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ネットワークの勉強方法について

今回はネットワークエンジニアを目指す方に向けて「ネットワークって何を学習すればいいんだろう?」「学習しなくちゃいけないのはわかっているけどどんなことから勉強すればいいかわからない!」というような方に向けて、著者である私自身の経験も踏まえながら、紹介していきたいと思います。

また、今回はネットワークエンジニアを目指す方を対象としているので、ネットワーク分野についての勉強方法について重点的に紹介していきます。

目標を設定する

勉強を始めることは大事で「善は急げ」とも言いますので、とにかく勉強!と闇雲に始めてもなかなか大変です。何しろ、ネットワークに限らず日々新しい技術の進歩があるこの業界の情報量は「無限にある」と言っても過言ではありません。エンジニアは常に情報収集が大切であるとも言われており、知識として勉強すべきことも同様に無限にあるのです。自身のモチベーションを保つためにも「資格をとる」などといった「明確な近い目標」を設定することで、勉強をすべきこと、そしてその道筋を明確にすることができます。例えばマラソンをする際にもいきなりフルマラソンに挑戦する人はいないですよね。まずは1キロ、5キロ、10キロといったように自身のネットワークについての知識やスキルもステップアップさせていくことが大切です。

そして、今回はネットワークに関する勉強方法ということで、ネットワークエンジニアにおすすめの資格は以下のものが挙げられます。

シスコ技術者認定試験

シスコ技術者認定試験とは、ネットワークを構成するために必要不可欠なルーターやスイッチの世界的に有名な会社が行っている試験です。この認定試験に合格することで、ネットワーク全般についての知識やCisco社のスイッチやルーターなどの知識をもっているという証明になります。私自身もまずはこの資格の勉強から始めました。この認定試験を受ける場合には、まずは基礎レベルであるCCNAの試験に合格することを第一の目標にしましょう。基礎レベルといっても、技術者としての基礎レベルなので、ネットワークの基礎理論から自身で機器を設定したりといった環境構成、セキュリティについての知識や、クラウド、ネットワーク自動化についてなど、求められる知識は決して簡単なものではありません。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリスト試験は国家資格となり、非常におすすめなのですが非常に難易度が高いです。ネットワークスペシャリストは、経産省が設定する技術者試験の区分の中で、最難関のスキルレベル4に相当するので、これからネットワークエンジニアになろうとする人が目指すべき資格ではありません。エンジニアとしてのある程度の経験とスキルを持ち、更なるスキルアップをしたい、といった方々におすすめの資格です。

テキストで学習する

IT社会となっている現在では「わからないことは目の前のパソコンで一発でしょ!」と考える人も多いのではないのでしょうか。確かにインターネットで勉強する方法は非常に便利ですが、テキストは情報が体系的に集約され、整理されているという点では大きなメリットであると言えます。インターネットではわからなかったことを調べると限定的な情報のみしか得られなかった、ということが起こることもあります。テキストでは、一つの情報に対して関連したものも素早く参照することができ、結果的に理解することができた、ということも少なくありません。勉強をするうえで、整理された情報を体系的に学ぶことができるテキストは非常に有効な方法であると言えます。

1週間で CCNAの基礎が学べる本

ネットワークとは一体どういうものか、ということがタイトルの「1週間」の通り、7章に分かれて解説されています。未経験の方向けに、丁寧にかつ分かりやすく書いてあることは勿論ですが、私自身の感想としては、本の大きさも厚さもストレスなく読み進められるというが一番の魅力であるのと感じています。未経験者が初めに触れる一冊が大きく、分厚いものでは心が折れてしまう方も多くなってしまいます。勿論この1冊では本当に基礎的なことしか勉強することができませんが、初めての1冊としてはうってつけの本となっています。

徹底攻略 Cisco CCENT/CCNA Routing & Switching 教科書

シスコ認定試験対策のテキストの一つとして「黒本」とよばれ広く親しまれている1冊です。驚くべきはその大きさと厚さ、重さです。辞書のようなボリュームでネットワークに関する知識が網羅されています。1冊だけでもなかなか大変ですが、2冊に分かれています。このテキストの使い方としては、時間に余裕があるならば、しっかりと読むべきでしょう。一つ一つの分野について丁寧に解説されているので一読するだけでもネットワークの基礎についてしっかりと学ぶことができます。もう一つは、試験に向けての問題を解いてるなかで、理解できにくい分野についてこのテキストで補完をする、といった方法できます。ただひとつ、このテキストは2020年2月のシスコ技術者認定試験の改訂以前の分野を扱っているとということには注意が必要です。新しいCCNAの試験範囲には含まれていない分野があり、また新CCNAの試験範囲に新しく追加された分野は、「黒本」には載っていないのです。しかしながら、私自身このテキストを2冊とも読破し、非常に苦労した覚えがありますが、このテキストを通してネットワークの知識を身に着けることができた点については、範囲外の学習も無駄ではなかったと感じています。

ツールで実践学習

テキストでの学習で知識を得ることは非常に有効な方法ではありますが、ネットワーク環境を構築する際にはコマンドを打つことが多々あり、知識だけではなかなか身についたとは言えません。パソコンを使って、仮想環境でネットワークを実際に構築することで知識だけでなく、スキルを身に着けることができます。

Cisco Packet Tracer

Cisco Packet Tracerとは、ネットワーク機器のシェアで2018年時点で世界No.1を誇るCisco社の教育プログラムである、Cisco Networking Academyが公開しているフリーのソフトウェアのことです。このソフトウェアをインストールすることで、自身のパソコン上でルーターやスイッチの配置、設定などが行うことができ、仮想のネットワークを構成することができるのです。このソフトウェアをダウンロードするためにはアカウント登録が必要ですが、CCNAを取得する際にアカウント登録は必須となりますがテキストと併せて自身で実際に設定を行うことができるので、勉強方法としては非常におすすめです。

GNS3

GNS3も仮想環境でのネットワークを構成することができるソフトウェアです。Cisco Packet Tracerは単体で仮想環境を設定できますが、GNS3は仮想マシンというパソコン上で動く仮想PCの設定など、少し高度な知識が求められます。また、Cisco社のルーターやスイッチのROMが必要となるので、実際に機器を手に入れる必要があります。なかなか自身で環境を構成することは難しいかもしれませんが、非常に自由度の高い環境設定が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、ネットワークの勉強方法についてテキストとツールを中心に紹介してきました。これからネットワークの勉強を始めようという型はこれらの方法について参考にしてみてください。