SAP案件の単価と今後の需要について調べてみた
SAP案件の種類
フリーエンジニアになり、SAP案件に興味をもたれた方も多いでしょう。
SAP案件にはいくつかの種類があり、どのような種類があるかを先に把握しておくことで、今後身につけておきたい技術や、今後のキャリアの方向性が見えてきます。
では1つずつ詳しく解説していきますね。
システムコンサルタント
まず一つ目のSAP案件の種類は「システムコンサルタント」です。
クライアント企業に常駐してコンサルタント業務を行います。
常駐型のため、自由に時間と場所に縛られずに働けるという感じではありませんね。
主にコンサルタント業務を行うことが多い企業は、官公庁や流通、製造、メーカー系に多いです。このようなシステムコンサルタント業務は、ある程度の実務経験がなければなかなかSAP案件に参画をすることができないため、まずは就職して実務経験を積むことが大事になります。
システム開発
次は「システム開発」です。
SAP案件では、独自の言語を用いてシステム開発をすることになるため、それなりの知識が必要になってきます。
また英語に対して理解がなければなかなか難しいので、しっかりと英語を身に付けておくことが業務を円滑に進めるためには必要です。システム開発に必要となる独自の言語に「ABAP」があります。
「ABAP」は独学で学んでいこうとしてもなかなか難しいため、はじめにSAPが提供するトレーニングをしっかりと学習していき、資格を習得していくこと必要です。
SAPが提供する資格にはSAP認定コンサルタントなどがあります。
Basisエンジニア
次にご紹介する案件は「Basisエンジニア」です。 BasisとはSAP ERPとOSの中間にあるミドルウェアになります。 トラブルシューティングやバックアップ設計に携わることが主な業務内容です。 しかし、それだけではなく今ではクラウドに対する知識も必要になってきますので、クラウドを活用していきながら構築をしていくといった検討も必要になってくるでしょう。
SAP案件は未経験でも受けられる?
これまでSAP案件の種類について詳しく解説をしてきましたが、未経験でも受けることができるのでしょうか。
実際にはコンサルタント業務やシステム開発などに携わったことがない人向けのSAP案件はない、と考えていいでしょう。
上記のようにある程度の知識がまず必要になってきますし、英語ができることを求められます。
そのため、SAP案件を探す前にまずはスキルを身に付けていくことがとても大事になってくるのです。
ただ独学でスキルを身に付けていくのは、とても難しいです。
SAP案件には、独自の言語が用いられています。 先程も紹介した「ABAP」は独学で学ぼうとしていても、詳しい情報がオープンにされていないため、なかなか厳しいというのが現状です。そのため、知識を身に付けていくためにはSAPアカデミーを利用していき、資格を取得していくことを目標にしていくのがいいでしょう。
SAP案件の単価相場
SAP案件の単価相場はどのくらいなのでしょうか。 表にまとめたので以下を参照ください。
経験年数 | 月収 | 年収 |
1年未満 | 40万〜50万円 | 480万〜600万円 |
1年 | 60万〜70万円 | 720万〜840万円 |
2年 | 65万〜75万 | 780万〜900万円 |
3年 | 75万〜90万 | 900万〜1,080万円 |
4年 | 85万〜100万 | 1,020万〜1,200万円 |
5年〜 | 90万〜200万以上 | 1,080万〜2,400万円 |
なんと5年以上の経験を持つ人は月収が200万オーバーという凄い収入になります。
もしあなたがSAP経験がある場合は相場と比較をしていき、実際に単価よりも安かった場合には単価の交渉をしてみるといいのではないでしょうか。交渉が苦手な方はエージェントを利用してみると、自分の単価を適正な値まで引き上げることができます。
このように相場と比較をしてみて、単価交渉をしてみることで最終的に年収アップにもつながっていくことが多くありますよ。
単価を上げるために必要な資格/スキル
単価を上げていくためには、ただ作業をこなしているだけではいけません。 直接的に自分の単価を上げてくれるような資格などは積極的に取っていきましょう。
トランザクションコード
SAPエンジニアのスキルとして最も必要とされている知識は「トランザクションコード」です。 画面上からトランザクションコードを入力をしていきながら、データの更新やシステムの状況などを把握していきます。
このトランザクションコードはシステムを導入した企業のユーザー側が使うものと開発者やシステム管理者が使うものがありますが、実際には企業内のさまざまな処理をトランザクションコードを入力して進めていきますので、ユーザー側が使うものに対しても精通していなければなりません。
そのため、ユーザーである企業側がどのような処理を行っているのか、またどう管理をしているのかを把握していく必要があります。
英語力
SAP案件に携わっていくためには、まず英語の読解力が必要になってきます。 そもそもSAPのパッケージに関する文書は英語が多いため、読解力がなければ仕事を進める事ができません。
また、SAP案件を扱っているのはグローバル企業が多いということから、システム開発を希望する場合には英語でのコミュニケーション能力も必要になってきます。 こうしたことから、SAPに対する知識だけではなく、英語でのコミュニケーションができるように語学力も必要になってくることがわかりますね。
アドオン開発
アドオン開発とは、SAPの標準機能だけでは実現できない案件である場合、独自言語である「ABAP」を使っていくことを言います。アドオン開発はたくさんありますが、中でもよく使われるのは「レポートプログラム」と「ダイアログプログラム」です。
レポートプログラムとは帳票や画面上に一覧出力するプログラムのことで、ユーザー側である企業も扱いやすくわかりやすいため、大変便利なものになっています。一方でダイアログプログラムとは、複数の画面で動的な処理が可能なプログラムで、アドオン開発を行っていくことを考えると必須のスキルです。
こうした多くの機能に対してもスキルを身に付けておくことで、より単価アップにつなげていくことができるようになっていきます。
SAP案件の今後の需要はあるのか?
これまでSAP案件の単価相場をご紹介してきましたが、今後需要があるのでしょうか。 記述しているようにこれだけ高額な相場となっているということは、SAP案件に携わることができる人材を求めている企業が多いということが伺えます。
つまりこれからも、ますます需要が見込まれると考えられますね。 「SAP 2025年問題」といって既存のシステムのサポートが終了するため、導入企業が打撃を受けるといった問題も懸念されてはいます。
ただ現在でもSAPコンサルタントやSAPエンジニアは不足しているので、今後のIT業界の発展を考えると十分に需要はあるでしょう。
まとめ
これからますます気になるSAP案件ですが、興味がある人はぜひ参考にしていただけると幸いです。
また、現在ではまだまだSAP案件をこなせる人材が不足しているため、スキルを身につけるだけで引っ張りだこになるはず。 なるべく早く資格などを取得し、経験を積むことで年収を上げていきましょう。