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はじめに

「キャリアビジョンを教えて下さい、という面接時の質問で答えに迷ってしまう」
「そもそも、キャリアビジョンがどういったものなのか正確に分かっていない」
転職活動を行っている方の中には、上記のような方もいるでしょう。

キャリアビジョンは、これから自分がどうなりたいかという今後のキャリアを考える上で欠かせないものです。しかし、どのようなことを書いたらいいのか分からない。どのように答えたらいいのか分からないというも方も少なくありません。

そこで今回は、キャリアビジョンの基礎知識や描く際のポイントを紹介していきます。また、面接時の質問での答え方を例を使って紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも「キャリアビジョン」とは

キャリアビジョンとは、自分がなりたい、もしくは理想とする将来の姿のことを指します。

例えば、将来どうなりたいかという自分の理想像を考えた場合、「エンジニアとして技術力を磨き、ヒット製品をいくつか作りたい」「営業の仕事でバリバリ成績を上げたい」など、さまざまなことが出てくるでしょう。このように自分の仕事方針や、将来どうなりたいかなどを考えることを指します。

このキャリアビジョンをはっきり持つことは、仕事に対してのみではなく、これからの生き方を考える良いきっかけとなります。また、自分が何をするべきか、何が必要かといった課題が見つかるというメリットがあります。逆に、キャリアビジョンを明確にしないまま日常生活を送ると、チャンスを得られる絶好の機会を見逃してしまう可能性もあります。

キャリアビジョンを描く際のポイントとは

キャリアビジョンは、転職の目的を明確にするために必要であると同時に、面接でもよく聞かれるものです。そのため、ノートに書き出すなど、整理しておくと良いでしょう。では、キャリアビジョンはどのようにして立てれば良いのでしょうか。描く際のポイントを紹介する前にキャリアビジョンの基本的な立て方を解説します。

【キャリアビジョンの立て方】
  • 現在のポジションや仕事内容を出発点として、3年後・5年後どうなるかをイメージ
  • 10年ほど先の理想像を決め、その理想像にたどり着くためには5年後・3年後どうあるべきかをイメージ
  • ゼネラリストなのか、スペシャリストなのかを決める
  • 身近な人や業界内で有名な人など、自分が憧れるような人を見つけ、その人のキャリアの積み重ねを参考に考える
  • 転職して実現させたいこと、具体的に必要なものをノートに書き出して考える

キャリアビジョンの立て方を理解できたところで、ここからはキャリアビジョンを描く際のポイントについて紹介していきます。

少し大きな目標を設定する

キャリアビジョンは、自分の理想やこうなりたいという夢であり目標でもあるものです。「夢はなるべく大きく持つことが大切」というように、キャリアビジョンで抱える目標も少し大きく設定しましょう。もちろん、「自分には無理」と思うような目標を立てる必要はありません。しかし、少し大きな目標を設定することで、目標意識に繋がり、入社後のモチベーションにも繋がります。

苦手克服も立派なキャリアビジョン

キャリアビジョンの目標設定は、仕事に関することだけではありません。例えば、コミュニケーション能力が必要な仕事の場合、コミュニケーションを取るのは苦手だけど、その職業に就きたいという方はいるでしょう。その場合、コミュニケーション能力の向上のために努力をしたいという苦手克服も、立派なキャリアビジョンになります。

やりたいこと・なりたいものをリスト化する

キャリアビジョンを最も簡単に考える方法は、5年後・10年後にやってみたいことや、なりたい自分を思いつく限りリストアップすることです。まずは、ノートに「〇〇できるようになりたい」「〇〇したい」というように簡単にリスト化し、その中で仕事に繋がるものをピックアップします。文章化することで、誰でも簡単にキャリアビジョンを描くことができます。その後、リスト化した目標を達成するためにどうすればいいのか、必要なことを考えていきましょう。

転職時の場合はどのような貢献ができるか検討する

転職するということは、転職前の仕事があるということです。そのため、転職先の企業にどのような貢献ができるか意識しながらキャリアビジョンを考えてください。この時、同業種への転職であれば「前職でやってきたことをどう活かせるか」、異業種であれば「前職で共通していること」を考えると良いでしょう。前職で身につけたスキルで、どのようなことが転職先でも活かせるかを把握しながら、キャリアビジョンを考え、書き出すことが大切です。

