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そもそも「お礼状」とは何か?

「お礼状と書かないと」「お礼状を準備しておいて」と言われたことがある方もいるでしょう。特にビジネスの場で取引先からお世話になった時や贈答品などを頂いた際、上司や先輩などから言われたことのある方も多いと思います。またプライベートでもお祝いを頂いた後に「お礼状を出さないと」と周囲が言っていたりしたこともあるでしょう。

ではそもそも「お礼状」とはどんなものなのでしょうか?

「お礼状」はその名前が表すように、誰かから何かをしてもらったことに対して、感謝を伝えるために書く手紙や書面のことを言います。「お礼状」「御礼状」と両方の表記がありますが、どちらも正しいとされており、どちらで表記しても構いません。

「お礼状」はどんな時に書くのか?

「お礼状」を書くのはどんな時なのでしょうか?

一般的な社会生活の中で「お礼状」を書く時は比較的パターンが決まっています。

ビジネスの場においては、お世話になった取引先や引退する社内の上司や先輩に対して。さらには取引先からのお中元・お歳暮を頂いた際や、冠婚葬祭などで便宜を図って頂いた時などに書くことが多いです。

プライベートにおいては、基本的には自分が「お世話になった」「助けてもらった」と感じる相手に感謝の気持ちを込めて書くことが多いです。お礼状を書くことは義務ではありませんが、特に現代では日常的なやり取りがメールやLINEなどデジタル化していることが多く、実際に書面のやり取りをすることが減っています。そのため、お礼状を書いて相手に届けるということは「正式な形でお礼を伝えた」ことを表明することにもなるのです。

お礼状を書く時はに気をつけたいのは、贈答品を頂いた時などはできれば翌日〜2日以内に書くのが望ましいということです。1週間以上たってしまうと先方も気にしなくなってしまうことがありますし、あまり遅くなってからお礼状が届いた場合、相手に「お礼状を送ってくるのがこんなに遅いなんて」と逆効果の印象を与えてしまうことにもなりかねません。

お礼状はその名の通り「お礼を表明するためのもの」ですから、お礼を伝えるのは早ければ早いほうが望ましいとされています。

「お礼状」の書き方とは?

「堅苦しい」と感じることがあるかもしれませんが、お礼状は「正式な形で感謝を表明する書面」です。

そのため、長い歴史の中で積み上げられてきた「お礼状の書き方・型」がありますので覚えておくといいでしょう。

「ハガキ」ではなく「手紙」が望ましい

一般的に、お礼状を書くときは「ハガキ」ではなく「便箋と封筒」を使った手紙の形で書くことが望ましいとされています。特に目上の方に対しては手紙の方が望ましいとされており、ハガキで目上の方にお礼状を送るというのは避けるべきです。

ハガキよりも手紙の方が良いとされている理由の一つに「ハガキではどんな内容なのか他人にも読まれてしまう」ということがあげられます。

世の中には様々な立場の人がおり、仮に自分と相手との関係性が親しいものであったとしても、相手の周囲にはどれほどの親しさを伴った付き合いなのかを知られるべきではないという場合もあります。お礼状を送る・送られるということは「顔見知り」や「知り合い」以上の関係であることは明白です。そのうえでハガキでのお礼状であれば、取り次いだ人がハガキに書かれた文面を読めてしまいます。

お礼状を受け取った人が、どのような理由でお礼状を受け取ったのか?相手は誰なのか?など、第三者は知らなくても良い情報を晒してしまうことにもなりかねません。相手にも周囲にも余計な気遣いをさせないよう、お礼状は封筒と便箋を使って書きましょう。

鉛筆・シャーペンやボールペンではなく万年筆や筆ペンで書く=「手書き」が望ましい

お礼状を書く時には、できれば万年筆や筆ペンで書くことが望ましいとされています。

世代によっては手書きで便箋に手紙を書くという習慣がないこともありますが、少なくとも現時点でのマナーとしては「お礼状はフォーマルな筆記用具を使った手書き」というのが一般的です。

