支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡

  • TOP
  •   
  • コラム
  •   
  • 『SES契約』と『特定派遣』のメリッ

『SES契約』と『特定派遣』とは

『SES(システムエンジニアリングサービス)契約』と『特定派遣』はどちらとも派遣元企業と無期限の雇用期間の契約を締結して、派遣社員として他の企業で働く勤務体系を意味します。IT業界は性質上この働き方のメリットを最大限に活用しエンジニアを派遣しています。

『登録型派遣』は違う

派遣事業と聞くと一般的な意味合いでは『登録型派遣』を思い浮かべます。『登録型派遣』は、まず派遣会社に登録した人に対し、派遣会社が業務を紹介します。紹介された人が業務内容に承諾し派遣先が確定すると、紹介された人は派遣会社と有期雇用契約を結んで派遣先企業で働きます。この勤務体系のことを『登録型派遣』といいます。登録型派遣の場合は派遣先企業との契約が終了すると、派遣社員と派遣元会社による雇用契約も解消されることになります。

『SES契約』と『特定派遣』の内容と共通点

派遣社員(エンジニア)と派遣会社が期間の定めのない雇用契約を締結します。これによって、エンジニアは派遣会社の正社員として籍を置くこととなります。ベンダーは、正社員として契約したエンジニアが働く派遣先企業(クライアント)を準備して、クライアントと派遣契約を締結し、エンジニアを派遣します。エンジニアは、クライアント先で求められる労働力を提供します。そして、派遣元会社から毎月の報酬をもらう流れになります。

『SES契約』と『特定派遣』の違い

大きな違いとして、『指揮命令権』の所在です。
特定派遣ではクライアントがエンジニアに対して指示することができます。
一方、SES契約は『準委任契約』の名前を変えただけであり正式には派遣契約ではありません。したがって、エンジニアに対しての指揮命令権は派遣元の会社にあり、クライアントがエンジニアに対して指揮を取ることはできません。クライアントがエンジニアに対し直接作業に関しての指示をした場合「偽装請負」とみなされます。偽装請負は労働者派遣事業法違反として、 1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられ、社名が公表される場合があります。

『SES契約』と『特定派遣』のメリット

『特定派遣』と『SES契約』がなぜIT業界に大きなメリットをもたらすのでしょうか。メリットはエンジニア、派遣会社、クライアントの三つの視点でそれぞれ異なります。

⊡エンジニアのメリット

エンジニア視点からのメリットは大きく二つあります。

①経験が積める

様々なプロジェクトを経験できてエンジニアとしてのレベルアップを図ることができます。クライアント側に就職するわけではありませんので、同じ業務を10年間続けるというようなことはほとんどありません。様々な環境で様々な経験を積むことができるので、社会人としての価値を高めやすいのです。履歴書などの職歴項目を転職という形で汚すことなくさまざまな経験を積むことができるのは、派遣社員として働く大きなメリットといえます。

②雇用の安定

クライアントとの契約が解消されたとしても、派遣会社とエンジニアの雇用契約は解消されません。これにより、派遣先がなかなか決まらない期間が発生したとしても、雇用契約が解消されるわけではないので給料をしっかりと支給してもらうことができます。また、派遣会社としてもエンジニアを遊ばせておくわけにはいかないので、積極的に次のクライアントを探してくれます。不安定になりがちな『登録型派遣』とは違い、安定して仕事を得ることができるでしょう。

⊡クライアントのメリット

一時的な業務量の変動にあわせて企業が人材を採用することは余剰なコストを抱えることになるため、合理的ではありません。そこで派遣事業を活用すれば、必要な時に、必要な経験・技術を有した人員を確保することが可能なため、自社で人員を採用するよりもコストダウンを見込めます。

⊡派遣会社のメリット

エンジニアを自社で働かせる機会が少ないため、広いオフィスやビルが必要なく事業を行えます。また『SES契約』であれば派遣元の企業がエンジニアに対して直接指示を出すことができるため、残業時間や作業分担を管理しやすく、報酬額の計算が用意になるという側面があります。

『SES契約』と『特定派遣』のデメリット

①エンジニアの派遣元会社への帰属意識の低下

派遣元である自社に対しての帰属意識が少なくなります。通常は派遣先のクライアントに常駐して業務を行う為、用が無ければ自社に帰社することはありません。自宅とクライアントの往復ばかりになると、自分はどこの会社に所属して働いているのかという疑問が湧きます。そうなると、派遣元に帰属意識が持てなくなり転職に至ってしまう場合があります。

②景気影響を受けやすい

『SES契約』『特定派遣』は期間の定めがない雇用契約です。しかし不景気の影響を受け、雇用が安定しなくなる可能性もあります。一般企業に所属する社員と比較すると影響は大きいといえるでしょう。例えば派遣先のクライアントが不景気になった場合、派遣先のクライアントは自分の会社の社員ではなく、最初に派遣社員の契約を打ち切りにすることになります。そうなると派遣会社もクライアントが減り、経営が難しくなって解雇や休業しなければならない状況になります。

まとめ

『SES契約』と『特定派遣』はそれぞれの契約形体は現在のIT業界で欠かせないビジネスモデルです。また、自分の価値を高めたいエンジニアにとっては様々な経験が積めるというメリットがある働き方です。

派遣形態の構造をしっかりと理解して、優良な『SES契約』事業『特別派遣』事業の派遣会社を見つけ出して、是非社会人としての価値を高めて下さい。