支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


多くの企業に設けられている営業という職種ですが、実際に営業職の人たちの仕事内容はどのようなものなのでしょうか。今回は具体的な仕事内容や営業職に就く上で必要なスキル、向いている性格などを解説していきます。

営業職の種類と仕事内容

営業職の仕事内容は、簡単に言うと「自社の商品やサービスを魅力たっぷりにより多くの顧客に紹介し、企業と顧客をつなぐ架け橋になること」です。営業職と一言で言っても業界や職種によってその仕事内容はそれぞれ異なりますが、本質としては顧客のニーズを汲み取り、顧客の求めに応じて最適な商品やサービスを提案するという部分はどの営業職でも共通しています。数字を作ることはもちろん大切なことですが、営業成績や自社の利益ばかりを追い求めるとその顧客が本当に欲しているものよりも新しい商品やサービスを紹介してしまい、結果契約が取れないどころか顧客からの信用を失いかねません。顧客第一主義を掲げて真摯に顧客と向き合い続けることで自ずと結果はついてきます。
はじめに主な営業職の種類をいくつか紹介して、それぞれの仕事内容を簡単に説明します。

営業職の種類

法人営業

法人営業とは、企業などの法人(企業)相手に営業活動を行う営業職です。法人営業職に就く人は対個人の営業活動よりも、取引に関してその企業を代表する立場であるということを忘れてはなりません。担当者個人と商談を進めている、と言うことではなく、あくまでも企業対企業のビジネスを行っているという自覚をしっかりと持地、ビジネスコミュニケーションを取る必要があります。また、法人営業は顧客のエージェントのような役割を果たさなければならない場合もあるので、顧客企業の業界知識や動向などを把握し、先回りして顧客へいろいろと有益な提案をしなければなりません。ときには短期的に見ると自社の利益が多少見込めないような場合でも、担当顧客の便宜を図っておくことで長期的に見ると最終的には自社へ大きな利益をもたらすことができるかもしれない、というようなビジネスセンスを持っていることも重要です。
法人営業は個人営業と比べると、取り扱う商品やサービスの規模や金額が桁違いになります。一度の取引で莫大な金額が動くこともあるため、難易度も責任もより大きくなります。

個人営業

個人営業とは、個人消費者を対象にして営業活動を行う営業職で、一般的には金融、車、住宅のような消費者の生活に直接関係してくる商品やサービスを扱います。法人営業に比べると顧客の感情をダイレクトに受けるというのはメリットにもデメリットにもなりますが、対人関係を築きやすいというのも事実です。提案する商品やサービスについて幅広い知識を持ち、顧客が疑問や不安に感じそうな部分を事前に把握して適切な解決方法を提示できることが大切です。コミュニケーションの方法も専門用語を並べるのではなく、その商品やサービスのことを全く知らない人でも理解できるよう分かりやすい言葉で説明できる力が必要です。
個人営業は法人営業に比べてその場の雰囲気や顧客の感情などで契約が決まる場合が多くあります。個人対個人のやりとりなので、商品やサービスの魅力以上に「この人から買いたい」という気持ちが上回ることで契約につながりやすい傾向があるためです。商品やサービスの魅力を顧客に伝えることはもちろん大前提として必須なことですが、それ以上に自分自身の魅力を顧客に伝えることも個人営業業務をする上では大切なことです。個人営業で提案する商品やサービスには多くの競合他社が存在しますが、他社ではなく自社との契約をしてもらうためには商品以外の部分での付加価値をどれだけつけられるかということが求められます。一般的に法人は「理」を、個人は「情」を重要視する傾向があることを覚えておくと良いかもしれません。

新規開拓営業

個人法人問わず、企業が成長していくためには既存顧客のみではなく新規顧客を獲得しなければなりません。新規開拓営業は文字どおり新たな取引先を開拓していく営業職です。会社の規模を大きくするため、自社の商品やサービスを世間に浸透させていくため、というようなPR活動の一面もあります。自社の商品やサービスを利用したことがない人、もしくは商品やサービス自体を知らないという人に向けても営業活動を行うため断られることもしばしばあります。その商品やサービスの知識がない人への営業活動ですので、分かりやすい言葉で的確に説明できる能力が必要になります。

ルート営業

ルート営業はすでに自社との取引がある顧客先を回って現状や良かった点、困っている点などを聞きながら営業活動を行う営業職です。個人法人問わず同じ顧客の元を何度も訪ねることになるので、顧客との信頼関係を築くことが非常に重要です。顧客が悩んでいること、困っていることを聞き、自社の商品やサービスでそれらをどのように解決できるのか親身になって考え続ける必要があります。また、同じ商品やサービスを継続して利用してもらえるようなきめ細かいフォローをしたり、新しい商品が出た際にはその魅力をうまく伝えて利用してもらえるような交渉ができる提案力が不可欠です。 

飛び込み営業

飛び込み営業は、個人法人問わず事前のアポイント無しで訪問して営業活動を行う営業職です。そもそも自社の商品やサービスを必要としていない相手へ営業活動をしなければならない場合もあり、体力的にも精神的にも特に苦労する営業スタイルだと言われています。若干古典的なアプローチ方法ですが、現代においても飛び込み営業が有効な顧客が一定数いることから、今でもこのスタイルでの営業活動を行う企業は少なからずあります。飛び込み営業ではいかにして商談まで繋げられるかがポイントであり苦戦する部分でありますが、アポイント無しで訪問をしていることを詫びつつ真摯に相手方に向き合い、信頼を勝ち取れるようなコミュニケーションを心がけることが重要です。

