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  • C#エンジニアの転職は有利なのか?将

IT業界では日進月歩で技術が進化し続けており、それを活用した新たなサービス・システムが日々開発されています。当然のことながら、開発に採用される技術も時代の流れに則して変化しており、人気のプログラミング言語も移り変わりを続けています。トレンドに乗り遅れないため、新たな技術の習得に努めるエンジニアの方も多いでしょう。しかし、歴史の浅いプログラミング言語は洗練されている反面、将来性に不安があるのも事実です。エンジニアとしての市場価値を高めるためにも、幅広い開発に活用できる「普遍的なスキル」を備えておくのが重要です。

そんな普遍的なスキルとして、身に付けておきたいプログラミング言語の筆頭が「C#」です。着実に活用範囲を広げ、さまざまな開発で採用されるC#は、転職活動を有利に進めるうえでも身に付けておきたいスキルです。転職を検討するC#エンジニアの方、C#を習得して転職に活かしたい方に向け、C#転職市場の現状、年収アップへのポイント、将来性などを解説していきます。

C#の特徴

C#(シーシャープ)は、2000年にリリースされたプログラミング言語です。クラスとインスタンスで構成されたオブジェクト指向をメインスタイルに持ち、Microsoftによって開発されました。プログラミング言語としての歴史は比較的浅いものの、Microsoftによる開発が継続的に行われていること、汎用性の高さから、スタンダードとしての安定的な人気を確立しているといえるでしょう。以下からは、C#人気の要因ともいえる特徴を簡単に解説していきます。

マルチプラットフォームで幅広い開発が可能

開発元がMicrosoftということもあり、Windowsと結びつけて考える方も少なくありませんが、マルチプラットフォームで幅広い開発に活用できるのがC#最大の特徴です。C#を習得するだけでWindowsはもちろん、MacOS、iOS / Androidアプリ、Webアプリケーションなどの開発が可能となります。オブジェクト指向であるため、システムの部品化・再利用ができ、修正・流用が容易なのもポイントです。

C系言語ではあるが互換性はない

C++・Javaをもとに開発されたC#は、C言語・C++などのC系言語に属してはいますが互換性はなく、C#とC・C++を共存させることもできません。実行に仮想マシンを使うため、実行速度が比較的高速なのもC#の特徴であり、この点においてもC言語とは異なることがわかります。一方、新しい言語ながらもC系から派生したという性格も持つC#は、C・C++・Javaと構文・文法が似ているのも特徴です。特に条件分岐・繰り返し・関数定義などの基礎文法でその傾向が見られます。

比較的習得しやすい

オブジェクト指向に加えてコンパイル型でもあるC#は、PHP・Ruby・Pythonなどのスクリプト型に比べれば難易度は高いものの、C系言語のなかでは比較的習得しやすいプログラミング言語だといえるでしょう。統合開発環境であるVisual Studioや、ゲームエンジンUnityなど、GUIアプリケーションの開発環境を整えやすいものポイントです。Visual Studio for Macが登場したことで、macOS環境でも学びやすくなっています。特に構文・文法が似ているC系言語、Javaエンジニアの方は、学習コストを低く抑えられるでしょう。

C#エンジニアの仕事

C#はC系言語に共通する汎用性の高さを持つと同時に、無償で利用できる高機能な開発環境の整備されたオープンソースプログラミング言語です。幅広い分野でC#が採用されているのはこのためであり、当然のことながらC#エンジニアが参画できるプロジェクト、仕事の範囲も多岐にわたるのが特徴です。代表的なC#の活用例を紹介します。

Webシステム開発

Webサイト・ECサイトなどのWebサービス、SaaSを含むWebアプリケーション・システムなどの開発にC#が多用されています。特にアクセスが集中しがちなWebサービス・アプリケーションでは、処理速度が速く安定しているC#の得意分野であり、MicrosoftのWebサイトもC#が採用されています。ASP.NETなどのWebフレームワークが用意されているのもポイントです。ドラッグ&ドロップでコントロールを簡単に配置でき、用意されたサンプルを流用するのも可能です。

アプリケーション開発

Windows・Macなどのパッケージアプリケーション、オンプレミス型を含む業務システム開発にもC#は活用されています。C系言語ならではの堅牢性・汎用性に加え、Visual Studioに代表される容易なGUIアプリケーション制作環境が大きく評価されているといえるでしょう。

モバイルアプリ・ゲーム開発

かつて、SDKでPlayStation Mobileを開発する際に使われていたことがあるように、意外とゲームとの相性がいいのもC#の特徴です。そのため、OS / Android向けのモバイルアプリ、ソーシャルゲームを含めたゲーム開発にもC#の採用が広がっています。特にゲームエンジンUnityを利用したC#開発が拡大しており、画面構築・処理設定・複雑な3D処理を簡単に実行できるのがポイントです。ポケモンGoの例からもわかるように、盛り上がりを見せるVR/AR開発にもC#は重宝されており、今後、活用の拡大が期待されている分野でもあります。

C#エンジニアの転職市場

幅広い分野の開発に採用される汎用性の高さもあり、C#エンジニアに対する需要も実に幅広い分野に及んでいるといえるでしょう。SIerからの高い需要があるだけでなく、自社開発中心のIT企業、Web関連企業、ゲーム関連企業などからのニーズも旺盛であり、C#エンジニアの転職市場は活況を呈しているといえます。では、具体的にどのような仕事に携わることが多いのか?転職市場の状況をイメージしやすいように、C#エンジニア向けの公開フリーランス案件をいくつか紹介します。あるフリーランスエージェントでのC#案件は、検索時点で約570件ありました。

