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はじめに

転職活動時に会社説明会やオンライン説明会、座談会等に参加したことがある方のほとんどは、会の終盤あたりで「何か質問はありますか?」と聞かれる場面に遭遇していることでしょう。またその際に疑問に思っているものの、こんなことを聞いていいものか、マイナスイメージが付くのではないか等と迷った経験がある方もいるのではないでしょうか。この記事ではそういった質問をする場面での最低限のマナーや、質問内容について紹介していきます。

質問時のマナーと注意点

企業によっては自社をより知ってもらおうと、採用面接の前に会社説明会や座談会の場を設けることがありますが、そのスタイルは様々です。多くの企業が集まる就職・転職イベント、自社内で実施する全体説明会、大学に出向いて実施される説明会、オンラインでの説明会等があり、興味を持った企業を詳しく知れる絶好の機会となります。せっかくの機会なので、説明を聞くだけではなく疑問や不明瞭に感じたことは積極的に質問した方が、後々自分のためとなります。

これらのイベントはもちろん直接選考に影響が出るということはないと言えますが、あまりにも企業側に悪い印象を与えるようなことがあれば、本来は有用となるはずの会社説明会への参加がかえって仇となってしまう可能性もあります。悪い印象というと、話を聞くような態度でなかった、説明中に寝ていた、暴言を吐いてしまった等、余程のことをしていない限り大丈夫だろうと思いがちですが、意外と何気ない対話や質問した時の対応も判断材料になっている場合があります。会社説明会の詳細に選考基準にはならないと明記している場合もありますが、人間同士のコミュニケーションにおいて態度やマナーが悪かった際に悪い印象を抱くのは当然のことで、決して企業側が嘘をついているわけではありません。マナーはどんな場面でも必要となります。本題から逸れるため社会人としてのマナーについては今回省きますが、質問時において気をつけておくべきマナーについて次に挙げていきます。

まずは名乗りですが、基本的に学生であれば大学名と名前、社会人であれば名前と前職種程度を述べておけば問題なく、自己紹介のように長々と話す必要はありません。またたくさんの人がいる前で発言することに慣れておらずに尻込みして、声が小さくなってしまったり、噛んでしまったりということがあるかもしれませんが、自信を持ってハキハキと、自分が思っているより大きめの声で発言した方が好印象となる可能性が高いです。

次に質問の仕方ですが、質問は簡潔に、相手が質問の意図を理解しやすい内容で投げかけましょう。自分が何を質問したいのかいまいちわからない状態で質問してしまうと内容ががぼやけてしまったり、質問が長くなってしまったりして、相手が何を回答していいのかわからないだけでなく、最悪の場合、仕事で報告等をする時も同じようになるのかと疑われかねず、良い印象にはなりません。そのため疑問に思ったことをそのまま質問するのではなく、一度自分の中で整理したうえで行うことを心がけましょう。また一度に複数の質問を投げかけるのはなるべく避け、どうしても2つ以上質問したい場合は、はじめに「2点お聞きしたいことがあるのですが」等と断ってから話し始めることをおすすめします。回答をもらったら最後に必ずお礼を言いましょう。

なお、やってはいけないこととしては、企業側に同じことを2度回答させないという点が挙げられます。スムーズに質問しようとあらかじめ内容を考えていることは良いとして、説明の中ですでに回答があったにもかかわらず誤って質問してしまう、他の参加者の質問を聞いておらずに同じ質問をしてしまうということは避けなければなりません。企業のホームページや求人詳細を見ればわかるようなことも質問は避けるべきと言えます。さらに大勢が参加している会社説明会の場では、その他参加者に全く有益とならない質問は避け、個人的な質問がある場合は、個別でやり取りする際や面接の場等で別途行いましょう。また例えば「業務は辛いですか?」等、仕事に消極的だという印象を与える質問を直接的にしない方が良いです。もちろん企業の現状や、どういったスケジュールの1日になるのかということを知りたいのは当然のことなので「○○部門の1日の流れはどのようになりますか?」「業務におけるやりがいを感じる場面、辛いと感じる場面はどんな時ですか?」のように聞き方を変えれば問題ありません。

