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はじめに

IT業界においてポピュラーな試験である基本情報技術者試験。皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。受験しようと考えているけど、試験でどんなことを問われるのか、いつでも受験できるのか、受験するにあたって必要な条件はあるのか。その他諸々の疑問について解説していきます。

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験について説明する前に、情報処理技術者試験について説明しましょう。情報処理技術者試験とは、法律に基づき経済産業省が情報技術者としての知識や技能が一定の水準以上あると認定する国家試験のことです。基本情報技術者試験は、この情報処理技術者試験に区分される国家試験の一つです。受験対象者像は、「高度なIT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」とされています。残念ながら受験日時は希望通りとはいず、年2回の春と秋に実施されます。春は4月の第3日曜日、秋は10月の第3日曜日に実施されることが多いようですが、より正確な日時を知りたい方は公式の案内ページをチェックしてみてください。
申し込みについてはそれぞれの時期の大体3か月前、つまり春の試験なら1月頃、秋の試験なら7月頃から受付が開始されます。また試験の特徴として午前と午後にわたり試験が実施されます。
試験の概要についてざっくりと表でまとめてみました。

【基本情報技術者試験の概要】

午前 午後
問題数 出題数:80問
解答数:80問
出題数:11問
解答数:5問
試験時間 0930~1200(150分) 1300~1530(150分)
試験形式 多肢選択式(四肢択一) 多肢選択式
受験資格 特になし
受験費用 ¥5700

受験に必要な条件は特にありません。受験したい方はどなたでも受験できます。また受験費用として5700円かかります。合格基準は、午前午後ともに正答率60%以上なくてはいけません。午前の試験で90%正解したから午後は手を抜いていい、とはなりませんので注意してください。次に試験場所についてですが、申し込みをしてから受験票が届くまで分かりません。受験票は試験月頃に送られてきます。受験票が届いたら、必ず試験場所の確認を行いましょう。また試験問題はマークシートで解答しますので、鉛筆数本と消しゴムは忘れずに持って行ってください。

出題される内容

午前と午後で出題される問題は被る部分もありますが、基本的には違います。

午前の試験範囲

午前の試験で出題される内容は、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系などです。テクノロジ系ではハードウェアやプログラミング、アルゴリズムなどのIT技術に関する幅広い基礎知識が問われます。計算問題も出題されることがあります。マネジメント系ではプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントについての問題が、ストラテジ系では企業活動や法務、企画やシステム戦略についての問題が出題されます。
午前の試験範囲についてはITパスポートと大まかな出題範囲は被りますが、ITパスポートよりも範囲はかなり広めです。

午後の試験範囲

午後は主にプログラミングに関する問題が出題されます。コンピュータシステムに関することやデータベース、ネットワークに関する問題が出題されたり、情報セキュリティ、データ構造、アルゴリズム、ソフトウェア設計、ソフトウェア開発についての知識も問われます。
午前午後の試験に共通して言えることですが、基本と名の付く試験のわりに要求される知識は多いです。2020年6月現在、IPAのサイトで公開されている情報では、約17万人が受験し合格率は約25%と、なかなかの難易度です。しかし、受験の時期が年2回ですので、当然受験日までの期間は長くなります。プラスに考えるならば、受験日までの学習時間も十分確保できるということですので、焦らず落ち着いてじっくりと苦手分野を潰していきましょう。

試験免除制度

午前の試験においてのみ、試験を免除できる制度が存在します。この制度を利用するためには、IPAに認定された講義を受講し、その修了試験に合格しなければいけません。試験を免除するために試験を受験するなんて本末転倒な気もしますが、興味のある方は「基本情報技術者試験 免除」などで検索をかけてみてください。この記事ではそういう制度もあるよ、という紹介だけにとどめておきます。

おわりに

基本情報技術者試験についての概要をざっくりと解説しましたが、もっと詳しく知りたいという方はIPAのサイトで試験シラバスが公開されていますので、そちらを参照してみてください。また過去問についても同様に公開されていますので学習に役立ててください。
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門となる試験です。ぜひ取得に向けて頑張ってください。