転職面接でも役立つ!キャリアビジョンの例とは

ここからは、面接でキャリアビジョンを聞かれた場合、どのように答えたらいいのかという具体例を紹介していきます。

具体例を紹介する前に、答え方のポイントをいくつか解説します。

【答え方のポイント】
  1. 結論:〇年後には、〇〇になるのが目標です。
  2. 理由:以前、〇〇として参加していました。そこで〇〇をした際に非常に充実感を覚えたからです。
  3. 補足:今は、その時に必要だと感じた〇〇を勉強するために〇〇をしています。
  4. 再度結論:〇〇となり、貢献したいです。

上記はほんの一例ですが、順序を整えて話すことで、裏付けがしっかりした相手に伝わりやすい説明ができます。では、具体的に面接で質問された場合の回答例を紹介していきます。

専門スキルを高めることについてのキャリアビジョンの回答例

前職では、エンジニアとしてC言語を専門としていました。さらに、自分のスキルを高めたいと思い、上流工程を経験できる御社を志望しました。5年後の目標としては、C言語のスキルをさらに磨きつつ、JavaやPHPなど、他の言語も実務レベルまで身につけることです。C言語以外は、未経験という弱点があることを自覚しているため、週末にスクールへ通って学習しています。まずは、年内にJavaの基本をマスターする予定です。ゆくゆくは、あらゆる言語を扱えるエンジニアになりたいと思っております。

独立支援制度などに関するキャリアビジョンの回答例

恐縮ですが、小生は御社に骨を埋めるつもりはございません。なぜなら、御社が社員に対して積極的に推奨されている社員独立制度に応募し、御社の店舗を譲り受ける形で独立を果たしたいと考えているからです。しかしながら、社員独立制度であっても、経営者として成功し続けるためには、並々ならぬ努力が必要であると考えています。そのため、最初の3年間はアシスタントマネージャーとして、店舗運営の基礎や店舗スタッフのマネジメントノウハウを徹底的に学び、自分を成長させていくつもりです。その後、店長やスーパバイザーに昇進し、5年ほどの時間をかけて経営者として成功できるような、店舗経営学や複数店舗のマネジメントノウハウを学びながら、独立試験に合格できるように自分の人格や知見を高めていきたいと考えています。そういった経験を積んで、10年後には独立して企業したいと考えています。

将来海外で活躍したいと考えているキャリアビジョンの回答例

もし御社へ入社できたら、これまで培ってきた英語力を最大限に活かして海外で活躍したいと考えています。もちろん、仕事を満足に覚えていない段階で海外に行けば、現地で足手まといになるだけですので、入社してから3年ほど国内でしっかりと御社の仕事を覚え、御社の戦力となれるよう、会社員として実力を向上させることに専心いたします。その間、英語力が錆びつくことのないようにTOEICの試験を定期的に受験して英語力の維持にも平行して励みたいと考えています。次に、入社から5年、遅くても7年後には社内テストに合格し、海外へ不妊して現地責任者のアシスタントとして海外での業務を学び、10年から15年後くらいには現地国の責任者として現場で陣頭指揮をふるいたいと考えています。

キャリアビジョンを描くときの注意点

最後に、キャリアビジョンを描く際に気をつけるべきことを2つ紹介していきます。

リアリティに欠けたものはイメージしにくい

夢は大きく描く・他の人が成し遂げたことがないようなことをやりたい、と思っていても、キャリアビジョンを実際に語る上で大切なのは、もっと具体的でイメージしやすいキャリアビジョンにすることです。そのため、環境的に実現が困難なリアリティに欠ける夢を語るのはNGです。

自己分析も同時に行う

キャリアビジョンを描く上で、自己分析も同時に行うようにしましょう。なぜなら、自分のことをしっかり理解していないのに、自分の将来を計画することは難しいからです。そのため、自分はどのような人間なのか、どのような性格でどのような特技を持ち、どのような分野に興味があって、どのような点が弱いのかなどについて、しっかり把握しておきましょう。また、将来はどのような生活を送りたいかなども考えつつ目標を設定し、そのためにはどのようなキャリアを積めば良いのかも検討しておくと良いでしょう。

まとめ

これまで、キャリアビジョンについて詳しく紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

キャリアビジョンとは、仕事だけではなく、人生においても「なりたい自分自身の姿」を意味するものです。近年では、企業との相性・相手の意欲などを確認するために、転職時の面接で聞かれるようになっています。転職時の面接のためにも、自分の目標を達成するためにも、今回紹介したことを参考にキャリアビジョンを考え、実際に作ってみてください。