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はじめに

Unityはゲーム開発の分野で非常に有名なソフトウェアですが、GUIとはいえ素人が操作できるようなものではありません。Unityエンジニアはゲーム開発の知見を活かし、UnityとC#を使いこなしながらゲームを開発します。今回はUnityエンジニアに転職する方法や、年収、そしてゲーム開発だけではない仕事内容や将来性について解説します。

Unityエンジニアに転職する方法

Unityエンジニアに転職する方法として、大手転職エージェントやIT・Web系に強い転職エージェントを利用することになるでしょう。無料で会員登録をしたら、検索に「ゲーム」や「Unity」などと入力し、求人を探しましょう。すでにゲーム業界でUnityエンジニアとして働いていた実績がある場合は、キャリアカウンセラーの方がスキルに見合うUnity求人を紹介してくれます。実績がなくても、「未経験だがUnityエンジニアとして働きたい」という旨をプロフィールに登録し、キャリアカウンセラーにも伝えておきましょう。企業に属する会社員として転職する以外に、フリーランスという選択肢もあります。確定申告など自分でやらないといけないことは増えますが、自由な働き方ができます。広い視野で自分の将来を考え、フリーランスという選択肢も考えると良いでしょう。

Unityエンジニアの平均年収

Unityエンジニアの平均年収は、約350〜500万円です。実務未経験の場合は約300万円スタートになるようです。スキルが高ければ年収も上がるので、年収700万円以上も実現可能です。フリーランスのUnityエンジニアの場合は、平均月単価が74万円です。12ヶ月分を年収とすると、888万円になります。比較すると倍近く年収が異なりますが、会社員とフリーランスでは社会保険料や税金の計算が異なり、フリーランスには賞与やボーナスなどもありません。両者の金額は単純比較できないので、ご注意ください。

Unityエンジニアの仕事内容

Unityエンジニアの仕事内容を紹介します。Unityと聞くと「ゲーム開発」が浮かぶと思いますが、実は仕事はゲーム開発だけではありません。

ゲーム開発

まずはオーソドックス・カジュアルなゲーム開発です。スマホゲームや家庭用ゲームなど様々なプラットフォームがあります。シナリオやサウンドなどの各項目に合わせたプログラミングを行うことが主な作業です。

データ収集・解析

収集したデータを解析し、その結果をもとにゲーム開発の方向性を見直したり、明確にしたりします。またキャラクターやゲーム内で使用するAIの行動ロジックを調整する作業も行います。GUIを使いますが、「どういう動作をさせるか」などの部分はC#で書く必要があるので、プログラミングスキルが必要となります。

テスト・保守・修正

試作段階のゲームをテストし、問題点やバグが見つかった場合に、その修正を行います。ゲームをリリースした後の定期的なメンテナンスなどの保守もUnityエンジニアの仕事です。

Unityエンジニアに必要な経験、スキル

Unityエンジニアに転職する際に必要な経験やスキルを解説します。

C#などのプログラミングスキル

UnityはC#を使うので、きちんと習得しておくことが前提となります。またGUIとはいえ複雑な操作を伴うので、Unityを思い通りに扱うスキルも必要です。C#とUnityのスキルの取得の順番としては、Unityが先で後からC#を覚えるパターンが多いようです。開発言語はC#の他に、Objective-CやJavaScriptなどが求められる場合があります。こちらは所属する会社や企業、参画する案件によって異なります。

スピーディーな開発スキル

ゲーム開発の業界は、スケジュールが非常にタイトです。クライアントがいる場合は納期までにリリースしなくてはなりませんし、自社開発の場合でもリリース前は泊まり込みで作業することも珍しくありません。基本的にUnityエンジニアは即戦力を求められることが多く、タイトなスケジュールに対応できる瞬発力と、スピーディーな開発スキルが必要です。

ゲームへの情熱

Unityエンジニアはゲーム開発に関わる職種です。どんなゲームであれ、情熱を持って取り組まないと良いゲームは作れません。もちろん、ゲームをプレイするのが好きなのは良いことですが、必須ではありません。「良いゲームを作る、ゼロから素晴らしい作品を作る」といった高いこころざしがあれば、必ず開発業務で情熱となって表れます。難易度やグラフィック、キャラクターデザイン、ストーリー、ゲームシステム、様々な要素が複雑に絡み合い、1つのゲームが生まれます。ユーザーが楽しめるかどうかを常に考え、ゲーム開発に取り組む姿勢が重要です。

