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応用情報技術者試験とは

応用情報技術者試験とは独立行政法人の情報処理推進機構(IAP)が主催し、経済産業省が認定するIT系の国家資格の一種です。ITに関する応用的な知識、技能があることを証明する為の資格です。一度取得すれば生涯にわたって有効な資格であり、IT系への就職、転職において有利に働く資格であるので、是非取得を目指しましょう。
応用情報技術者の資格を取得することで、その他にもメリットがあります。まず、IT系の国家資格には様々な種類がありますが、応用情報技術者の資格を取得して二年以内であれば、9つの試験の午前試験が免除されます。9つの試験とはITストラテジスト試験(ST)、システムアーキテクト試験(SA)、プロジェクトマネージャ試験(PM)、ネットワークスペシャリスト試験(NW)、データベーススペシャリスト試験(DB)、エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)、ITサービスマネージャ試験(SM)、システム監査技術者試験(AU)、情報処理安全確保支援士試験(SC)です。また、これらの9つの試験に加えて高度試験以外の国家資格も一部免除にすることができます。一部免除となる国家資格は中小企業診断士と弁理士試験です。
この様に応用情報技術者試験に関する学習をすることで応用的なITの知識が身につくだけでなく、高度試験や国家資格の免除というメリットを享受することができるのです。

応用情報技術者試験の試験範囲の概要

応用情報技術者試験は午前と午後に分かれています。まずは午前の試験範囲について解説します。午前の試験範囲は大きく分けてテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つに分かれます。テクノロジ系は午前の80問中50問程度の分量を占めており、非常に合否に影響を与える部分となっています。テクノロジ系はその中でさらに13個ほどのカテゴリーに分かれています。マネジメント系は午前80問中10問程度の分量で、さらに3つのカテゴリーに分かれています。ストラテジ系は午前80問中20問程度の分量でさらに6つのカテゴリーに分かれています。次に午後の試験ですが、午後は13個ほどのカテゴリーに分けられた試験範囲となっています。13個のカテゴリーをそれぞれ一言で表すと経営戦略、情報戦略、戦略立案、コンサルティング、システムアーキテクチャ、ITサービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、プログラミング、情報セキュリティ、システム監査の内容となっています。この様に応用情報技術者試験は1つの範囲を深堀した内容というよりは幅広い試験範囲を学習する必要がある試験となっています。

午前の試験範囲の詳細

これまで応用情報技術者試験の試験範囲の概要について解説してきましたが、これからそれらの概要の詳細について解説していきます。まずは、午前の試験のテクノロジ系について解説します。
テクノロジ系は13のカテゴリーに分かれています。1個目は離散数学や情報倫理、応用数学、通信理論や計測制御理論をまとめた基礎理論についてです。2個目はデータ構造やアルゴリズムやプログラミングやマークアップ言語についての出題となるアルゴリズムとプログラミングです。3個目はプロセッサや入出力装置やメモリや処理性能などについての出題となるコンピューター構成要素です。4個目はシステムの恒星や評価指標についてのシステム構成要素で、5個目はOSやミドルウェア、開発ツールやオープンソースソフトウェアについての出題となるソフトウェアです。6個目はハードウェア全般の知識を問われるハードウェアです。7個目はヒューマンインターフェイスの技術や設計についての出題となるヒューマンインターフェイスです。8個目はマルチメディアの技術や応用についての出題となるマルチメディアです。9個目はデータベースの設計や操作やトランザクション処理や並行処理、データベース応用についての出題となるデータベースです。10個目は通信プロトコルやネットワーク応用やネットワーク管理やHTTPなどの通信方式などについての出題となるネットワークです。11個目は情報セキュリティの管理や技術評価やセキュリティ対策や実装技術についての出題となるセキュリティです。12個目はシステム要件定義やシステム方針設計やソフトウェア要件定義、方針設計、詳細設計、構築、結合、適格性確認テスト、導入、受入支援、保守、廃棄についての出題となるシステム開発技術です。13個目は開発プロセス手法、知的財産適用管理、開発環境管理、構成管理、変更管理からの出題となるソフトウェア開発技術です。

午前の試験の内容

これまで試験範囲について解説を行いましたが、それを踏まえて実際にどの様な形式の問題が出るのかを解説していきます。まずは午前問題ですが、これは80問出題されます。80問ある中の大半が上で述べた通りテクノロジ系の問題となっていますので、午前はテクノロジ系の知識がしっかりと身についているか否かで合否が決まると言っても過言では無いでしょう。午前試験の特徴として過去問題からの流用問題が5割程度あるというものがあります。過去問題からの流用は微妙に文言や答えを変えてあるのでは無く、問題、選択肢、正解も全て過去問題と一致している問題です。この様な問題が多いので、過去問題を繰り返し解くという対策をしてきた人にとっては、見覚えのある問題が多くあるという状況になります。まずは見覚えのある問題を一気に解き進めるのが良いでしょう。この様に用語だけしっていれば1秒分かる様な問題から、過去問題そのままの流用で直ぐに回答が分かる問題もあれば、計算を行う必要があり、時間が掛かる問題もありますので、時間配分や問題を解く順番についてもしっかりと考える必要があることに注意しましょう。試験時間は9:00~12:00までとなっており、配点は各1.25点となっています。

