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サーバーエンジニアは何をする人?

IT業界では「エンジニア」と呼ばれる様々な職種があります。いわゆる「技術専門職」に該当する職種のことを指しますが、エンジニアにもいくつかの種類があります。その中でここ数年のトレンドとして注目されている職種がネットワークエンジニアやWebエンジニア、そして今回ご紹介するサーバーエンジニアです。

サーバーエンジニアは現代の「インターネットに接続していること」や「インターネットを利用した各種サービス」が当たり前になっている世界では必須と言ってもいい職種です。なぜなら、サーバーエンジニアがいるからこそインターネットに不可欠な「サーバー」の構築や運用が可能になるからです。

「サーバー」とは?

「サーバー」という言葉を耳にしたり目にしたりしたことがあると思います。サーバーという言葉はそれだけ現代において日常的に使われており、それは日常生活の中にサーバーを使用したサービスが多く存在するからでもあります。

では根本的な話として「サーバー」とは一体何なのでしょうか?言葉は聞いたことがあっても実際に説明するのは難しいという方もいるかもしれませんので一度おさらいしておきましょう。

もしかしたら「サーバー」という機器を想像する方がいるかもしれません。実際に企業などの「サーバールーム」に入ったことがあれば、大量に陳列されたPCやワークステーションを見たことがあるでしょう。サーバールームに陳列されたPC=サーバーであると考える方がいるのは自然なことだと言えます。

しかし「サーバー」とは実際にはプログラムであることが多いのです。サーバーのプログラムとは、利用者の要求に対して適切な回答を提示することです。例えばWebサイトであれば「www.abcd.comというアドレスが打ち込まれたブラウザに、www.abcd.comというサイトを表示させる」というプログラムを、サーバーが管理して表示させています。なぜ「サーバールーム」にはあれだけたくさんのPCが置かれているのかというと、画像や映像などを扱うWebサイトの場合は、保管されている画像や映像を表示させる必要があるため、それらを保存するストレージとしてPCの筐体が必要になるのです。

サーバーの役割

サーバーに求められている役割は、繰り返しになりますが「利用者が要求するデータや回答を、適切な方法と内容で利用者に提示すること」です。「画像が見たい」と要求している利用者にメールを送信するアプリを開かせるのはNGですし、「住所を検索したい」利用者に対して動物の画像を提示するのはNGです。

このように、サーバーの役割は「A」という要求には「Aに関連するもの」、「B」という要求には「Bに関わるもの」を提示することです。しかし、例えば映像や画像を求められたときに求められたものを持っていなければ提示することができません。そのため、サーバーは裏側にデータベースを抱え、自分が持っている物の中には必要なものがなかった場合に、データベースの中から求められている物が存在する場所(Webサイトなど)を提示するのです。

これらのデータベースを保管しておくためのストレージとしてPCやワークステーションが必要となり、1台だけでは処理能力が足りないことが多いため、複数台のPCやワークステーションがサーバールームに設置されることになるのです。

サーバーエンジニアの仕事内容とは?

ここまで紹介してきた「サーバーに関する技術」を身につけ、サーバーに関する業務を行うのがサーバーエンジニアです。サーバーエンジニアに求められる仕事は大きく分けて3つあり、それが「設計」「構築」そして「保守・運用」です。それぞれどのような内容なのかについて説明していきます。

設計

「サーバーの設計」とは具体的にどのようなことを言うのでしょうか?一言で説明すると「用途と機能を決め、それに合わせた基本設計を行う」のがサーバーの設計業務ということになります。IT系の業務に関わったことがあったり、IT系の知識がある方ならご存知かもしれませんが、基本的にサーバーは稼働を始めたら24時間365日電源が落とされることはありません。常に動き、機能が継続することになるのですが、そのために「どのような性能のPCが必要で、台数はどの程度必要か?」というハード面の必要条件を設定します。

さらに、ハードの構成が決まればソフト面、プログラム面でどこまでの機能を盛り込めるかが見えてきます。注意しなければいけないのはハード面の構成とソフト面の機能実装は両輪になっているということです。どちらか一方だけでもサーバーの稼働はうまくいきませんから、必ずハードとソフト両方の設計を求められるのがサーバーエンジニアです。

ソフト、プログラム面の設計においては、サーバーの用途によってOSも選定する必要があります。一般的なPCと同じようにWindowsベースで良いのか?MacOSが良いのか?それともUNIXか?Linuxか?考えることはたくさんあります。OSによって機能や得意とする分野に特徴があるため、これから構築していくサーバーが何を目的としているのかによってOSの選定も行う必要があります。