コミュニケーション能力

基本的にゲーム開発はチームで行い、20人以上の規模になることが多いです。そのため、チーム内で個人に役割が割り当てられ、開発する上で活発にコミュニケーションをとることが必要となります。黙々と作業することもありますが、週に一度、あるいはそれ以上の頻度でチーム内のミーティングや会議を行い、進捗確認やゲーム内容について細かな部分を詰めていきます。ですので、自分の意見を発言したり、チーム内メンバーと連携をとったりするために、コミュニケーション能力が必要となります。しかしながら、実際のところ多くの企業がSlackやChatworkなどを導入しており、同じフロアにいるのに直接会話せずチャットで完結してしまうことがあります。実際に筆者はゲーム会社に在籍していたことがありますが、コミュニケーションを取りたがらないプログラマーやUnityエンジニアが多い印象です。それゆえ、自ら活発にコミュニケーションを取ろうとするエンジニアは会社から重宝される傾向にあります。

論理的思考

ITエンジニア全般に言えることですが、相手はコンピュータなので、論理的な思考が必要になります。Unityでゲーム開発をする際にC#を使用します。エラー箇所やプログラミングにおける問題点などを発見でき、解決へ導く論理的思考もUnityエンジニアに必要なスキルの一つです。

未経験でUnityエンジニアに転職するときに押さえておきたいポイント

未経験でもUnityエンジニアになりたいという方もいらっしゃるでしょう。その際に押さえておきたいポイントを解説します。「未経験歓迎」「初心者OK」などの記載があるUnity求人も多くありますが、以下のことを行ってから転職活動を開始しても遅くはありません。未経験よりも優位なスタートを切れるでしょう。

UnityとC#について最低限の知識を取り入れる

UnityエンジニアはUnityを使って開発するので、最低限の技術や知識を学ぶことは遅かれ早かれ必須です。書籍やWeb媒体、動画、Unityのコースやカリキュラムがあるプログラミングスクールなどを活用し、積極的に学んでおくことをおすすめします。ゼロから教育してくれる企業もありますが、やはり土台がある程度できていた方が採用されやすく、自分自身も業務の吸収がより早くなるでしょう。またC#に関するスキルも必要です。正確には、Unityを使いこなすためにC#が必要になります。きちんと完読できそうな薄めの書籍を購入するか、動画でハンズオン形式の授業を探し学習を開始すると良いです。

簡単なゲーム開発をしてみる

Unityの扱いに慣れてきたら、簡単なゲームを作ってみましょう。Unity入門者向けのサイトや書籍を活用すればそれほど難しくないはずです。転職の際にUnityでどのようなゲームを作ったかという話題もできるようになり、全くの未経験より企業側も採用しやすくなります。

Unityエンジニアの需要と将来性

最後に、Unityエンジニアの需要と将来性について考えていきましょう。現在、IT人材は不足が懸念されています。UnityエンジニアもIT人材の分類ですので、今後も需要は高くあり続けることが予想されます。さらに、家庭用ゲーム機だけでなくスマートフォン向けのゲーム市場が広がりを見せており、Unityエンジニアの需要も増えています。またUnityエンジニアを求めている業界やサービスはゲーム業界だけではありません。医療、教育・人材育成、建築・設計、セキュリティ、自動車、広告など、様々な業界で求められています。ここでは、UnityのxR(※1)という「現実に存在しないものを体感する」という機能を実装する目的で用いられることが多いです。これらのことから、Unityエンジニアの将来性は高いと言えるでしょう。

※1.xRには以下の3つが含まれます。

  • VR:現実世界の情報を遮断し、仮想世界を描く
  • AR:現実世界(一部)に仮想の情報を重ね合わせる
  • MR:現実世界(視界前面)に仮想の情報を重ね合わせる

まとめ

今回は、ゲーム開発のプロフェッショナル「Unityエンジニア」についてまとめました。未経験でもOKと記載のある求人も多いですが、その後の苦労を考えると多少は独学で学習した方が良いです。Unityは無料体験できるので、パソコンのスペックに余裕がある方は早速インストールしてUnityに触れてみると良いでしょう。5GやAIの普及の背景もあり、ゲーム業界は今後さらに進化を加速していくと予想されます。ぜひUnityエンジニアとして、誰もが楽しめるゲームを開発する第一人者として、羽ばたいてください。