未経験からテストエンジニアを目指したい方へ、仕事内容と必要なスキルを紹介します。

テストエンジニアという仕事はあまり馴染みがないのではないでしょうか。当記事ではテストエンジニアの仕事内容と、未経験からテストエンジニアを目指す際に必要なスキルをご紹介します。

テストエンジニアとは？

私たちが利用しているスマートフォンやパソコン、ゲーム機などは全てプログラムで作られています。プログラムで作られているものには必ずエラーやバグがつきものです。
そういったエラーやバグを見つけ出し、動作が正常に行われているか、といった確認を行う必要があります。そのテストを行うための計画策定、テスト結果からの改善提案などを行う役割を担っているのがテストエンジニアです。
ソフトウェアのテストを行わず製品をリリースしてしまうと、とんでもないバグや製品として機能しないような不具合が発見されたりといったことが起こるので、テストエンジニアの存在は欠かせません。

実際にテスト業務を行う役割の方々をテスターと呼んだりもします。

テストエンジニアの業務内容

テストエンジニアの具体的な業務内容をご紹介します。

テスト計画の策定

この段階では、テストを行う目的やテスト対象とすべき機能や、テストを行う範囲、優先順位、人員配置、テストを完了とする基準など、テスト計画にまつわる様々な内容を決定します。

テスト設計

テスト設計では、どの部分を重点的にテストをするかを決定する「テスト観点」、どういった技法でテストを行うかといった「テスト技法」などを決定します。 あらかじめテストに関する詳細な設計を行っていなければ、後々大幅な時間をかけた作業が実はまったく無意味な作業であった、などといった事態も起きかねませんので、テスト設計は非常に重要です。

テストの実行

設計した内容を元にテストを実行していきます。
このテストの実行部分は、先ほどチラッと紹介したテスターと呼ばれる方々が担ったり、ソフトウェアを利用し自動で行うこともあります。
多くの企業はテスターの方はアルバイトで賄っていることが多く、社員が担当する際は、他業務との兼任であったりします。
いずれにせよテスター専門の職種というものはあまり無いでしょう。
ちなみに、未経験から入社した様々な分野のエンジニアは、まずテスターから入ることも少なくありません。

テスト結果の文章化

テストを行った結果を資料としてまとめます。
責任者などにレビューを行い、再テストなどがないかの確認をします。

改善提案

第３者の視点から、機能やUIに改善点が見られた場合、開発者に提案を行います。

テストエンジニアに必要なスキル

未経験からテストエンジニアを目指すにあたってどういった知識が必要なのかご紹介します。

プログラミングの知識

テストエンジニアであってもプログラミングの知識は必要です。
高度なプログラミングスキルは求められませんが、テストを行うにあたって、書く能力よりもコードを読む能力が重要です。

開発ツールやデバッグツールの知識

テストエンジニアには、開発を行うツールやバグを発見するデバッグツールの知識は必須です。
しかし未経験であればこういったツールを触る機会はなかなか無いと思われますので、実際に現場で仕事をしていくうえで身に着けていきましょう。

デバッグの経験

テスターの仕事はアルバイトに任せている企業が多いと書きましたが、実際にアルバイトの求人を見るとゲームのバグチェックなどの求人は多いです。
アルバイトですと面接の敷居も低く、手軽に現場で経験を積むことができます。
デバッグ経験があると正社員での面接時にもアピールになりますので、お時間に余裕がある方はテスターのアルバイトを経験してみても良いかもしれません。

ソフトウェア品質管理の知識

ソフトウェア品質管理とは、プロジェクトを計画通りに遂行するために、必要な機能を実現させる工程や、予算の管理を行うことです。
「ISO9001」という国際規格で品質マネジメントシステムに関する原則やルールが定められておりますので、そちらについて理解しておくと良いでしょう。

必要な資格

テストエンジニアになるために必要な資格はありませんが、未経験からテストエンジニアを目指すために取得しておくとよい資格をご紹介します。

基本情報技術者

テストエンジニアに限らず未経験からIT業界での活躍を目指す方の登竜門的な資格ですので、取得しておくようにしましょう。
ITに関する様々な知識が広く身に付きます。

IT検証技術者認定試験（IVEC）

IT検証技術者認定試験は、一般社団法人IT検証産業協会が認定するテストエンジニアの資格試験です。レベル1から7までの7段階の難易度があり、レベル7が最も難易度が高いです。
レベル1～2に受験資格は必要ありませんが、3移行はひとつ前のレベルの認定が必要となります。
まずレベル1から受験し、知識を身に着けていきましょう。

JSTQB 認定テスト技術者資格

JSTQBとは「Japan Software Testing Qualifications Board」の略で、日本のソフトウェアテスト技術者資格の運営団体です。JSTQB 認定テスト技術者資格とは、JTSQBが実施している、「テスト技術の向上」のため、テストエンジニアの技術力を計るための試験です。
IT検証技術者認定試験と並び、テストエンジニアに特化した資格です。

最後に

以上がテストエンジニアの仕事内容と未経験からテストエンジニアを目指す際に役立つスキルなどの紹介となります。
先ほども記述した通り、ソフトウェアを用いた自動化が進んできている今、人員を用いたテストの機会は減少し、またテストエンジニアに求められるスキルは変化しつつあります。
しかし、テストエンジニアという職種自体は開発において必須の存在ですので、その立場が危ぶまれることはありません。
現在では未経験者でも多くの無償の学習機会が存在していますので、それらを活用し知識を身に着けていきましょう。