構築

サーバーエンジニアが行う「構築作業」の内容は、簡単に説明すると、基本設計で定義したサーバーの構成を実現することです。設計ではOSの選定や、サーバーに要求される機能に合わせたソフトウェア(ミドルウェアとも呼ばれます)の選定、そしてそれらの設定を決めると説明しました。

構築作業においては設計の段階で定義された内容を実際に形にするため、PCやワークステーションにOSをインストールし、ソフトウェア(ミドルウェア)やプログラムをインストールし、必要な機能を実行できるように数値やプログラムの設定作業を行い、実使用できる状態に仕上げることになります。

サーバーエンジニアという職種がサーバーに特化した仕事になっているのは、扱うOSの種類が多く、それぞれのOSごとに必要な設定作業が異なることも一因だと考えられます。一般的に個人で使用するPCはWindows系PCかAppleのMacの二択です。この場合は特に専門的な知識がなかったとしても扱えるように調整されていますが、サーバーの場合は業務用であることと一般的な使用方法とは用途が異なるため、OSの設定そのものが特殊な内容になります。

セキュリティに強みを発揮するOSやデータベースの構築に適したOSなど、用途や目的によって選択すべきOSは異なり、またそれぞれの用途で行われるべき設定内容も異なります。そのため、通常の使用においてはインストールされない特定のソフトウェアやプログラムを独自に組み込んだ仕様でサーバーを構築することもあります。

このように、サーバーエンジニアはサーバーを立ち上げるためのあらゆる作業を担当することになります。

保守・運用

サーバーエンジニアが最も必要とされる場面、そしてサーバーエンジニアとしての知識と技術が最大限発揮される場面は、保守・運用の場面と言っても過言ではないでしょう。稼働が始まったサーバーは基本的に24時間365日、電源が落とされることはありません。また、機能を停止させたり、休止することは想定されていません。なぜならサーバーが稼働していること=サービスや製品が正常に機能すること、という側面もあるからです。

特にWebサービスの場合は営業時間や定時のような考え方は存在しません。ユーザーがいつ使おうとしても使いたいように使えるというのがWebサービスの基本的な考え方であり特徴ですし、Webサービスの最大の強みでもあります。

逆に考えれば、サーバーの稼働が止まったり機能に障害が発生するということは避けなければなりません。サーバーエンジニアはそのような状況が起きたとしてもいち早く復旧させることも求められます。障害は昼夜関係なく発生することになりますので、場合によっては深夜に業務を行うこともあり得ますが、このような業務を担当する場合は複数のサーバーエンジニアが交代で業務にあたったり、オペレーターと呼ばれる連絡役のスタッフが状況を確認し、サーバーエンジニアは必要な場合に現場に行ったり作業を行うことになります。

運用面でもサーバーエンジニアに求められる役割は重要です。企業に所属する場合と、業務として別法人の仕事を請け負う場合で若干異なりますが、基本的にはサーバーを保有する元がトラブルなくサーバーを使っていけるような手順をレクチャーしたり、不必要な操作が行われて障害の元になったりしてしまうことを防ぐためにある種の「監視」や「管理」を行うことも求められます。そうすることでトラブルが起きることを未然に防ぐことができます。

サーバーエンジニアに求められる知識

サーバーに関連する様々な業務を担当するサーバーエンジニアですが、どのような知識が求められるのでしょうか?プログラミングなどの知識が求められる場面もありますが、最も必要な知識は「OS」に関する知識です。

サーバーの設計や構築、そして保守・運用においては様々なOSを取り扱うことになります。もちろん最初から全てのOSに関する知識を深めることは難しいのですが、Windowsに関する知識が深まったら次はLinuxの知識を勉強し、その次はUNIXというように複数のOS知識を持っておくと仕事の幅が広がります。

また、それぞれのOSは異なる哲学に基づいて作られていますが、プログラムやシステム全体を管理するための存在としての「OS」であることは共通しています。そのため、複数のOSに関する知識を横断して持っておくことで知識の応用により仕事が円滑に進むこともあります。また、一つのOSだけを扱えるサーバーエンジニアよりも、複数のOSを扱えるサーバーエンジニアの方が引き合いは多くなりますので、企業に所属して働くとしてもフリーランスなどの業務請負を行う場合でも重要な仕事を任せてもらえて評価を高めることが可能になります。

まとめ

ここまで、「サーバー」のスペシャリストとしての職種「サーバーエンジニア」について解説してきました。Webサービスを中心とした、現代の様々な製品やサービスにサーバーは不可欠なものです。ITインフラはサーバーがあるからこそ成り立つものであると言っても過言ではなく、サーバーエンジニアはまさに世の中を支える存在だと言っても言い過ぎということはないでしょう。これを機会にサーバーエンジニアについて理解を深め、チャンスがあればサーバーの知識も得てみるといいでしょう。