反響営業

反響営業は、こちらから営業活動を行うのではなく、相手から自社の商品やサービスに問い合わせがあった場合にその内容に対応する営業職です。ホームページや広告などを見た人から連絡があり、アポイントを取って訪問もしくは電話等で説明を行います。基本的には相手が情報を欲した状態で営業活動を行うことができるので受けの営業などと呼ばれることもあり、飛び込み営業と比ベて心理的な負担は少ないと言われています。

テレアポ営業

テレアポとはテレフォンアポインターの略称で、顧客獲得のために用意された顧客リストを元に電話で営業活動を行う営業職です。最大の目的は顧客と会うためのアポイントを取り付けることで、電話の段階で商品やサービスの説明、売り込みを事細かにしすぎる必要はありません。あくまでも「この人と会ってもっと詳しく話を聞きたい」と思ってもらうことが大切ですので、具体的ではありつつも簡潔に商品やサービスのメリット紹介をできるようにする必要があります。
電話先の相手は情報を必要としていない場合も多く、中にはあからさまに不機嫌そうな対応をされたり、ぞんざいに扱われたりと精神的に苦労することもあるかもしれません。テレアポ営業のコツとしては、最初の導入部分で説明を長くしすぎないこと、メリットを簡潔に伝えること、マニュアル通りではなくトークスクリプトを相手に合わせて変化させることなどが挙げられます。テレアポ営業では他のアプローチ方法に比べて断られる確率も高くなりますので、例え相手に断られても気にしすぎないようにすることも大切です。
また、電話越しでお互いに相手の顔もわからない状態のため、対面での営業活動以上にビジネスマナーや言葉遣い、口調、声のトーンなどに気をつけて話をする必要があります。

営業職に向いている人の特徴

ここまでさまざまな営業職を簡単に解説してきましたが、営業職にももちろん向き不向きはあります。今回は営業職に向いている人の特徴をいくつか紹介させていただきます。

コミュニケーションスキルが高い

顧客が個人であろうと法人であろうと、コミュニケーション能力は営業職につく上で欠かすことのできないスキルです。ただし、コミュニケーション能力が高いというのはこちらの話を一方的にして半ば押し売りのような形で強引に契約を取るということでは全くありません。相手の話をきちんと聞いた上でニーズ把握を的確に行い、顧客ごとに最適な提案ができる人のことを言います。

好奇心旺盛でチャレンジ精神が高い

これは営業職に限った話ではないですが、営業職をしていると何をしても顧客との契約につながらないスランプの時期が必ずあります。このような時に、好奇心旺盛な人ほど現状の課題は何か、どうすれば課題を解決して顧客の契約につなげられるのかということを追求することができます。好奇心旺盛な人は興味を持った分野への探究心が強いため、市場や業界研究を熱心に行うことで営業成績に直結しやすいとも言えるでしょう。
また、営業をしていると多少の無理難題を顧客から頼まれることもあるかもしれません。そのような時に気持ちが折れてしまうのではなく、難しい相手だからこそ自分を成長させるためのチャンスだと考えられる人は営業職にとても向いているでしょう。

粘り強くコツコツと努力できる

営業は断られるのが当たり前と言っても過言ではない世界です。顧客との交渉がうまく行かなかった、契約を取ることができなかった、とその度に落ち込んでいるようではキリがありません。もちろん毎回の営業活動においてどこが良くなかった、どこの部分は反応が良かったので言い回しをもう少し工夫しよう、などと次回の営業活動に向けてのフィードバックをし、改善に努めるということはとても良いことです。時には冷たくあしらわれてしまうこともあるかもしれませんが、地道に粘り強く営業を行うことは、営業成績を上げていくことにおいて遠回りのようで実は一番の近道かもしれません。

常に顧客第一主義で謙虚である

営業職は会社間であっても個人間であっても相手先があってこその仕事です。もちろん営業職をするうえで数字を作ることは必須であり、それが会社にとっての利益にも繋がります。しかし、だからと言って顧客のことを考えずに、自社にとって利益になる商品やサービスばかり営業活動をするようでは、優秀な営業マンであるとは言えません。いくら自社の商品やサービスが優れていても、必ずしもどの顧客にとってもそうであるとは限らないのです。顧客の立場に立って物事を考え、悩みや課題を解決するために寄り添うことが必要です。
また、どんなに営業成績がよくても初心を忘れず謙虚であることは大切です。優秀な営業マンは、ずば抜けた交渉力とは裏腹に非常に腰の低い方が多いです。目の前の顧客としっかり向き合い、顧客一人ひとりにとってベストなことを一緒に考えながら信頼を勝ち取ることができれば、自ずと結果はついてくるはずです。

まとめ

今回の記事では、営業職の具体的な仕事内容や必要なスキルなど、営業未経験の方でも分かりやすいように解説をさせていただきました。
営業職は大変そうというイメージを持つ方や、「自分には営業職は向いていない」と考える方も少なくないでしょう。確かに営業職は簡単な仕事ではありませんが、だからこそ顧客の契約が取れた時の感動はひとしおです。また、営業職の何よりの醍醐味は多くの人との出会いです。きちんと顧客の立場に立って考えることができれば必ず結果は付いてきますし、顧客からの感謝の言葉はビジネスパーソンとしての自信につながるはずです。
営業職と一言で言っても本当に様々な種類があるので、ぜひ皆様も自分に合った営業職とは何だろうと考えていただくきっかけになれば光栄です。ここまでお読みいただきましてありがとうございました。