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業務委託とは?

業務委託契約とは顧客である企業から、外部の人間であるあなたが業務を委託されるために結ぶ契約のことです。例えば正社員としてある会社に雇用される場合は「労働力を提供する対価」として給料を受け取ります。しかし業務委託の場合は「業務を完結させた成果を提供することの対価」として報酬が支払われます。顧客のオフィスに出勤するかしないかについては、仕事の内容や相手との話次第です。「勤務時間」のようなものも特に設定されることがなく、依頼された仕事を期日までに終わらせることが給料=報酬発生の条件となります。

正社員と比較すると働き方の裁量が多く自由な印象がある業務委託ですが、必要経費は基本的に自費となります。そのため、報酬総額から経費を抜いた手取り金額=実際の給料を増やすためにはきちんと経費計算も行わなければなりません。仕事のペースや経費の管理などがしっかりとできるようになれば、報酬=自分の手取り給料をコントロールしやすい契約形態だと言えるでしょう。

業務委託で受ける仕事の事例3つ

業務委託で受けることができる仕事にはどんなものがあるのでしょうか?代表的な仕事のいくつかにはIT系の仕事があげられます。

 

Webデザイナー

   

Webサイトの構成やデザイン、システムを含めた全体設計をするのがWebデザイナーの仕事です。例えばシステムに関する打ち合わせが必要な場合はシステムエンジニアなどと打ち合わせを行い、色味や使用する画像など視覚的なデザインに関わる部分はデザイナーと話すことが必要です。そのため業務委託契約を結んだクライアントのオフィスに常駐している必要性は、さほど高くありません。デザイナーやシステムエンジニアもクライアントである企業が外注していることも少なくないので、彼らと打ち合わせ等を行う場所がクライアントの事務所だとは限らないからです。

   

Webエンジニア

   

Webサイト全体のシステム構築、Webアプリケーションの開発や実装、Webサイトが公開された後の保守作業などがWebエンジニアの仕事です。Webサイト全体や、開発・実装するWebアプリケーションの定義や仕様が決まってしまえば、実際にはクライアントのオフィスに常駐しなくても作業は可能です。WebエンジニアはWebデザイナーと一緒に仕事をすることも多いため、よくやり取りをしなければならない相手と話ができる環境さえ整っていれば場所と時間に依存せず働くことができます。

   

Webライター

   

クライアントが求める文章を適切な構成で、必要な分量を執筆して納品するのがWebライターの仕事です。締め切りまでに必要な文字数や記事数を執筆することで報酬をもらうのがWebライターなので、クライアントの事務所に出勤する必要性は高くありません。多くのWebライターは自宅やシェアオフィス、カフェなどで執筆作業を行う事が多く、クライアントの紹介記事や取材記事の場合は外出をしたりクライアントのオフィスへ行くこともありますが、それ以外は基本的に勤務時間や出勤などに制限がありません。そのため、執筆のペースや案件の難易度などを上手に組み合わせることができれば、受注する仕事量をコントロールすることは比較的容易な仕事だと言えるでしょう。

   

業務委託で受ける仕事の相場はいくら?

   

業務委託で受ける仕事の相場はどれぐらいなのでしょうか?業務委託の場合は「給料」という言い方は的確ではないかもしれません。しかし一般的な給料にあたる報酬の相場は気になるところでしょう。

   

業務委託の場合、一般の給料にあたる報酬金額は案件の難易度や需要、そして職種によって報酬額=給料が上下します。WebデザイナーやWebエンジニアの場合は月額350,000円の案件もありますし、月額600,000円の案件も存在します。場合によっては月額1,000,000円を超える案件もありますので、実力や経験がある方であれば収入を伸ばせる可能性が多いと言えるでしょう。

   

Webライターの場合は報酬の形態が複数あるため、月収という観点では少し複雑かもしれません。Webライターの給料となる報酬金額は「1文字○円〜」というものもあれば「1記事○円」「月額○円(記事数指定なし)」など様々です。しかしこれはWebライターの報酬が他の職種に比べて低いということを意味するわけではありません。Webライターの中には「1記事100,000円」「1文字50円」など高単価ので仕事をする方も少なくありません。また、月間契約という形で報酬を支払ってもらう働き方を選択するWebライターの方も存在します。

   

