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はじめに

テクニカルサポートと聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。よく聞く職種ではあるもののその仕事内容がイメージしづらいのではないでしょうか。コールセンター、チャットサポート、技術職、自宅訪問、リモート代行作業など実際に仕事内容や働き方の幅が広く、そのいずれもテクニカルサポートと呼んで差し支えありません。ヘルプデスクやカスタマーサポートと呼ばれることもあります。主にIT関連の商品やサービスを購入してくれた人に対して技術的な援助をしていくことが業務内容となります。テクニカルサポートの求人への応募を迷っている方へ、その実情や給料、どのようなキャリアを積んでいけるのかということについて紹介していきます。

テクニカルサポートの現状

テクニカルサポートの位置づけ

前提として覚えておいていただきたいのは、テクニカルサポートはサービス業に近い部分が大半ということです。仕事内容の比重がエンジニア業務にあると思っていると職に就いた時のイメージが大分異なってきてしまうため、ぜひとも頭に入れておいてください。

テクニカルサポートという職種が会社に直接利益をもたらす部分は少ないです。しかしながら職種の中ではもっともお客さんと触れ合う機会が多くなります。よく会社の顔という言われ方をしますが、実際にブランドイメージへの影響が大きい重要なポジションとなります。

仕事のスタイル

テクニカルサポートは会社によってはコールセンターのような専門の部門を設けているところもありますが、特に部門はなく他の仕事と兼任で対応しているところもあります。会社の規模、営業時間、問い合わせ数などによって業務スタイルは様々です。

ほとんどの窓口ではメールやチャットでの対応を行なっており、中には電話サポートを設置しているところもあります。近年はチャットボットといって、人工知能に学習させておくことで簡単な質問には自動的に回答できるツールを導入している企業も出てきています。

テクニカルサポートの仕事場は、最近ではリモートでの在宅勤務も出てきているものの、まだまだ職場へ出勤するスタイルがほとんどです。

自社サービスであってもサポートセンターとしての機能を独立させている会社や、サポート対応専用の部屋をいくつも設けているコールセンター専門の会社もあります。サービスの規模が小さく滅多に問い合わせが来ないなど、他の仕事と兼任できる程度の場合は自分の席で対応することや、パーティションで区切られている程度のこともあります。

主な業務体系

サポート対象もサービスの提供範囲によって異なり、BtoC、CtoC、その混合が見られます。それによって必然的に営業日や時間も変わってきます。BtoCの場合、休みの日のサポート需要も考えられるため土日祝も営業、CtoCであれば平日のみ営業し土日祝が休みというところもあります。

また、サーバーサービスなど深夜の緊急サポートを求められる窓口は24時間365日営業していたり、商品料金とは別に有料サポートに登録している人向けの窓口があったりします。

忙しさ

サポートセンターの忙しさは会社の方針によって大きく差があります。もちろんその差は時給や給料によって補われますが、必ずしもそうはならないため注意が必要です。

繁忙期と閑散期を1ヶ月単位で繰り返す窓口や、新サービスのリリース時で半年や1年の期間に繁忙期がやってくる窓口、波がなく年間通して問合せが続く、またはほとんど問い合わせのない窓口などがあります。 窓口が常に忙しくほぼ客対応だけで終わってしまう窓口では、習得できるテクニカルな知識は限られ、逆に問い合わせの少ない窓口では調査や代行作業も担当することで知識を深めていくことができます

求人数について

雇用形態を問わなければ、テクニカルサポートの求人は多いです。マネージメント業務となると正社員での採用が多くなるために求人は限られてきますが、現場のオペレーターは人数がその何倍も必要となってくるため、全体の求人は多くなります。またアルバイトや派遣社員などの占める比率が多い傾向にあり、人の入れ替わりも頻繁にあるということも求人が多い理由です。

専門的なIT知識がそこまで必要としないため、業界未経験でも採用されることがあることがテクニカルサポート求人の特徴でもあります。実際に前職は全くの異業種という人も多くいます。

正社員であっても、ずっとテクニカルサポートのオペレーターに身を置くことは少なく、管理職になるか、エンジニア関連の部門に異動するというキャリアパスが見受けられるのことも特徴で、その際にも人員の募集が必要となってきます。どの職種にも言えることではありますが、直接客対応をするという性質から、クレームなどのストレスで退職してしまうというネガティブな理由もあります。

雇用形態と給料について

雇用形態は正社員、契約社員、アルバイト、派遣社員と様々です。基本的に管理業務を正社員や契約社員が行い、実対応の部分をアルバイトや派遣社員が行うというスタイルがよく見られます。テクニカルな面があるものの、電話対応などサービス業の面が多いためか女性が働く割合が多い傾向にあります。エンジニア関連の業種だと入社をしたら女性が少なく働きづらいと思うこともあるかもしれませんが、テクニカルサポートはその可能性が大分低くなります。

テクニカルサポートの年収は全業種で見ると低くはありませんが、IT系の職種の中では低い部類に入ります。平均400万前後が相場ですが、残業代や賞与を考えるともう少し増えます。未経験での月収は20万弱が目安となります。