鉛筆やシャーペンでは紙とこすれてしまい、相手に届いた時に薄くなってしまって読めない可能性があります。ボールペンはあくまでも簡易的なメモ書きに使用されることが一般的な筆記具であるため、「筆記具としてのグレード」が最も高いと位置付けられている万年筆か筆ペンで手書きするのが望ましいでしょう。

手書きに慣れていない方や、字の綺麗さに自信がないという方もいるかもしれません。ついついパソコンで文章を作成し、印刷して送ることを考えてしまうかもしれませんが、特にプライベートで親しい間柄の方には可能な限り手書きで書くようにしましょう。

お礼状には決まった「型」がある

お礼状を書く際に気をつけたいのは、決まった「型」があるということを忘れないことです。

もちろん、とても親しい間柄の相手であればこの型にこだわらなくても問題はないことも多いですが、正式な書面として出すお礼状の場合は相手もそれなりの知識や教養を持った方であることが多いです。そのため「お礼状としての型」から外れた形で書いてしまうと、逆に印象が良くない場合もあるので気をつけましょう。

頭語

「拝啓」で始まる文章を見たことがある方も多いでしょう。これは頭語と呼ばれ、文章の始まりに記す言葉です。お礼状の場合は「拝啓」、目上の方や立場が上の方に対して通常よりも敬意を示す書き方として「謹啓」も使われます。

親しい間柄の場合は「前略」を使い、次に説明する「前文」を省略することもあります。

前文

前文は頭語も含むとされています。「拝啓」や「謹啓」に続けて季節・時候の挨拶や、しばらく直接お会いしていない場合などの時はこちらの健康状態の良し悪しを簡単に伝え、相手の健康を願っていることなどを書きましょう。ただし、会ってはいなくても相手の健康があまり良くなかったことを伝え聞いたりしている場合は、相手の健康に関する文章は簡略的にし、詳細を尋ねたりすることは避けましょう。

主文

贈って頂いた品やお祝いに関するお礼や、便宜を図って頂いたことに対するお礼、また最終的にはどのような結果になったのかについて述べ、お礼を記しましょう。主文はお礼状を書いた目的と実際のお礼を明確に書き記すための文章です。いずれにしてもしつこくなり過ぎないように、丁寧かつ簡潔に書くことが大切です。

末文

前文で相手や自分の健康に関して言及していなかった時などは、末文でお互いの健康と無事を祈る言葉を記してもいいでしょう。また、お礼状を書いた理由や特記事項として書いておきたいことを記します。いわゆる「結びの挨拶」などもここで書きます。

結語

頭語とセットになる言葉です。セットになる言葉は決まっており、頭語が「拝啓」であれば結語は「敬具」。頭語が「謹啓」だった場合は結語は「謹白」になると決まっています。「草々」なども使われることがありますが、「草々」は前文が省略されるような親しい間柄での文章でしか使われませんので注意しましょう。

後付け

お礼状など正式な手紙全般に共通しますが、手紙の最後に「日付」「差出人名」「宛名」を記載することが決められており、この部分を「後付け」と呼びます。

封筒と便箋の扱い方

お礼状を書き終わり、実際に投函する際には便箋を折り、封筒に入れて封をします。

便箋は縦書き用紙の場合は「下三分の一」を折り、その次に「上三分の一」を折る「三つ折り」にしましょう。また、封筒に入れる際は「封筒の裏から見て右上」がお礼状の書き出し部分になるようにするのが決まりです。

まとめ

お礼状の書き方、マナーについてご紹介してきました。最近ではなかなか手書きで正式なお礼状や手紙を書くことが少なくなっていますが、正式な書き方を知っておくことでビジネスの場面では信用や信頼が高まる効果もあります。またプライベートでも「教養のあるしっかりした方だな」と好印象を持ってもらえることにもなりますので、この機会に正式なお礼状、手紙の書き方とマナーを覚えてみてはいかがでしょうか。