この記事内でご紹介したどの職種でも、ご紹介していない他の職種でも、フリーランスの場合は経験と実績が給料=報酬金額と直結するケースは少なくありません。Webデザイナー、Webエンジニア、Webライター、どの職種でも各人それぞれに得意な分野や積み重ねてきた経験があります。そして経験に裏打ちされた知識や専門性は、あなたにとっての付加価値となって報酬アップに繋がることも多いでしょう。

   

経験を重ねて専門性を高め、それを付加価値として高い報酬の業務委託契約を獲得できることがベストですが、今は高単価の案件を受注するほどの実力はなくても、報酬額の高い案件を狙えるように自分自身の付加価値を高める努力をすることも必要です。業務委託で受ける仕事の相場は確かにありますが、あくまでも目安だということは忘れないようにしましょう。

   

業務委託のメリット

   

業務委託で仕事を受けるメリットは主に3つあります。

   

1.得意な分野のみで仕事ができる

   

最も大きなメリットは「得意な分野の仕事だけをできる」ということでしょう。仕事の成果を納品することが条件の業務委託は、受けるか受けないかを自分で選ぶことができます。つまり、嫌な仕事は受けなくても誰も文句を言いませんし怒りません。得意な分野の得意な仕事を集中して受注すれば、そうではない仕事を受けるよりも効率的に仕事をこなしていくことができるでしょう。仕事の効率と納品のペースが上がっていけば、それは報酬が上がるということにも直結します。

   

2.時間や場所に縛られずに働ける

   

例えば満員電車が本当に苦手だったり、何らかの理由で外に出られない状況だったとしても、この記事でご紹介しているIT系の職種を業務委託で受けるということが可能です。そうすれば時間にも場所にも縛られずに働くことができ、自分にとって本当に能力を発揮できるリラックスした環境で業務を行うことができます。目の前の業務に思う存分集中することができるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

   

3.付加価値を増やした分だけ報酬が上がる

   

一つの業務に対して、誰でもできることだけをやっているとなかなか報酬は上がりません。しかし、同じ業務でもあなたにしかできないことや、あなただけがしていることを増やしていけば、それは「あなただから提供できる付加価値」「あなたに仕事を依頼することで得られる付加価値」であるとクライアントに認識してもらえることが増えていきます。ビジネスの世界では「付加価値の高いモノやサービスは価格が高い」という常識があります。つまり、あなたと仕事をすることでクライアントが得られる付加価値が多ければ多いほど、あなたが得られる報酬はそれだけ高くなるということになります。

   

業務委託のデメリット

   

業務委託で仕事をするデメリットについても確認しておきましょう。

   

1.仕事が保証されているわけではない

   

業務委託で働こうとする場合は残念ながら、毎週、毎月決まった仕事を受注できる保証はありません。クライアントはその時々の都合や予算に合わせて発注先を決定します。今月500,000円支払ってくれたクライアントが、来月も再来月も同じ金額の同じ仕事を発注してくれるとは限らないのです。また、プロジェクトが終了・完了してしまった場合はしばらくそのクライアントから同じ仕事が発注されない可能性もあります。

   

2.労働基準法は適用されない

   

雇用されての「労働」ではないため、労働基準法が適用されません。残業時間の規定はありませんし、残業代という概念がありませんから残業代が支給されることもありません。もし何かあっても労災が適用されることがないため、「自分の身は自分で守る」という意識が重要です。

   

3.確定申告など、税務処理は自分で行わなければならない

   

会社に雇用されている時と違い、給与の天引きなどはありません。所得税や住民税など、必要な税金は自分で支払い処理をしなければなりません。また、その年に得た収入合計金額分と支出等の経費計算を行った上で、確定申告も自分でする必要があります。会社に勤めて給与明細をもらった経験がある方なら見たことがあると思いますが、給与明細に記載されていた「控除」の部分の金額に関する処理を、全て自分で行う必要があるということになります。

   

まとめ:業務委託の仕組みをよく理解し、適切な仕事を受注しよう

   

フリーランス・個人事業主となって個人で働くのはメリットも多いですが、同じようにデメリットもあります。業務委託契約とそれ以外の契約形態の違いをよく理解しておくことで、自分の働き方や収入の組み立て方は変わってくるでしょう。

   

自身の強みや付加価値をよく理解し伸ばしていくことができれば、業務委託で働くということはそれだけ収入を伸ばすことができる働き方です。IT系の職種は移動する必要性がそれほど高くないこともあり、業務委託という働き方と相性がいいと言えます。自分の持つ技術や知識、経験を活かして適切な仕事を受注していきましょう。