以上が質問する際の基本的なマナーについてでした。次に会社説明会等の場面で適切となる具体的な質問例について、5つのカテゴリー別に紹介していきます。

事業(業界)や業務内容に関する質問

事業に関する質問としては「競合他社と比べて差別化できる点や強みはなんですか?」「変わりゆく業界トレンドの中で今後どのようにアプローチしていく方針でしょうか?」等が考えられます。あらかじめホームページ等の情報には目を通したうえで、調べきれなかった部分、見えなかった部分について質問しましょう。業務に関する質問としては「平均的な1日のスケジュールを教えてください」「どのような業務がありますか?」「入社後の研修について教えてください」「仕事をする中で大切にしていることはありますか?」「やりがいは何ですか?」等が考えられます。

社風についての質問

社風に関してはホームページや求人情報から知ることは難しく、面接という限られた時間の中でも見えてこない部分がほとんどです。その点、会社説明会は社風を知れる良い機会となるので、実際に働いている社員に対して社風に関する質問をするのはおすすめです。「入社してわかった御社の良い点を教えてください」「定着率はどの程度でしょうか?」「御社の特徴的な社風はありますか?」「社員同士のコミュニケーションのついてはどのようにお考えでしょうか?」「上下関係に何か特徴はありますか?」等が考えられます。

キャリアについての質問

「私は翌々○○になることを目指していますが、御社の場合のキャリアパスを教えていただけますか?」「○○になるには何年程度の経験が必要になりますか?」「入社するまでの間に取得しておくと役立つ資格やスキルはありますか?」「社内でのキャリアチェンジについてはどうお考えでしょうか?」「社内でのキャリアチェンジについて特別な制度等はありますか?」等があります。

求める人物像に関する質問

会社説明会に参加して入社したいと思った場合、どうしたら採用してもらえるかをぜひその場で聞いておいて役立てたいものです。質問としては「御社(あるいは○○部門)にはどんな人物像が相応しいと考えられますか?」「御社で働いている方にスキルや性格等の共通点はありますか?」「印象に残った採用活動のエピソードはありますか?」等が考えられます。

福利厚生についての質問

福利厚生に関しては事前に確認できる情報である場合が多いので、関連する質問をする際は、本当に把握できない情報だったかの確認を怠らないようにしましょう。また一風変わった休暇等が存在している場合、どういった場合に利用できるのか、実際に活用されているのかという点が外からは見えないことが多いですが、特徴的な制度への言及は社風の確認にも繋がるので、質問の時間が与えられた場合はぜひとも聞いておきたいものです。なお福利厚生については、有給消化や育児休暇、残業時間、転勤の有無等、聞き方によっては休みのことばかり気にしているというようにネガティブに捉えられかねない部分でもあるため、「働き方改革が推奨されて以降、残業時間削減に関して御社で取り組んでいることはありますか?」とポジティブな質問内容に変換したり、「○○というキャリアプランを考えているのですが、その場合転勤の可能性はあるのでしょうか?」と聞きたい理由を付け加えたりすると良いでしょう。また資格習得に関する支援や、インセンティブ、社内イベント等に関する質問も考えられます。

まとめ

就職・転職活動は決して企業側だけが選ぶような関係性ではなく、活動している側も企業を選ぶこととなります。就職希望先を適切に選ぶためには会社説明会等の場で質問をして疑問を解消させることが欠かせないので、最低限のマナーを身につけたうえでぜひ積極的に質問していきましょう。なお会社説明会を主催している側からすれば質問が皆無であるよりも、質問してくれた方が基本的には嬉しいものですが、中身のない質問を無理やりしても他の参加者や主催者を巻き込んで無駄に時間を費やすこととなります。何を質問していいか迷った際は、ぜひこの記事の質問例を参考にしていただけると幸いです。