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IPAのセキュリティの資格について

この記事では、IPAのセキュリティの資格について説明していきます。

IPAとは

IPAとは、独立行政法人情報処理推進機構(Information technology Promotion Agency)の略称であり、日本のITに関する国家戦略などを技術面や人材面から支援するために創設された経済産業省所管の独立行政法人です。事業は主にIT分野における技術開発の促進や、人材の育成、情報セキュリティの調査や研究及び情報発信を行っています。人材育成においては、国家試験である「情報処理技術者試験」の実施をしていることで有名ですが、それ以外にも天才プログラマの育成を目指す[未踏ユース](若年層対象)、[未踏ソフトウェア創造事業]および、学生向けの教育セキュリティ合宿である[セキュリティ・キャンプ]なども行っています。情報セキュリティの分野では、ISEC(セキュリティセンター)、ICSCoE(産業サイバーセキュリティセンター)などの部署を持ち、「情報処理安全確保支援士試験」やセキュリティ知識の普及に関する活動、JVN(ソフトウェア脆弱性データベース)「Japan Vulnerability Notes」の運営、JISEC(ITセキュリティ評価と認証制度)の運営、J-CSIP(サイバー情報共有イニシアティブ)の主催などを行っています。

IPAのセキュリティ関連の資格について

IPAのセキュリティ関連の資格は大きく、「公的資格」、「国家資格」、「民間(ベンダー)資格」の三つに分けることができます。「公的資格」は、国家資格と民間資格の間に位置付けされる資格であり、公益法人や民間団体が実施して、経済産業省や文部科学省などの官公庁の官庁や大臣によって認定する資格です。セキュリティ分野の公的資格としては、一般財団法人や一般社団法人などが主催する「個人情報保護士認定試験」、「ネットワーク情報セキュリティマネージャー(NISM)」、「情報セキュリティ監査人認定講習会」、「情報セキュリティ管理士」、「SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定」、「SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定」、「公認情報セキュリティマネージャー(CISM)」、「CompTIA Security+」などのような資格があります。とくに「情報セキュリティ管理士」は、ネットワーク技術者の方のみのための試験ではなく、技術者の方はもちろんのこと、経理、総務、人事などの事務職や営業職の方、また管理職に就く方にとっても取得することをお勧めします。その理由は、企業の機密情報はネットワーク技術者またはセキュリティ部門だけで守ることはとうてい不可能であります。なぜなら、このような機密情報のほとんどが事務職や管理職で漏洩しているからです。むしろネットワーク技術者、コンピュータ部門による機密情報の漏洩はごくわずかであります。よって会社全体で常に情報漏洩に対する危機感を持つ必要があります。「漏洩の90%以上がヒューマンエラー」であると古くから言われているとおり、全社員の意識を高めることが唯一の機密情報漏洩を防ぐための対策になります。

二つ目の「国家資格」は、その名の通り国が認定を行う資格のことを指します。セキュリティ分野の国家資格には、これまで実施されてきた「情報セキュリティスペシャリスト試験」に代わり、2017年から開始された「情報処理安全確保支援士」があります。情報処理安全確保支援士は、経済産業大臣が「情報処理の促進に関する法律」に基づいて認定する国家資格であり、サイバーセキュリティに関しての情報提供や相談、状況調査、助言、分析などを経て企業などで情報セキュリティの確保をアシストする人材の資格です。システムや組織に対し脆弱性や脅威を評価して、技術面や管理面で効果の高い対策を実施できる情報システムの管理者やセキュリティエンジニアを目指す人に適しており、情報セキュリティの重大さは日々高まってきており、現在では非常に人気の高いエンジニア資格の一つです。また支援士として活動を行うためにはIPAの登録が必須となります。

三つ目の「民間(ベンダー)資格」は、さまざまな機関が実施する試験のことを指します。この資格は、実施団体が製造と販売を行うソフトウェアに対する知識や技術を問う試験が多いこともあり、より専門的な試験となっている傾向があります。セキュリティ分野の民間資格は、(ISC)2資格やシスコ技術者認定などがあります。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。今回はIPAのセキュリティの資格について説明しました。セキュリティエンジニアになるために必要な資格は基本的にはありませんが、転職時により有利に働いたり、会社での評価の向上につながったり、セキュリティに対する意識を高めたりできるなどたくさんのメリットがあります。多数ある情報セキュリティの資格の特徴や目的を理解して、難易度を把握し、将来の自分に必要な資格かどうかをしっかりと考えたうえで受験することをお勧めします。皆様がIPAのセキュリティ資格の習得を目指す際の参考になれば幸いです。