ネットワーク調査でよく使われるツールの紹介
はじめに
ネットワークを調査する行為には様々な目的がありますが、大きな目的としては二種類にまとめられます。
1つめは安定した通信の確保です。
使用しているコンピューターのネットワークが性能低下でレスポンスが悪化していないか、何らかの原因で通信障害が発生していないかを監視し、必要に応じて対策を行います。
2つめはアクセス解析です。一般企業や個人で運営されているWebサイトにいつどこから訪問してきたか、またサイトの訪問者数等をチェックすることで、サイトデザインやマーケティングをしていく際の参考データとします。
本記事では、ネットワークの監視を目的としたソフトウェアとアクセス解析を目的としたソフトウェアの中から代表的なものをご紹介します。
ネットワーク監視でよく使われるツール
ネットワーク監視システムは、稼働しているシステム内での通信が正常にできているか、不正アクセスやアタックによって負荷が発生していないかということを常時監視して、検知できるようになっています。通信の監視によって、システム障害や不正アクセスによる情報流失を未然に防ぐ役割を担っています。
このネットワーク管理を簡単に行うために、現在は有料無料問わず様々な種類の監視ツールが提供されています。次に紹介するツールは無料版の提供もあるので、興味がある方は試しに利用してみてはいかがでしょうか。
1.『Site24x7』
サーバー等の機器単体ではなく、ITインフラ全体のパフォーマンスや可用性を監視できるSaaS型のオールインワン監視システムです。
Webサイト・サーバー・ネットワーク・アプリケーション等を1つの画面から一元管理できる上、利用方法もシンプルで分かりやすく作られています。主な機能として、Webページ内のリンク切れチェックや、エラーの検出、ロード時間を認識が可能です。単純にページ内にエラーが存在していないか、またページ内で読み込んでいるスクリプトが負荷要因となっていないかということ等を確認できます。
2.『OpManager』
Site24x7同様、ネットワーク/サーバー/アプリケーションを総合的に監視できるツールです。8,000以上の装置テンプレートがあるため、自社のシステム運用に適した監視体制を、最短10分で設定、開始できるスピーディさが魅力です。
サーバー監視は物理サーバーに加えて仮想サーバーも監視可能で、社外公開サイトから社内データベースも含め、同一画面で全てのネットワーク状態を確認できます。
3.『ThirdEye(旧SNMPc)』
「ThirdEye」は、同社の製品「SNMPc」から進化したネットワーク監視ツールで、監視対象が一目で分かるマップ表示が特徴的なネットワーク監視ツールです。
マップ表示では複数の拠点間を結ぶネットワーク状況を一目で把握でき、ダッシュボードという名称で作成できる画面では、マップを表示しながら各拠点の監視データを確認できるため、従来製品より使い勝手が向上しています。
アクセス解析でよく使われるツール
アクセス解析ツールは、サイトへの訪問者数や各ページごとのPV数の他、訪問者がいつどんな端末を使ってどこからアクセスしたのか、どう経由してページにたどり着いたか等というデータを取得できます。そのためサイト運営における改善点の把握ができます。
SEO対策ができているか確認する指標にもなるので、サイトを構築する初期段階で導入しておくことをおすすめします。今回は無料でも利用できるアクセス解析ツールをいくつか紹介します。
1.Googleアナリティクス
Google提供の有名なアクセス解析ツールで、Googleアカウントを取得すれば誰でも無料で利用できます。サイトの訪問者数、PV数、サイト内の平均滞在期間といった基本項目はもちろん、閲覧者の年齢や性別、地域、使用言語、ブラウザ、OS、端末と多様な情報を把握できるので、マーケティング等に役立てられます。
また、SNSでのシェア数や、特定のクリック数、滞在時間といった項目を独自に設定して分析することも可能なので、各企業のKPIに合わせたWebサイト評価ができるというのもGoogleアナリティクスの大きな特徴です。
細かい設定やデータの分析に専門知識が必要となり、アクセス解析ツールに触れるのが初めてだと慣れるまでに時間を要する可能性はあることにはご注意ください。初期設定時に基本的なSEO対策がされている高性能な解析ツールなので、専門的に解析をしたい場合には適しています。
2.Googleサーチコンソール
サイト運営者がクローラー(検索ロボット)とやり取りをするためにGoogleが提供している無料ツールです。Googleアナリティクスはサイトへアクセスがあった後のデータを解析するのに対して、Googleサーチコンソールはサイトにアクセスする前の情報を解析します。主に検索に関するパフォーマンス状況が対象です。一部機能をGoogleアナリティクスの管理画面にひもづけることもできるので、併用することでさらに幅広いデータが取得できます。
3.Similar Web
広告施策やSEO戦略に必要なデータを取得・分析できるアクセス解析ツールです。一般的なアクセス解析の項目に加えて、競合他社のサイトとの比較が行える機能が充実しているのが最大の特徴です。
無料版は機能制限がありますが、ウェブ分析、約1ヶ月分のデータ取得、上位5位までの情報表示は利用できるので、同業他社の動向を追って差別化するために活用できます。有料版にはアプリ分析や業界分析といった機能があります。
4.FC2アクセス解析
Webサイトやブログの訪問者を細かく解析できる無料ツールです。様々あるアクセス解析ツールに比べ、シンプルで使いやすいのが特徴です。シンプルなので、Webマーケティングの専門的な指標を知らなくてもデータを理解できるというところがメリットとなります。その他にも8秒で消える業界最小のバナーが設置でき、リアルタイム解析も行えます。アクセス解析によっては意外とできない自分のアクセスの除外がFC2アクセス解析だと可能です。初心者にもおすすめのツールと言えます。
5.忍者アクセス解析
無料版で全ての機能が使用可能なツールです。完全リアルタイムのアクセス解析が可能で、閲覧者の動向等の情報がわかるアクセスログが最大4ヶ月まで保存できます。またスマートフォンやタブレット等のモバイル端末の機種名といった細かい点までの解析が可能です。無料で使えるアクセス解析の中でも特に高機能な忍者アクセス解析は、ソースコードをHTMLに貼るだけで簡単に設置できます。
まとめ
ネットワークの調査は、利用しているシステム間のネットワーク状態を監視する目的や、外部からのアクセス状況を確認する目的等、様々な場面で必要となってきます。
ネットワーク調査に欠かせない監視ツール、アクセス解析のどちらも非常に多くのツールが提供されていて、無料のものは特に気軽に導入できます。企業等でより詳細なデータを分析したい場合は有料版の契約が必要になることも出てきますが、試しに利用したい場合は、ぜひ無料版のツールを導入してみてはいかがでしょうか。