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Appleデバイスに搭載されるアプリケーションを開発することができるSwiftエンジニアは、これからも需要がある仕事なのでしょうか?この記事ではSwiftエンジニアの将来性や年収面での実態について解説していきます。ぜひ最後まで読んでください。

そもそもSwiftとは何か?

SwiftはAppleが2014年に発表した、比較的新しいプログラミング言語です。SwiftはiOS、Mac、Apple TV、Apple Watch向けのアプリケーションを開発するために開発されたプログラミング言語で、より多くの人がプログラミングを習得し、より良いアプリケーション製品を開発できるようにというコンセプトを持っています。

いわば「Apple純正の、Appleのためのプログラミング言語」とも言えるSwiftは、2014年までiOSを代表とするApple製品向けのアプリケーションを開発するために使われていた「Objective-C」の後継にあたるプログラミング言語です。両者の最大の違いとしては、「Swiftはより直感的でシンプル」な言語だとされている点です。

Objective-Cは各種OSを中心に大規模なソフトウェアで採用されている言語で、1984年に開発されている歴史のある言語です。しかし、現在Appleが自社に搭載されるアプリケーション開発の中心に据えようとしているSwiftと比較すると「バグを引き起こしやすい構造」をしているとも言われています。そのため、Swiftがリリースされて以降は開発者の間ではSwiftを使った開発に移行する流れが強まっていると言われています。Swiftはオープンソースであるため、インターネット上などでのコミュニティも続々と増えており、開発者達にとって「都合よく、使い勝手の良い」言語に成長していると言えるでしょう。

Swiftエンジニアの平均年収は?

Swiftエンジニアとしての年収レンジはどれくらいなのでしょうか?年代別や経験年数によって異なる場合がありますのでそれぞれ紹介していきます。

20代:未経験から1〜2年程度の経験=年収300〜400万円

Swiftエンジニアとして未経験であったり、実務経験が1〜2年の場合は年収300万円〜400万円前後のことが多いようです。2020年度大卒初任給の平均が21万円程度なので、年収換算だと約250万円台(賞与、手当等抜き)です。例えば大学を卒業し、実務未経験でSwiftエンジニア「候補」として就職する場合は、平均以上の給与を期待できると考えられるでしょう。

30歳前後:経験3〜5年以上=年収400〜500万円

20代後半〜30代前半で、Swiftエンジニアとしての実務経験が3〜5年以上ある場合は年収400万円〜500万円前後が期待できると言われています。実際に求人情報などを調査してみると、経験3年以上で月給40万円〜という募集案件も多数あります。東京都の30〜34歳男性の平均年収は430万円だと言われていますので、この年代でもSwiftエンジニアの年収は平均レベルかそれ以上を期待できると考えられます。

経験6年以上〜=年収500万円以上

Swiftが登場したのは2014年なので、2020年現在におけるSwiftエンジニアとしての経験年数は理論上6年がMAXだと考えられます。つまり、Swift実装初期から実務経験を積みプロジェクトに参加してきた「ベテランエンジニア」という扱いになります。Swiftを使った開発チームとしての経験もあるため、新規プロジェクトの立ち上げやマネージメントも期待できる存在だと考えられるので、Swiftエンジニアの世界では数少ない貴重な存在だと言えるでしょう。そのような存在であれば年収500万円以上が狙えると考えられます。

経験した実務内容とスキルによって収入は変化する

ご紹介している年代ごとの年収はあくまでも目安です。Swiftエンジニアは技術職ですから、最も重視されるのは「どんなスキルがあるか」「どのような開発経験があるか」といった技術セットです。例えば、20代であってもSwiftだけではなく、C#やJavaScript、Rubyなど複数の言語を扱うことができたり、個人でアプリを開発しリリースした経験があったりと「他の人が持っていない経験、特徴、スキル、知識」があれば年収は平均以上のものになる可能性が高まります。

Swiftは発表されて6年目の言語であるため、経験「年数」では大きな差がつきにくいと言えます。そのため「これから始めようとする未経験者」が、出遅れてしまって年収面で経験者よりも不利ということはなく、平均年収の点で考えれば多職種と比べて収入面でのチャンスが多いプログラミング言語だと言うこともできるでしょう。

Swiftエンジニアの需要はどれくらい?

既に現時点でSwiftエンジニアである方にとっても、これからSwiftエンジニアを目指そうと思っている方にとっても気になるのは「Swiftエンジニアとしての需要があるか?」ということでしょう。せっかくSwiftを使った開発技術を身につけても需要がなければ仕事をすることはできません。では、Swiftエンジニアとしての需要はどれくらいあるのでしょうか?

