支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡

  • TOP
  •   
  • コラム
  •   
  • ビジネス用、手紙・お礼状の書き方

ビジネス用のお手紙・お礼状とは?

みなさんはビジネスシーンでお手紙やお礼状を書いたことはありますか? ビジネスシーンでお手紙やお礼状を書く場面は意外に多く、送る相手がどのような方なのか、どのような内容で送るのかで全く書き方が異なってきます。ここでは贈り物やお祝いなどへのビジネス文章のお手紙やお礼状を、テンプレートにして紹介します。あわせて使用する言葉の意味や書き方の基本も紹介します。

①例文を見てみよう

まずは基本のお礼状を書きました。宛先は企業もしくは取引先の方で自分より目上の方として、何かしらでお世話になった時のお礼状として例にしております。(細かな内容は割愛させて頂いております。)

---------------------------------------------------------------------------------

拝啓
 霜が朝日に溶けていく様子に清々しい一日の始まりを感じる初霜の候、貴社におかれましては、ますますご健勝のことと存じ上げます。
先日は、ご多忙の中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。皆様に感謝の気持ちをお伝えしたく、手紙を送らせて頂きます。

〜省略〜

 まだまだ若輩者ですが、今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。略儀ながら、書中をもちましてお礼を申し上げます。
敬具
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯(自分の所属会社の名前)
◯◯ ◯◯(自分の名前)
株式会社◯◯(相手の所属会社の名前)
◯◯ ◯◯様(相手の名前)

---------------------------------------------------------------------------------

このような文を一度は目にしたことありませんか? 難しい言葉も使用されていると思いますが、次は細かく言葉の意味等を解説していきます。

②言葉の解説

ここでは、先ほどの文章(①)をもとに一つずつ意味や使用ルール等を解説していきます。

---------------------------------------------------------------------------------

拝啓

//「頭語」と言い、最初に来る言葉を書きます。この「拝啓」は一般的に使われる言葉です。「拝啓」と述べた次の文章では季節を表す季節文を記述するのがマナーですが、この季節文を省略する場合は「拝啓」ではなく「前略」を用います。送る相手が目上の方やお客様の場合は、よりいっそうかしこまった意味を持つ「謹啓」を用います。

 

霜が朝日に溶けていく様子に清々しい一日の始まりを感じる初霜の候、

//「霜が朝日に溶けていく様子に清々しい一日の始まりを感じる初霜の候」この文章で時候の挨拶として季節文を記述しています。「霜」という言葉を用いることにより、11月を表現しています。12月に書く場合は「初冬」など、冬の初めを表現したりします。「◯◯の候」という表現も季節を表すときに非常に使いやすい言葉です。 以下は手紙を送る四季に合った季節文です。

春・・・「春陽(はるひ)の候」
夏・・・「盛夏(せいか)の候」
秋・・・「清秋(せいしゅう)の候」
冬・・・「寒冷の候」
これらを用いると、文章の始まりが書きやすくなります。

貴社におかれましては、

//「貴社におかれましては」相手が会社の場合は「貴社」用いますが、相手が個人でかつ男性の場合は「貴殿(きでん)」、女性の場合は「貴女(きじょ)」という言葉を用いると丁寧です。

ますますご健勝のことと存じ上げます。

//祝福の言葉を述べています。「ますますご健勝のことと存じ上げます」「健勝(けんしょう)」と言う言葉には「健康で身体が丈夫」という意味があり、この文は相手が「健康で幸せ」であることを願う、お祝いの言葉です。「健勝」の他に「ご清祥(せいしょう)」や「ご繁栄 (はんえい)」なども同じように使われます。


先日は、ご多忙の中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。皆様に感謝の気持ちをお伝えしたく、手紙を送らせて頂きます。

//ここで感謝の言葉を述べています。その他送る相手によって表現が異なります。よければ下記にある「④その他、よく使われる・使いやすい文章」も見てみてください。



〜省略〜

 まだまだ若輩者ですが、今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。略儀ながら、書中をもちましてお礼を申し上げます。

//最後の締めくくりです。謝罪文や依頼文ではない場合、一般的に「宜しく」という言葉を 用いて手紙のまとめに入ります。ただ、いきなり「宜しく」というと「何に宜しくしているの?」と疑問を抱かれてしまうので、きちんと内容に沿って文章にしましょう。

敬具

//「結語」といい、文章の結びの言葉として用いられます。「敬具」は一般的に用いられる言葉で、頭語に「拝啓」を用いた場合は、結語は「敬具」と基本的に組み合わせは決まっております。頭語を「前略」にした場合は、敬具でも間違いではありませんが、「草々」と締めるのが一般的です。頭語を「謹啓」にした場合は、「謹言」で締めくくります。


令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯(自分の所属会社の名前)
◯◯ ◯◯(自分の名前)
株式会社◯◯(相手の所属会社の名前)
◯◯ ◯◯様(相手の名前)

//最後は日付→自分の名前→相手の名前という流れになるよう書きましょう。

---------------------------------------------------------------------------------

いかがでしょうか。簡単にですが、一般的にある手紙の内容から言葉の意味や使い方を解説させていただきました。

③忌み言葉について

慶事や弔事の内容で送る場合、手紙のマナーに「忌み言葉」という、縁起が悪く使ってはいけない言葉もいくつかあります。手紙やお礼状を送る際は、以下の言葉を記述しないよう気を付けて書きましょう。

【衰える・すべる・尽きる・終わる・焼ける・尽きる・滅びる・流れる・切れる・変わる・苦しむ・離れる】

忌み言葉を見るとネガティブな表現がほとんどということがわかります。せっかく送る手紙ですので、相手が不快にならないよう気を付けましょう。

④その他、よく使われる・使いやすい文章

①で基本的なお礼状の例文をご紹介しましたが、その他、様々な表現もありますので、パターン化して文章をご紹介させて頂きます。

「平素は格別のご愛顧を賜りありがたくお礼を申し上げます。」
平素=いつも(普段)、格別の=特別、ご愛顧=ひいき、賜り=〜して頂き
ということで「いつも特別にごひいきして頂きありがたくお礼を申し上げます。」という意味になります。主に企業からお客様向けに使われる文章です。

「毎々格別のご厚情を賜り、まことにありがとうございます。」
毎々=いつも(その都度)、ご厚情=心からの深い思いやりの気持ち
ということで「毎度心からの深い思いやりの気持ちを頂きまことにありがとうございます。」という意味になります。上記分と若干ですが意味合いが異なりますので。自分の心情に一番近い表現をしましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?ビジネスという場で手紙やお礼状を送る時のマナーや基本形、言葉の意味のほんの一部をご紹介させて頂きました。現在リモートワークが増えている中、直接お礼を述べるよりこういったメールや手紙として文章でやり取りする機会がどんどん多くなってくるかと思います。この記事を読んで、少しでも皆様のお役に立てればとても幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。