午後の試験の内容

午後の試験は午前の試験と大きく異なります。午前が基本問題であるならば午後は応用問題と言えるでしょう。大きく異なる点としては午前は選択式の問題なのに対し、午後は記述式の問題となります。長文形式の問題が11問出題され、その中から5問を選択して回答するという仕組みです。ITの知識以外にも問題文が非常に長いので、それをしっかりと読解する国語力も必要となってきます。試験時間は13:00~15:30までとなっており、配点は各20点となっています。合格基準は午前午後ともに100点満点中60点以上を取ることです。60点以上をとれば合格できるので、あまりにも時間が掛かりそうな問題や考えても分かりそうに無い問題は無理に解かずに、飛ばして全体の得点率を上げるという問題の解き方が良いでしょう。完璧主義になりすぎるとかえって全体の得点が下がる結果となりますので注意しましょう。

試験難易度

これから応用情報技術者試験の難易度について解説していきます。ネット上では基本情報技術者試験よりも簡単だったという声や、応用情報技術者試験は非常に難易度が高いという声など様々な声があり、実際の難易度は分かりづらいです。ネットの様な個人の感想による難易度の測定をしようとすると、ある人にとっては簡単で、ある人にとっては難しいなど、実情を把握するのが困難となります。したがって、本記事では実際の数字を元に難易度について解説していきます。まず最近の応用情報技術者試験の合格率は平成29年秋21.8%、平成30年春22.7%、平成30年秋23.4%、平成31年春21.5%、令和1年秋23.0%となっています。この様に合格率20%前後を常に推移している状況です。実は基本情報技術者試験の合格率も合格率20%前後なのですが、合格率が近いので難易度も基本情報技術者試験と同じレベルなのでしょうか?実は一概にそうとは言えません。なぜならば基本情報技術者試験はIT業界の入門資格なので、IT未経験者や学生、駆け出しのエンジニアが数多く受けている資格だからです。それに対し、応用情報技術者試験はある程度経験を積んだエンジニアやIT業界の人が受験することが多いでしょう。受験する人の層が異なり、より知識のある人が受けることが多い応用情報技術者試験が基本情報技術者試験と同じ合格率という事は基本情報技術者試験と比べて応用情報技術者試験の方が難易度は高めと言っても良いでしょう。
基本情報技術者試験の出題範囲と応用情報技術者試験の出題範囲は異なる部分が多いので、応用の範囲の方が得意な人にとっては応用の方が簡単だった様に感じます。しかし、全体的な数字を見て全体的な傾向を論じるとすれば応用の方が基本よりも難易度は高いというのが結論となります。また応用情報技術者試験は応募に対して実際に受験する率は65%と非常に低い数字となっています。申し込みはしたが途中で挫折した、試験日に休日出勤を命じられたなど様々な理由があるでしょうが、申込者に対しての合格者数を考えるとさらに合格率は下がり、15%前後となります。

オススメの参考書

これまで応用情報技術者試験の内容について解説をして来ましたがこれからオススメの参考書について紹介していきます。基本的には1冊、不安であれば2冊程度の参考書を学習していれば十分合格は狙える学力は身につくでしょう。

キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者

まずは王道ですが、きたみりゅうじ著の「キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者」です。この参考書は低下3280円+税でイラストが多いという特徴を持っています。視覚的に理解しやすいので初心者が勉強する際にオススメの参考書です。ただし、注意点としては基本情報技術者試験でこのキタミ式の参考書で既に勉強した方ならば内容が重複していることが多いです。あくまで初心者が初めて勉強する際にオススメの参考書であることに留意しましょう。

令和04年 【春期】【秋期】応用技術者 合格教本

続いてオススメの参考書は「令和04年 【春期】【秋期】応用技術者 合格教本」です。こちらは3278円程で購入できます。オススメの理由は出題範囲の幅が広いということです。この参考書を一通り勉強すれば試験範囲をほぼ全てカバーできるので、これさえ終わらせれば合格できるという気持ちで勉強することができます。また、その他にも過去問の演習ソフトがついています。これは過去4期分の問題をPCで解くことができるソフトです。前に述べた通り、応用情報技術者試験は過去問が問題、選択肢、回答が全て同じ状態で出題される事が多いので、この過去問の演習をすることで過去問に慣れることができます。最悪、理解出来ない過去問でもこのソフトで繰り返し問題を解いておけば回答を暗記することもできるので便利です。

試験の注意点

これまで試験の概要や試験の勉強方法について解説をしてきましたが、これから実際に試験を受ける際の注意点について解説していきます。まず試験中に机に置いて良いものは受験票、シャーペンまたは鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、定規、時計、ハンカチ、ティッシュ、目薬などです。時計はスマートウォッチなどのウェアラブル端末は置いてはいけないので、試験当日はスマートウォッチではない時計を準備しましょう。また、計算問題の際に電卓を使用することはできません。自身で計算をしなければいけない事に注意しましょう。その他にも受験票についても注意点があります。試験は3ヶ月前から申し込みができますが、受験票が届くのは試験の2~3週間前です。申し込みをしても受験票がしばらく届かないので不安になる方も多い様ですが試験前に届くと覚えておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。応用情報技術者試験とは何かという事から試験範囲やオススメの参考書まで解説してきました。ここまでの解説を聞くとプログラミングやデータベース未経験者には難しい資格なのではないだろうかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、午後の試験は複数ある問題の中からの選択式で、アルゴリズムやデータベースの試験を選択しない事も可能なので、必ずしもプログラミングやデータベースの知識が必要という訳ではありません。実務経験が全く無い人でも合格している人はいますし、結局は自分の努力次第ということになります。合格までの平均学習時間は400~500時間ほどと言われています。基本情報技術者試験を取得済ならば200~300時間と言われています。大体このくらいの時間を目安に学習計画をたてて行きましょう。是非、基本情報技術者を持っている、持っていない、実務経験の有無に関わらず挑戦してみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただき、有難う御座いました。