運行管理システムアプリ開発
・必須要件:C#を使った開発実務経験、.NET Coreを用いた開発実務経験
・歓迎要件:Webアプリケーションの開発実務経験
・待遇:SE / PG、〜58万円/月

医療業界向け基幹システム開発
・必須要件:C#、C#.NETを使った開発経験3年以上、MVVMでの開発経験
・歓迎要件:Oracleデータベースの設計・構築経験
・待遇:〜48万円/月

スマートフォン向け新規ゲーム開発
・必須要件:C#、C++、Unityを使った開発経験3年以上、アプリ開発経験1年以上
・歓迎要件:バージョン管理システムの開発実務経験
・待遇:SE / PG、〜75万円/月

Webアプリケーションインフラ開発
・必須要件:C#、Java、Python、JavaScriptいずれかの開発経験
・歓迎要件:プロジェクトマネジメント経験、ストリーミング開発経験
・待遇:SE、〜80万円/月

C#エンジニア向けのフリーランス案件数は、Kotlinの約3倍、Golangの2倍以上です。Javaには及ばないもののJavaScript、PHPよりやや少ない全体の4位に付けており、C言語、C++よりも需要が高いことがわかります。これは転職市場においても同様であり、C#エンジニアであれば転職活動を有利に進められる環境が整っているといえます。

C#エンジニアの年収は?

ただし、需要に対してエンジニアの供給数が少ないとはいえ、C#はある程度の普及が進んだスタンダードでもあり、稀少言語というわけでもありません。そのため、C#エンジニアの平均年収は低くはないものの、特別高年収だというわけでもないのが特徴です。これはC#同様に高い人気を誇るJava、JavaScript、PHPなどにもいえることであり、C#を含めた人気プログラミングの下限平均年収は、400万円程度となっていることが多いようです。

フリーランス案件を見ても、その傾向は現れています。C#案件の平均単価は月額約69万円であり、Kotlinの85万円、Golangの82万円とは10万円以上の開きがあるのがわかります。一方で、月額単価115万円というC#案件があるのも事実であり、スキルを磨いて経験を積んでいけば高年収も期待できます。実際、キャリアアップ転職を成功させ、年収1,000万円以上を稼ぐC#エンジニアも存在します。

C#エンジニアとしてキャリアアップ転職するには?

それでは、C#エンジニアとしてキャリアアップ転職を成功させ、高年収を得るためには、どのようなスキル・経験を身に付ければいいのでしょうか?まずは、C#というプログラミング言語の特性を踏まえたうえで、C#エンジニアとして高い価値を提供できる人材へと成長するのが肝心です。具体的には、さまざまな分野におけるC#開発の経験を積むのが重要です。汎用性の高いC#は、さまざまな業界のさまざまな分野で採用されているため、求められるスキル分野ごとに異なります。さまざまなニーズに対応できる経験を持っていれば、C#エンジニアとしても重宝されるでしょう。

C#に限ったことではありませんが、コーディングできるだけでは年収が頭打ちになってしまうのも当然のことです。高単価のフリーランス案件に共通する要素からもわかるように、上流工程の経験、マネジメント経験を積んでいくのもキャリアアップ転職を成功させるポイントです。

C#とともに習得しておきたい言語

C#は需要の高いプログラミング言語ですが、それだけでは高年収が期待できないのも事実です。しかし、基本となるC#を押さえたうえで、関連する言語も操れるようになれば、飛躍的な年収アップも可能でしょう。転職市場では、C#とともに求められる言語スキルとして「C++」「Java」「JavaScript」「Ruby」「SQL」「VB.NET」などが求められることが多いようです。特に構文・文法の似ているC++、Javaは、C#エンジニアであれば習得は難しくないため、積極的に取り組んでみることをおすすめします。

未経験でもC#エンジニアに転職できる?

C系言語としては比較的習得しやすいということもあり、ほかのプログラミング言語の実務経験を持つエンジニアであれば、C#未経験でも比較的転職はスムーズに進められる可能性があります。特に構文・文法の似ているC++、Javaエンジニアであれば転職は難しくないでしょう。研修制度を設けている企業もあるため、まったくの未経験者でも転職は不可能ではありませんが簡単ではありません。現実的には、第二新卒までのポテンシャル採用枠が規程できるというところです。

C#の将来性は?

Microsoftが開発し、現在でも年に1〜2回のバージョンアップが重ねられているC#に関しては、将来性を楽観視する意見が多く見られます。汎用性が高く、さまざまな分野で活用できるのに加え、VR/ARをはじめとしたゲーム開発に採用されることも多く、ネガティブな声はほとんど見受けられません。C++、Javaに代わって、組み込み系でC#が採用されることも多くなり、IoT、AIとともにまだまだシェアを伸ばしていける可能性も秘めています。

まとめ

ただし、トレンドの移り変わりが速いIT業界では、どんなプログラミング言語であっても絶対に安泰だとはいえない状況にあるのも事実です。エンジニアのベーススキルとしても最適なC#ですが、時代の流れを読みながら、新たな技術の習得に挑戦し続けていく努力が必要でしょう。そういった意味でも、C++、Javaもあわせて習得しやすいC#はおすすめです。まだ触れたことがないエンジニアの方も、C#へチャレンジしてみてはいかがでしょうか?