支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡

  • TOP
  •   
  • コラム
  •   
  • 要件定義書 作成の流れ・目次例

要件定義

要件定義とは、システム開発における工程のひとつです。システム開発はクライアントからの要望があって始まります。クライアントの要望を実現するために、必要な機能などをまとめる工程を要件定義といいます。

要件定義書とは

要件定義書とは、クライアントの要望とそれを実現するための機能など(要件定義)をまとめた書類のことです。一般的に要件定義書はSE(システムエンジニア)が作成し、依頼があってからシステム開発を始める前に提出されます。要件定義書は一方的にSEが作成するのではなく、専門的な知識のないクライアントとの間に認識の違いなどが起こらないように、しっかりとヒアリングを行いながら作成する必要があります。SEとクライアントの相談によって、最終的に合意したものが内容になります。

要件定義書の作成手順

①ヒアリング調査

要件定義の最大の目標はクライアントの「ほしいもの」を形にすることです。そのため、そのユーザーに対してのヒアリングは必須となります。ヒアリングを通してユーザーからの要求を正確に把握し、細かいイメージを掴むことでシステムの全体を作っていきます。

②ニーズの細分化

クライアントやユーザーからの要求が把握できたら、それらを実現するために実際のプログラミングにおける機能を細かく細分化していきます。

③要件定義書の作成

要件の機能を細分化したら、これらをドキュメントに落とし込んでいきます。システムの全体像から細分化した機能までをしっかりと記述します。要件定義書はシステム開発の基盤になるのでとても大切な作業です。

要件定義書の項目

開発するシステムによって項目の内容はそれぞれ異なりますが、基本的に要件定義書には以下の項目が記述されています。

・業務要件

業務要件とは、システム開発の初期の工程で「業務として何を実現したいのか」という、システム化の対象となる業務の流れを明確化したものです。簡単に言い換えると「何をやりたいのか」という要望のことを指します。

・システム要件

システム要件とは、業務要件で定義した内容をどのようにシステムで実現するのか、方向性を示したものです。 「検索してその結果を表示できるようにしたい」と要望があったとき、「検索」にはフォーム入力・画像・音声入力など様々な検索方法が考えられます。どのようにシステム化するのか、どのような機能が必要かを明確化したものがシステム要件です。

・機能要件と非機能要件

要件定義の中で、実装する機能・必ず搭載する機能のことを機能要件といいます。機能要件はそのシステムをクライアントの要望どおり動かすために必須の機能を指します。

そして、非機能要件は機能要件以外の機能を指します。具体的には、処理速度やサーバーのストレステストやセキュリティーなどです。直接的にはシステムを動かすことに関係しているわけではありませんが、そのシステムの満足度を高めるために必要な機能を非機能要件といいます。

要件定義書 目次例

実際の要件定義書がどのように書かれているのか、以下の目次例で確認してみましょう。

<目次例>
1. 概要 
	A. システム構成図: システムの構成(データや業務の流れ)を示した図
	B. 背景: なぜ開発するのかの理由
	C. 定義: これから使う専門用語を簡単に説明
2. 業務要件
	A. 業務概要: 業務の流れをまとめる
	B. 規模:  どれくらいの規模を想定しているのか
	C. 時期・時間:業務を行う時期やかかる時間を定義
	D. 場所: システムがどこで使われるのか
	E. 管理する指標: 作業における指標を定義
	F. システム化の範囲: システムに関連する範囲を定義
3. 機能要件  
	A. システム機能: 【重要】システムの機能について(要件定義書で大きな部分を占める項目)
	B. 画面: 表示画面のイメージや機能について
	C. 情報・データ・ログ: データ項目や処理方法について
	D. 外部インタフェース: 外部インターフェイスを記入
4. 非機能要件
	A. ユーザビリティ及びアクセシビリティ: 誰がどのように使うのかを定義
	B. システム方式: システムの構成を定義
	C. 規模: 想定規模を定義
	D. 性能: システムの性能に関する事項や閾値について
	E. 信頼性: システムの信頼性について
	F. 拡張性: システムの拡張性について
	G. 上位互換性: バージョンの対応方法(前のバージョンの対応方法など)について
	H. 継続性: 冗長性(システムに不具合が起こった場合にも対応できる安全性)について
	I. 情報セキュリティ: セキュリティーレベルについて
	J. 情報システム稼働環境: セキュリティーを考慮した最適な稼働環境について
	K. テスト: テストについて
	L. 移行: 移行のプロセスやタイミングについて
	M. 引継ぎ: 引き継ぎ業務などについて
	N. 教育: 運用方法・利用方法の教育について
	O. 運用: 運用体制や運用業務について
	P. 保守: 誰がどのように保守を行うのかについて

まとめ

いかがだったでしょうか。 こちらで紹介した内容はひとつの例です。システムの内容によっては項目が異なります。要件定義書の項目内容や目次例を見て、少しでも理解を深めていただければ幸いです。