アルバイトや派遣社員の雇用形態での時給は、サービス業に近い特徴を持ちながらも高い方で1,000円以上のところがほとんどです。テクニカル面の知識が多く必要になる求人だと1,500円ほどになるところもあります。

またテクニカルサポートはその機能を地方に分散する動きも見られ、同じ会社であっても働く場所によっても時給や年収が変わってきます。東京などの大都市で働く方が金額も高くなってきます。

求人を選ぶポイント

テクニカルサポートの業務内容は電話やチャット、メールなどのツールを使って問い合わせの対応をすることが共通となります。客対応と併せて技術的な代行作業や調査を行う場合もあります。また同じオペレーターの中でも役割が分けられていて、バックヤードの仕事をする人、調査をメインとする人、全体をまとめる人と分かれている職場もあります。

テクニカルサポートはシフト制が多いため、自分の生活スタイルに合っている勤務形態かを確認しておくことをおすすめします。土日祝が休みの求人、日中帯のみの求人など、入社後に無理が生じないものを選んで応募しましょう。家事と両立して仕事をしたい場合は、リモート勤務やフレックスタイムに対応している求人を探してみるのもおすすめです。

また客対応を行なっていくことから、大なり小なりのクレームに出会うことは珍しくありません。この点は避けて通れないということを事前に頭に入れておいた方が良いかもしれません。逆に感謝をされた時は直接その声を聞けるため仕事のやりがいになります。もし極力クレームの少ない仕事が良いということであれば、CtoCの窓口を選ぶ方が良いでしょう。SNSが主流となっている現代ではサポート内容がそのまま公開されることもあり、そういったことの耐性をつけていく必要もあります。性格的に長く続けられるかということもあらかじめ確認しておくと良いです。

将来性について

テクニカルサポートはAIによるサポートが台頭してくることで、近いうちになくなってしまう職種なのではという噂も出てきています。確かに簡易的な応答に関してはそういったツールに取って代わる可能性が十分にあります。しかしながら人によるサポートの需要がまだまだ多いことも事実であり、より精巧で複雑な人間同様のサポートをAIができるようになるまでは時間がかかります。AIを学習させていく業務を兼任しながらサポート対応を行なっていくという窓口のスタイルも今後増えると考えられます。

テクニカルサポートは、技術者としてのキャリアパスを考えている場合にスタートする職種としては適しています。基本的なIT知識はテクニカルサポートで習得し、サービスを利用する側の視点も持った視野の広いエンジニアになれる可能性があります。もちろん管理者となってコールセンター運用のプロになることや、会社内の管理職の立場になることもできます。客対応自体に魅力を見出してサービス業への転職をすることもできるため、幅広い可能性のある職種であると言えます。

関連性の高い資格について

テクニカルサポートの求人に応募するにあたって関連深い資格を4つ紹介します。ここで紹介する資格は、実際に職に就いてから取得しても遅くありませんが、応募時の書類に記載があると、サポートという職種についてすでに知識を持っている、あるいは実業務の習得が早そうという採用側の判断基準になります。

まず1つ目は「コン検」です。日本コンタクトセンター教育検定協会という団体が実施するサポートセンターに特化した資格試験です。資格はCMBOKとも呼ばれ、スキルレベルが5段階に分けられています。試験は簡単なITの基礎知識と、サポートセンター内での各ポジションごとの立ち回り方、マネジメント、戦略などについて問われます。

2つ目は「ITIL foundation」です。「コン検」はサポートセンターという役割を持った部署内でのオペレーションが問われるのに対し、「ITIL foundation」の幅はさらに広く、ITサービスを提供している組織全体のオペレーション知識を問われる試験となっています。

3つ目は「ITパスポート」です。「ITパスポート」は「基本情報技術者試験」などを実施している情報処理推進機構の資格です。こちらはサポートセンターに限らず、ITの基礎知識の習得具合を計る入門編となります。「基本情報技術者試験」や「情報セキュリティマネジメント」は「ITパスポート」の上位資格にあたります。「基本情報技術者試験」は深く広いIT知識が必要となり、「情報セキュリティマネジメント」は名前にもあるようにセキュリティに特化した設問がメインとなりますが、「ITパスポート」はその両方を包括しつつ、内容が簡単になった試験です。

最後は「.comMaster」です。NTTコミュニケーションが実施する試験で「ITパスポート」と同じく基本的なIT知識が必要となる資格です。2020年現在はレベルが3段階に分けられていて、レベルが上がるほど出題される各分野のより深い知識が必要になります。「ITパスポート」と異なるところは、「.comMaster」の方が一般的な知名度が高いところですが、出題範囲がやや広いです。

まとめ

テクニカルサポートは決して専門性の高い職種ではありません。しかしそれだけに未経験でも応募もでき、テクニカルサポートを起点として様々な職種へのキャリアパスが開ける可能性を秘めた仕事とも言えます。求人案件もたくさんあるため、もし応募を考えている方がいたらこの記事を参考に、みなさんに合った求人を見つけられると幸いです。