エンジニアの評価について

はじめに
この記事では、ITエンジニアの一般的な会社の評価制度の現状と課題について書いていきます。
1.従業員の悩み

・エンジニアに求める結果を明確にできるか?
仕事をどれだけ頑張ってもエンジニアに求めるパフォーマンスを明確化、定量化が難しいという方が多いです。
営業は数字を達成すれば評価をされるといったことが共通認識になっていますが、エンジニアには物を売って数字を達成するといった制度はありません。
何を持って達成なのか、その結果が明確でないため、このような悩みが生まれます。
・結果のみを評価すべきか?
結果だけで評価をしてしまうと、エンジニアのモチベーションが上がりにくいというのはみんな感じているようです。
経営的な視点においても、短期的な結果にベクトルが向くと、長期的に重要な技術力を向上させるという方向にベクトルが向かわない、向かいづらいということを危惧している企業も多いようです。
結果は大事ですが結果だけではなく、メンター制度などを導入して、技術力を上げることを目標に設定をする企業も出てきています。
また、技術力よりもプロダクトが重要という考えの会社でも、技術的なインプットは比較的工数をかけて評価しているところもあります。
・評価すべき技術力とは?
作り上げる力、先を見通す力、影響を広げる力を見るようにして、 プロダクトをどんどん作れるだけではなく、それが変化に強い設計なのかどうか、社会にインパクトを与えるものなのかどうかということを総合的に評価するというのが評価すべき技術力です。
・エンジニアに特化した制度を作るべきか?
エンジニアの組織を作っていこうというときに、エンジニアに特化した制度を作ろうという話になることもあるでしょう。
しかし、エンジニアだけ特別待遇しないという企業が多いでしょう。
中にはユニークな制度がある会社もありますので、のちの章で解説していきます。
2.どうすべきか
ここでは、実際にエンジニアの評価の例を3つほど上げていきます。
例①
新卒・中途など入社年数にかかわらず、エンジニアには必ずメンターが1人つき、評価は成果、行動、専門スキルの3つの軸を持つようにします。
メンターは部下の評価点だけをつけていくのではなく、定期的なフィードバックを行い進捗状況を確認します。
専門スキルというのはメンターの視点から会社の求める技術に達しているかの専門性を適切に評価していき、目標の達成の結果は期末の評価には織り込まず過程を評価します。
例②
とある企業の例では技術力評価会というエンジニアの評価制度があります。技術力評価会というのは、半年に一度会社の全エンジニアが集まり、エンジニア同士での評価を行うという制度になっています。
各自、自分の仕事の中で特に評価してもらいたいことを選び、他の上位エンジニア2人に対してプレゼンテーションを実施します。評価の方法は点数方式ではなく文章で行われます。その人に出された評価は社内で共有をされまとめられます。
自分より上位のエンジニアに評価されることで、適正で納得のいく評価が得られることに加え、それらの評価を社員全員で共有してフィードバックを行うことで、問題点や課題点などを共有できます。
例③
実際に導入している企業も多いかもしれませんが、半期ごとに明確な目標管理をする目標管理制度です。半期に一度、各拠点や各部署にて、在籍スタッフ全員で目標を設定します。毎月1回の上司による部下面談を実施し、目標達成へ向けたスタッフの認識のずれを修正します。
また、各拠点や各部署で目標を決めた後には、各プロジェクトごとのレポート作成を行うといった取り組みもしていきます。実際に導入していた企業では過去に部署ごとに部署と社員一人ひとりの目標やアイデアをまとめたポスターや冊子、資料などを役員の会議に提出し審査を行なっていました。その審査で1位を獲得するとその部署に100万円の賞金ボーナスが出るという取り組みが行われました。このような制度は、各部署や個人一人ひとりのモチベーションが上がり、生産性が高まります。
ここまで例を挙げましたが、まず大前提の条件として、評価を受ける側というのはプラス評価とマイナス評価があると認識するのが重要です。不満を言う従業員たちはプラスの評価がどのくらいついたのかしか見てませんが、マイナスの評価をされたとしても受け入れなければ、そもそも正当な評価はあり得ないものになってしまいます。マイナス評価を受けたくない方は、現状を維持し続けるのが最良です。
まとめ
ここまで、エンジニアの評価の悩みと評価の例をいくつか挙げてきました。
ユニークな制度もありましたが、それぞれメリットとデメリットは必ず出てきます。
ある程度会社共通の評価制度を取り入れた後に、お試しでユニークな制度を導入して、その会社に合うように改良していくのが最良です。
また、IT業界というのは新しい技術が生まれやすく、日々仕事のやり方は変わってきていますので、それに合わせて評価制度も変えていくのが望ましいです。