SwiftはApple製デバイスにインストールされるアプリケーションを開発するための言語です。そのため、Apple製デバイスがこの世界に存在する限りSwiftの需要は無くならないと考えることが可能です。ただし、注意しなければいけないのは「AppleがSwiftに代わる言語を採用する可能性もゼロではない」ということです。Appleはこれまでも、新製品発表のタイミングなどを機に様々な既存の技術を置き換えることがありました。初代iMacがリリースされた際にはフロッピーディスクドライブの搭載を取りやめているほか、最近ではこれまで主流だったUSB3.0ポートを続々とUSB-Type Cに置き換えています。そのため、もしSwiftよりも開発効率が良かったり、バグの発生率が低いなどの特徴を持つ言語が登場すればそちらに置き換わる可能性があるということは留意しておく必要があるでしょう。

とはいえ、Swiftは2014年に発表されたばかりの言語であり、まだ技術的に固まりきっていない言語でもあります。開発者の数もまだ増えている最中であるため、開発者コミュニティの中でも改善案などが活発に議論されている最中です。Apple自身もSwiftの普及に力を入れており、公式Webサイトで「Everyone can Code」キャンペーンを展開したり、iPadに無料でインストールできるPlaygroundアプリを使って若年層のユーザーがSwiftを学習し、コーディングできるようにしようとする施策を積極的に行っています。当面の間はAppleがSwiftを別の言語に置き換えていく動きをする可能性は低いと予想することができます。

現時点でAppleの業績は好調で、2020年7月の業績発表では売上高を前年対比で11%増加させたと発表しています。1株あたりの利益も18%増加しており株主からの評価も好調です。したがって、今後もiPhoneやiPadといったiOSデバイスや、Macなどの新製品開発に人的資源や経営資源を投資していくでしょう。Appleの新製品が数多くリリースされ、Apple製品を取り巻く市場が拡大するということはSwiftを使う開発環境も増加する可能性が高いということを意味します。

特に日本においてはiPhoneの機種別市場シェアが50%を超えているため、iPhoneの市場シェアが大きく落ち込まない限りはiPhone向けアプリの開発トレンドが後退する可能性は低いと考えられます。つまり、日本におけるSwiftエンジニアの需要はこれからもしばらく安定していると考えていいでしょう。

Swiftエンジニアとして成功するために

Swiftエンジニアとして成功するためにはどんなことが必要なのでしょうか?Swiftを勉強し身につけることはもちろんですが、開発現場に入るか、実際に自分でSwiftを使ってアプリを開発してみることが必要です。どんな形でも経験があればその経験をアピールすることができるうえ、同年代の未経験の人よりも評価されることに繋がる可能性は高まります。

Swift以外の言語を身につける努力を怠らないことも重要です。Swiftエンジニアが関わる開発現場はApple製デバイス向けのアプリケーション開発が中心ですが、場合によっては他の言語で構築されたWebアプリや外部ツールとの連携を行わなければならない場面が発生します。そうした場合にSwift以外の言語に関する知識があれば現場で存在感を示すことができます。

最も大切なことは、Swiftのバージョンを常に追いかけ把握しておくことです。Swiftはこれまで年1回のペースでバージョンアップを重ねており、ライブラリの内容が大小問わず変更されてきています。以前は問題なかった記述の仕方がバージョンアップ後にバグになったり、新しい記述や文法が追加されていることがあります。SwiftのリリースノートはAppleの公式Webサイトにアップロードされており、アップデートのタイミングは事前に告知されますので、Swiftがアップデートされるタイミングで公式サイトをチェックして変更内容をいち早く把握できるようにしておくことが大切です。

Swiftのアップデートはこれまで毎年9月に行われてきました。つまり、9月に開発が終了するスケジュールではアップデートと同時にバグが多発する可能性も否定できないため、できるだけ9月を外したローンチができるようにする必要があります。このような考え方で開発チームをリードできるようなマネジメントスキルを身につけることも成功への近道だと言えるでしょう。コーディング能力だけではなく、開発チームのマネジメント能力が高いメンバーはどの現場でも必要とされ、重宝されます。求められる能力を持っていればその分だけ年収が上がる可能性も高まります。

まとめ

ここまでSwiftエンジニアの年収、Swiftエンジニアの需要について解説してきました。ここまでの内容をまとめると以下のようになります。

1.Swiftエンジニアの平均年収は一般的な大卒者よりも多め

2.経験とスキルによって年収を増やすことができる

3.他の言語も身につけておくと希少人材として年収アップに繋がる可能性がある

4.Swiftは登場してから年数が経っていないため、経験が浅くても収入面でチャンスがある

5.Appleの業績が好調な間はSwiftエンジニアの需要は落ち込まない可能性が高い

日本におけるITエンジニアの需要は増加し続けると言われています。スマートフォンを代表とするITデバイスの需要は安定し始めていますが、減少に転じる可能性は低いため、今後もアプリケーションの開発需要は安定していると予想できます。その中で機種別市場シェアで50%を超えているiPhone向けのアプリを開発できるSwiftエンジニアは、案件の数でも年収の面でも魅力的な職種だと言えるでしょう。現在Swiftエンジニアの方はスキルと経験を重ねて年収アップを、そして未経験の方もこれから参入し、充実した仕事ができるように頑張ってみましょう!