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はじめに

IT業界では有名な資格取得試験である「基本情報技術者試験」。IT業界での就職を目指して、就職先から受験するよう促されてなど、様々な理由でこれから資格取得を目指すという方も多いのではないでしょうか。そもそも基本情報技術者試験とは何か、試験内容、難易度、取得によるメリットの観点からご紹介します。

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験を実施している独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は、基本情報技術者試験について「ITエンジニアの登竜門」と位置付けています。試験では、IT業界で働くために必要な基本的知識を持っているか、情報処理に必要な論理的な考え方はできるかどうかなどを試される問題が出題されます。

受験の前提条件はなく、誰でも受験することができますが、基本情報技術者試験の対象者像は「高度IT人材となるために必要な基礎的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に着けた者」とされています。主にプログラマー・システムエンジニアなどのIT職に従事する人、あるいはこれから従事しようとする人達を対象とした試験です。情報処理技術者試験という枠組みには他にも高度な専門的知識に関する資格もありますが、基本情報技術者試験はその中でも一番基礎的な知識に関する資格です。

試験内容

           
午前午後
試験時間 9:30~12:00(150分)13:00~15:30(150分)
出題形式多肢選択式(四肢択一)多肢選択式
出題数・解答数

出題数:80問

解答数80問

出題数:11問

解答数5問

試験時間について

試験は午前、午後にわかれており、両方とも、100点満点のうち60点以上を取得しなければ合格できません。試験時間はそれぞれ150分です。

出題数・解答数について

◆午前

80問出題され、全問に回答します。各分野からほぼ決まった問題数が出題されます。

テクノロジ系(50問前後)

ハードウェアからプログラミング・アルゴリズムなど、IT技術に関する幅広い基礎知識が問われます。ここでは計算問題も出題されることがあります。

・基礎理論

・アルゴリズムとプログラミング

・コンピュータ構成要素

・システム構成要素

・ソフトウェア

・ハードウェア

・ヒューマンインタフェース

・マルチメディア

・データベース

・ネットワーク

・セキュリティ

・システム開発技術

・ソフトウェア開発管理技術

マネジメント系(10問前後)

開発の流れ、プロジェクト管理方法、システム監査など、プロジェクトマネジメントに関する知識です。

・プロジェクトマネジメント

・サービスマネジメント

・システム監査

ストラテジ系(20問前後)

企業活動、法務、経営、システム戦略、マーケティングなど、経営全般に関する知識です。 

・システム開発技術

・システム戦略

・システム企画

・企業活動

・法務

・経営戦略マネジメント

・技術戦略マネジメント

・ビジネスインダストリ

◆午後

長文形式の問題(一問に設問が複数)となっています。午後の試験範囲は午前の範囲と同じ部分もありますが、プログラミングに関する問題が出題されます。用語を暗記するだけでなく、その技術に対する深い理解が必要となってきます。令和2年の試験から、プログラム言語からCOBOLが外され、代わってPythonが追加される、13問中7問回答から11問中5問回答などの変更がありました。午前の試験も含め、事前にシラバスをご確認ください。

難易度

合格率は平成21~31年度試験で見てみますと、 20% ~ 30% の間を推移しており、一般のビジネスパーソン・社会人向けの IT 入門資格、IT パスポートの累計合格率の48.9%(令和2年4月時点) と比べると、難易度は高く、しっかりと学習する必要があります。

IT業界に勤務しており、ある程度知識の持っている方は最初から基本情報技術者試験を受験してもいいかもしれません。しかし、IT関連の知識に自信のない方、これからITの知識を一から身につけるという方は、いきなり基本情報技術者試験を受験せず、段階を踏んでの学習が必要だと考えられます。

資格取得によるメリット

午前に基礎知識、午後にプログラミングに関する問題が出題されるため、開発言語についてもある程度わかっていることがアピールできます。また、試験の中で問われることは、IT業界で働く人には是非覚えておいていただきたい基礎知識です。IT企業の中には、入社後、受験を義務付けている会社もあります。就職や転職活動前に取得していれば有利に働きます。

まとめ

今回は基本情報技術者試験の試験内容、難易度、資格取得によるメリットについてご紹介しました。

難易度の項目で、しっかりと学習する必要があるとお話ししましたが、きちんと学習すれば、独学で取得できる資格です。公式サイトにて過去問が公開されており、自由に閲覧できるほか、「基本情報技術者過去問道場」という解説付きのサイトで問題を解くことができます。試験対策の書籍も充実しているので、過去問を参照しつつ、自分のレベルの把握をして試験対策をしてみましょう。この記事で基本情報技術者試験に興味を持ったり、受験にメリットを感じたりした人は、ぜひ資格取得に向けた準備を始めてみてください。