシステムの企画、構築、運用サポートなどの業務をすべて請け負うことであり、これらを行う業者がSIerなのです。

IT業界の多重下請け構造

Sierは、ピラミッドのような多重になった階層構造を持つ「多重下請け構造」である、と言われています。初めに1次請けやプライムと呼ばれる、お客様と直接システム開発契約を結ぶ企業があります。Sierの中でも大手のNTTデータ・CTC・TIS、コンサル系の野村総合研究所・三菱総合研究所、メーカー系の富士通・日立・NEC・東芝などがあります。これらの企業は土木・建設業界にならって、ITゼネコンとも呼ばれています。その下に、1次受けから業務を受ける2次請け企業があります。これには、1次請けのグループ企業や独立系の中堅SIerが該当します。そして、さらにその下に3次請けとなる中小のSIerが存在しています。最終的には、その下に7次請けくらいまで存在していると言われており、IT土方とも呼ばれています。

この多重下請け構造は企業が低予算で受注し、働くエンジニアが長時間労働を強いられてしまったり、直請け、下請け、孫請けに行くにつれて報酬が減り、エンジニアの給料も低くなったりという問題点を孕んでいるのですが、大規模なシステムの開発には数百人、もしくは千人規模のエンジニアが必要なことになり、一つの企業だけでは実現しにくい人数となります。そのような大規模なシステムでも、中小企業などが開発に関わり、報酬を得るということは大きなメリットであると言えます。また、報酬は納品後に支払われるため、エンジニアの給料などは報酬を受ける前でも支払わなければならない為、プロジェクトは頓挫した時には、大赤字となってしまいます。これでは、ユーザー企業もSierも大規模なシステムを開発するというのは勇気のいる決断となってしまいます。しかし、大手企業の資本力をもとにプロジェクト開発を行うことで、大規模なシステムも安心してユーザー企業が発注できるのです。

メーカー系Sierとは?

今回は、Sierの中でも、メーカー系と呼ばれるSierについて紹介していきます。

最初に注目したいSIerはメーカー系SIerです。メーカー系とはパソコンメーカーなどの情報処理部門やソフトウェア開発部門から独立した会社のことを指します。IT企業といえばこのようなパソコン関連の企業をイメージする人が多いのではないでしょうか。日立ソリューションズなどの日立系や、NECシステムテクノロジーなどのNEC系もこのメーカー系SIerにカテゴライズされます。親会社の下請け業務のイメージが強く、実際に扱う業務の中でもそれが多いですが、自社の営業が受注してくる仕事をこなす場合もあります。メリットとしては、大手の企業のシステム部門ということもあって、好待遇でありながらも案件が安定してあり、福利厚生が親会社と同じものを受けられるという企業も多いです。開発プロジェクトのたびに勤務先が変わったりするという可能性も非常に低いSIerだといえます。自社のプロダクトも多く、取引先も多いため幅広い経験を積むことができます。最近ではAmazonのAWSと中心としてクラウドサービスが普及しており、メーカー系SIerは売上が上がりにくくなっている傾向にあります。しかし、銀行やトヨタ自動車などの大企業では今後もオーダーメイドの開発が求められるため衰退しているというわけではないでしょう。特に大手のメーカー系SIerでは品質・価格・納期のプロジェクト管理力が高いため、プロジェクトの経験を積むにはお勧めです。

その他のSier

メーカー系以外のSierには、以下のようなものがあります。

・ユーザー系Sier…一般企業の情報システム部門から独立した企業

・外資系Sier…海外企業の資本で設立されたSIer

・独立系Sier…親会社がいなくて独自の経営をしているSIer

・コンサル系Sier…経営戦略に沿った形でのIT技術の提案やシステム導入の提案を行うSIer

まとめ

いかがでしたでしょうか。Sierについての概要とともに、メーカー系Sierについても紹介してきました。大手メーカーから独立したメーカー系はエンジニアとしてのスキルを磨くにピッタリです。