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どのような面接時においても必ず最初にチェックされ、第一印象を決めると言っても過言ではないプロセスが「入室」です。面接に限った話ではないですが、「メラビアンの法則」という法則でも定義されているように、初対面の人に対する第一印象は無意識下で見た目が55%、声の大きさやトーンが38%、話の内容自体が7%の順番で優先されます。第一印象は出会って数秒で決まると言われており、面接のように長時間ではない対話だと大半の場合が受けた第一印象を覆すことが難しいと考えられています。つまり、面接時の最初のプロセスである入室マナーで与えた印象は面接終了時まで続くと言えるでしょう。良い印象が与えられれば面接もスムーズに和やかな雰囲気で進むでしょうし、反対に良くない印象を与えてしまうと厳しい雰囲気になってしまうかもしれません。そのくらい面接の入室方法はとても大切です。今回は就職活動や転職活動の際に必要な面接会場への入り方を中心に、入退室時の面接マナーについて細かく解説していきます。

面接時の入室マナー

面接の始まりとも言える面接会場への入り方は非常に重要です。通常時であれば部屋への入り方は特に難しいこともなくスムーズにできるでしょうが、面接などの場合、緊張してしまい通常はできることであっても突然動作が飛んでしまったりいつものようにいかなかったりと不測の事態は付き物です。どのようなシチュエーションであっても混乱することの無いように、日頃から習慣化しておくことが大切です。

入室時のドアノックの仕方

面接会場へ入る前に忘れてはならないのが面接ドアのノックです。意外と間違いやすいのがドアノックの回数で、国際的には4回と言われていますが日本では3回のノックが通例となっています。2回のドアノックは空室確認をする際の回数ですので間違えないよう注意しましょう。
細かいことですがノックをするスピードにも留意するとなお良いです。焦る気持ちからつい速くノックをしてしまう方もいるかもしれませんが、これは面接官に焦らせているような印象を与えてしまいかねないので、一度しっかりと深呼吸をしてゆっくり3回ノックするようにしましょう。ノックの方法は軽くこぶしを握り、「コン、コン、コン」とややゆっくりめに行います。ノックをすると面接官から「どうぞ、お入りください。」「どうぞ。」などと声がかかりますので、「失礼いたします。」と大きく聞き取りやすい声ではっきりと伝えてドアの開閉をしてください。ちなみに、面接会場のドアが元々開いている場合や面接会場にドアが無い場合はノックをするとマナー違反となってしまいますので、ノックなしで入室するように気をつけましょう。

また、ドアノックの回数を気にしすぎるあまりノックの回数をやり直したり何回もノックを繰り返したりしてしまうのは面接官へもたついている印象を与えてしまうので、万が一回数を間違えて2回で止めてしまったとしてもあまり気にしすぎずに入室してから挽回する、というような気持ちで入室すると良いでしょう。

入室の際のドアの開け方

言うまでもなく面接会場はどの企業も同じということはなく、企業によってさまざまな面接室がありドアの種類も異なります。ドアの種類は大きく分けると「開き戸」「引き戸」「ドアなし」の3種類に分かれていますので、どのパターンだったとしても問題なくスムーズに対応できるようにしっかり対策をしておきましょう。ドアの開閉方法が直接面接の結果に繋がる、ということはないですが、ドアを開ける際にその動作が不自然だったりもたついていたりすると、スムーズに行えた人に比べれば印象は少し下がってしまう可能性があります。
いざ面接の対策をするとなると、おそらく大半の方の意識は面接時に質問される内容に対する受け答えがきちんとできるか、ということばかりに向いてしまいがちではないでしょうか。しかし、ドアの開け方や面接会場への入り方といったような非常に小さな部分でも、無駄なくスムーズな動作で完璧に行うことができれば、少しずつ良い印象を蓄積していくことが可能なのです。そのことを念頭に置き、相手へ与える良い印象をどんどん稼いでいきましょう。

開き戸でドアノブがついているタイプのドア

おそらく、この開き戸でドアノブがついているタイプのドアの面接会場が最もポピュラーではないでしょうか。開き戸のドアを開ける際は、ノックをした後に面接官から「どうぞ」と声がかかったら「失礼いたします。」と言ってドアの開閉を行います。ドアを開く際は、ドアノブが左側についている場合には右手で、右側についている場合には左手でドアノブを掴んでドアを開けます。挨拶とお辞儀を済ませたら、面接官がいる場所へは完全に背中を向けないように注意しながらドアを開けた手とは反対の手で静かにゆっくりとドアを閉めます。
面接会場へ入る際にカバンを持っている場合は片手で行います。両手でのドアの開閉は一見丁寧なようにも見えますが、どのような場合でも逆に不自然に映ってしまいますのでやりすぎないように気をつけてください。ドアによってはドアを閉める際に大きな音がしてしまう可能性があるので、完全に閉まるまではドアノブから手を離さずに静かに閉めることを意識しましょう。

引き戸タイプのドア

面接会場のドアが引き戸だった場合にも、基本的には前述した開き戸タイプと同じようにドアの開閉を行います。入室前にドアをノックし、面接官から「どうぞ」と声がかかったら「失礼いたします。」と言ってドアを開きます。ドアを開く際は、取っ手が左側で右に開く場合は右手で、取っ手が右側で左に開く場合は左手でドアを開きます。このように行うことでドアを開けた際に手が前を遮らず、面接官に対して真正面できれいに立つことができます。ドアを開けたら挨拶とお辞儀を済ませてドアを閉めますが、この時も開き戸タイプ同様面接官に極力背中を見せないよう気をつけましょう。斜めに立ってドアを開けた際の手とは反対の手でドアを閉めることで背中を向けることなくドアを閉めることができます。また、完全にドアが閉まるまでは取っ手から手を離さず、音を立てないようゆっくり静かに行うことが大切です。

ドアがないタイプ

あまり多くはないかもしれませんが、面接会場に入ろうとした際にドアが無かったり、すでにドアが開いていたりした経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。どちらの場合でも入室前にドアの一歩手前で立ち止まりノックなしで「失礼いたします。」と言って入室します。また、ドアが開いていた場合入室後にドアを閉める必要はありません。ただし本来は閉まっているはずのドアが前の面接者の締め忘れで開いたままになっている可能性もあり、この場合はドアを閉める必要があります。判断が難しい場合には勝手に行うのではなく、一言「ドアを閉めたほうがよろしいでしょうか?」と面接官に確認するのがベターです。面接会場にドアが無い、というケースは恐らく少ないですが、何事も準備はしておくに越したことはないのでどのようなパターンでもスムーズに進められるようにしておきましょう。

入室時のお辞儀と一言

面接会場への入り方は先ほども解説しましたが、ドアをノックして面接官から指示があったら「失礼いたします。」と言いお辞儀をします。挨拶とお辞儀は同時に行うのではなく、一言挨拶をした後にお辞儀を行う方が印象が良いです。ドアを閉め終わったら用意された椅子の横に姿勢を正して立ち、「〇〇と申します。本日はお忙しいところ貴重なお時間を割いていただき誠にありがとうございます。何卒宜しくお願いいたします。」などのように、名前と面接の時間を作ってもらったことに対する感謝を簡単に伝えましょう。また、挨拶後は勝手に座るのではなく、面接官から「どうぞ、おかけください。」等の指示を待ってから着席するように気をつけましょう。


さて、ここまで面接会場への入り方、入る際のマナーについて細かい部分まで解説をしてきました。ここからは入室と同じくらい大切な退室時のマナーに関して詳しく解説をしていきます。「終わり良ければ全て良し」ということわざがあるように、何事も物事の締めくくりは非常に重要です。緊張する面接の質疑応答が終了したからと言って気を抜かず、最後会場を後にするまで気持ちを切らすことのないようしっかりと集中して臨みましょう。

面接が終了して退室する際のマナー

面接会場への入り方もそうですが、退室や退室後も面接の一部であり、面接官に評価されているということを忘れないようにしてください。面接の入り口である入室時のマナー次第で第一印象を良くも悪くも大きく変えてしまうということははじめにもお伝えしましたが、その一方で退室時には入室時の態度と温度差が無いか、という部分をチェックしている企業もあるようです。入室時には丁寧だった態度が、面接が進むにつれ次第に横柄さが垣間見えるようになったり、姿勢が崩れていたり、退室時には印象が変わってしまったという例も実際にありました。質問に対する回答の言葉は事前に準備をして気をつけることができても、所作に関してつい素が出てしまうということは想像に難くありません。入室マナー同様日頃から意識的に行い、体に覚えさせることが大切です。

着席した状態でお礼を伝える

面接が全て終了し面接官から退室を促す言葉があったら、着席して背筋を伸ばしたままの姿勢で「本日はお忙しいところ貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。」などと面接の機会を作ってもらえたことに対する感謝の気持ちを伝えお辞儀をしましょう。面接官の目を見て笑顔でお礼を伝えると好印象です。

立ち上がり椅子の横で再度お辞儀をする

お礼の言葉とお辞儀を済ませたら立ち上がり、入室時と同様に椅子の横に姿勢を正して立ってお辞儀をしましょう。

ドア前まで移動し退室

挨拶を終えてドアの前まで移動したら面接官の方へ振り返り、「失礼いたします。」と言ってもう一度お辞儀をします。この際も挨拶とお辞儀が同時にならないように注意しましょう。挨拶を終えたら入室時のマナーの部分で前述したように、ドアの開閉をはなるべく音を立てないようにゆっくり静かに行い、速やかに退室します。
退室したからといってすぐにスマートフォンを触ったり、飲食をしたりするのはよくないです。面接が終わってホッとする気持ちも分かりますが、真っすぐ建物の出口を目指し、企業を後にしても気の緩んだ行動を取ることは避けて、少し大袈裟ではありますが自宅へ戻るまでは面接であるというくらいの意識を持つようにしましょう。

退室時に面接官が出口まで見送ってくれる場合

面接終了後、企業によっては面接官がエレベーターや玄関、企業の出口など一定の場所まで見送ってくれる場合もあります。その際は案内してくれる人の後ろを歩き、案内に従って進みます。出口に向かっている間など沈黙が気まずく感じるかもしれませんが、無理に話題を探して面接に全く関係のない不自然な会話をするよりは静かに笑顔でいた方が良いでしょう。面接官が話しかけてきた場合には質問に対して笑顔で答え、気遣いや労いの行動に対して感謝の気持ちを伝えましょう。その際、面接時と変わって面接官もフランクに話しかけてくれる可能性がありますが、つられてこちらもフランクになりすぎるのではなく、あくまでも会話をしているのは面接官であるということを念頭に置き、礼儀を忘れずに会話をしましょう。

まとめ

今回は面接時に質疑応答と同じくらい重要視されている面接会場への入り方と退室のマナーについて細かく解説してきました。面接は質疑応答だけ頑張ればいいというわけではなく、入退室時も厳しく面接官にチェックされています。第一印象に直結する入室時、面接を締めくくる退室時それぞれのマナーは慣れるまでスムーズに行えないかもしれませんが、一度身につけてしまえば一生役に立つものです。入退室時の態度や所作次第で、面接の際に質疑応答以外の部分でも良い印象に繋げるためのポイントはいくつもあるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。ぜひ今後みなさまが何かしらの面接を受ける際に少しでも思い出していただければ幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。